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今月もひとり歌会(2024年4月)

月が終わると、毎日詠んだ歌を整理する「ひとり歌会」。誰のフィードバックも得ず、詠んだ歌を見ながら一人、仕事や生活をふりかえる。

近況

息子と金時山に登り、夏に二人で登る予定の富士山を眺めてきた。読書も毎日noteも短歌も続けられている。仕事の進みがよくないことが少し問題だ。もっと大きな問題は、妻との暮らしも三か月。まだうまく回っているとは言い難い。一緒に暮らすまで、知らなかったが思った以上に多かった。

短歌についていえば、年に一回程度、短歌結社の会報誌の目立つところに取り上げられるので、その回数を増やしたく、今までの倍、一日二首以上、詠もうと思ったけれど、うまくもいかなかった。

今月の歌(36首)

4/1月
桜なき三月末の隅田川に祈り咲かせに酔客の涌く
→歌会詠草

4/2火
仲直りした翌日もガリガリとヤスリの刃と刃がリビングにいる

4/3水
老眼の新たなステージ 空目して苺は狩れず母を狩るイベ
(「塔」短歌会5/20締切投稿⑩)
子に直接「おめでとう」とは言えぬ日に父は喜びと悲しみを食む

4/4木
コーヒーをパソコンにこぼし妻のせい 自責の念を減らす 健全
→コーヒーをパソコンに溢し妻のせい 自責の念を減らす 健全
(「塔」短歌会5/20締切投稿③)

4/5金
家事も読書も捗った週 仕事だけは捗らないのがこの世のルール

4/6土
数年前の勤務地近くの千鳥ヶ淵で我が桜のように講釈を垂れ

4/7日
名所じゃない学校や街の公園にも桜のあった日本の景色

4/8月
目の前の時間だけがただ過ぎてゆく 洪水に流される子犬を見るよう

4/9火
ぬか漬けは旬を留めて食むものと 塩気よりもその風味を纏わす

4/10水
うまくなりたい 詠まず読まずに願うのみ それでもうまく詠みたいのだと

4/11木
あと少し…終わる仕事を前にして17時半 缶を開けるの

4/12金
一万時間かければそれなりにはなると 百歳超えたら歌人になれる
→一万時間かければそれなりにはなると 百歳超えたら「私、歌人です」
(「塔」短歌会5/20締切投稿⑧)

4/13土
鶯の声を聞きつつ講義聞く 学生時分に分けたき真面目

4/14日
「日曜は満点じゃない?」妻に問う 採点厳しく35点
→「日曜は満点じゃない?」妻に問う 採点厳しく三十五点
(「塔」短歌会5/20締切投稿④)

4/15月
桜の木見えぬけれどもマンションの六階廊下に花びら敷かれ

4/16火
今よりも短歌に力を入れようと決めた日言葉は生まれ落ちない

4/17水
震度3の佐賀にはすでに父母はなく天国に確認するべきものか
倍詠めばいいものになる歌の数は倍になる僕の計算上は

4/18木
食卓で妻を前にしてキーボードをひたすらに打つ顔色気にし
妻の缶こっそり空けた翌日の買い物カゴに同じ缶入れ


4/19金
五十を前に竿おさえつけいばりする 朝少しだけ自信を手にす
→五十を前に竿おさえつけ尿(いばり)する 朝少しだけ自信を手にす
(「塔」短歌会5/20締切投稿⑨)
廊下に散る花びらはとうに色褪せて 儚さは薄汚さに変わる

4/20土
鶯の鳴く樹の下にモンスター倒す息子のゲーム機の音

4/21日
子の機嫌、妻の機嫌を注視して 自分の機嫌を見失ってく

4/22月
江東区の選挙カーの声喧し 墨田の窓から唾を吐き捨つ
米を床にまき散らしたのち掃除機のないシンプルな暮らしを恨む
→床に米を撒き散らしたのち掃除機のないシンプルな暮らしを恨む
(「塔」短歌会5/20締切投稿⑤)
名もなき家事を引き受けたこと伝えねば、存在もなきものにされちゃう

4/23火
「中性脂肪がとても高いです」医者のいうアドバイスを置きラーメン屋にいる
→「中性脂肪がとても高いです。運動をしましょう」ラーメン屋での反芻
(「塔」短歌会5/20締切投稿①)

4/24水
夢の中で大統領が打たれ死ぬ 続報気にし寝坊するなり
→夢の中 大統領が撃たれ死ぬ 続報気にし寝坊するなり
(「塔」短歌会5/20締切投稿⑥)

4/25木
二回目の結婚の祝いもありがたい 揉めてることは内緒にしとく
→二回目の結婚祝いもありがたく揉めてることは内緒にしとく
(「塔」短歌会5/20締切投稿②)

4/26金
捻り出すぞと思うほど言葉が出てこない ウンコのような短歌と俳句
→捻り出す!と思うほど言葉が出てこない ウンコのような短歌や俳句
(「塔」短歌会5/20締切投稿⑦)

4/27土
二振りともに未熟なままに二刀流 俳句も短歌も何も切れない

4/28日
新妻と息子の関係始まって つなぐ技量が私に足りない

4/29月
休日に仕事しようとすることがもう負けていると知っているはず

4/30火
うまくいかぬことを近くにいる人のせいにして自分の評価を保つ

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今日の短歌

今月の振り返り

いい歌を詠むため、歌の肥やしにいたします。 「スキ」「フォロー」「サポート」時のお礼メッセージでも一部、歌を詠んでいます。