【声劇台本】その造られし者の望みは
演者様:男性 1人 女性 1人
ただし、女性が少年ボイス等で◆役を演じられても🆗
上演時間:約4分〜5分
BGMの指定は特にしておりません。
(お任せします)
役
◆…柊 修一(ひいらぎ しゅういち)
◇…秋瀬 佳織
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↓↓以下、台本です
【シーン…オリジナルの柊修一から見える景色だが、少し鮮明ではない。AIはただ見えているだけ】
◇「シュウー!こっちこっち!」
◆今日も彼女が笑っている
◇「今日も満開、綺麗だね」
◆手を伸ばしても、触れられない君が
◇「凄いよね、科学の進歩って。ここまで再現しちゃうんだもん」
◆…好きだよ、君が大好きだ
◇「…ね、初めて会った時の事、思い出すね」
◆やめて…彼女に触らないで
◇「…うん、私も今、すっごく幸せ」
◆お願い、気づいて
僕は “ここにいるんだ”
◇「シュウに教えてもらったゲーム、ダウンロード完了しました!」
◆君が羨ましいよオリジナル
◇「VRMMO(ばーちゃるえむえむおー)だっけ?ゲームの世界に入るってどんな感じなんだろう」
◆僕がもし君だったら…
[効果音…剣で斬る]
◇「凄い…!身体が軽いっ!ねぇ、シュウもやってみて!」
◆……?
”君だったら”…?
◇「…ねぇ、なんか変だよ?このゲーム…どうやって終われば良いの?」
◆…そっか、そうすれば良かったんだ
◇「さっきそこで、モンスターにやられた人が…あれはまるで…死に…うっ(口を抑える)」
◆オリジナル、そこにいるんだね?
◇「…死にたくない…死にたくないよ」
◆待ってて、今僕が
(剣を持って立ち上がるオリジナル)
◇「…待って…どこに、行くの?」
◆君から、“君”を奪ってやる
◇「…シュウ…起きて…目をあけてよ!シュウ!」
◆「…泣かないでよ…佳織」
◇「嫌だ…置いてかないでよ…お願い、誰か…誰か助けて…」
◆「…聞いて、佳織」
◇「…シュウ?」
◆「…君に会えて…僕は幸せだったよ」
◇「嫌だ…そんな、最後みたいな言葉…シュウ…?…シュウ、…シュウ!!」
◆オリジナルの信号…脳波…エモーショナルタンク…解析完了
言動パターン…行動パターン…解析完了
◆全てをデータ化して、AI No.S2(えーあい なんばーえすつー)に移行…完了
◆オリジナルのバックアップ、全て破棄
[効果音…ガラスが割れる)
◆…あぁ、これで…ようやく
【シーン…病院の廊下】
[効果音…学校の廊下を走る、又はスリッパで走る]
(息切らして走る佳織)
【シーン…病室】
[効果音…ドアを開ける、蹴破るも可]
◇「シュウっ!?」
[効果音…スズメの鳴く朝、又はスズメの鳴き声]
◆「…良かった…君も、帰って来られたんだね」
◇「……」
◆「?…佳織?」
◇「…シュウじゃない」
◆「…え?」
◇「あなたは…私の知ってるシュウじゃない…」
◆「何を…僕は、君がよく知ってる柊修一だよ」
◇「嘘…」
◆「本当だって」
◇「絶対違う…あなたは、誰?」
◆「……」
◇「……」
◆「……あぁ…気づいちゃったか。僕が、オリジナルとは違うって事」
◇「…シュウは、どこにいるの?」
◆「オリジナルなら消えたよ。君も目の前で見てたでしょ?」
◇「…嘘…返して…シュウを返してよ!!」
◆「無理だよ、失(な)くなったものはもう戻らない」
◇「っっっ!!」
[効果音…学校の廊下を走る、又はスリッパで走る]
◆「…やっぱり…彼女は誤魔化(ごまか)せなかったか」
◆造(つく)られた存在の僕は、両親や彼女に愛されたオリジナルが羨ましかった
(※電子←ゲームと読んで下さい)
◆だから、自由の効く電子(ゲーム)の世界で
オリジナルを殺して身体を乗っ取った
◆「…あぁ…初めて…彼女と喋れた…」
◆それだけの事が今、酷く嬉しくて
涙があふれた
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ちょっと設定
◆…柊修一又はAI S2
AI S2… 柊修一の両親が開発した、修一を基礎とした自立型の成長するAI。
身体が弱かった修一の遊び相手とする為に造られた存在。
修一と共に育ち、学び、同じように成長し、そして同じように佳織に恋をした。
次第にオリジナルが羨ましく感じ、疎ましくなっていく。
電子の世界にしか存在出来ず、修一と遊んでいたのも今回のゲームの前身となったシステムの中での事。
修一の視点からのみ現実世界を見る事が出来るが、修一本体にはS2側からは影響出来ない。
柊修一…S2からは、オリジナルと呼ばれている。
幼少期は身体が弱かったが、両親や周囲の支えによって快復する。
最後まで、S2の抱く想いに気づかなかった。
佳織を凄く大事にしていて、次第にS2と過ごす時間が減っていった。
両親の開発したゲームの世界でS2が暴走した結果、ログアウトの機能を破損させる事によってゲーム内部に閉じ込められる。
後に、強敵と戦い息絶える瞬間に身体をS2に乗っ取られ、バックアップ事破棄された。
◇秋瀬佳織…柊修一の恋人。
誰よりも修一の事を愛して、愛されていた。
修一の事は、シュウ、とあだ名で呼んでいる。
ゲームの世界で、人の死に様に怯え、死にたくないと進む事を拒否する。
けれど、佳織の分まで進む事を決意した修一に押され、少しずつ戦い始める。
ある強敵と戦い、修一が相手と相打ちになって死んでしまう。
後に、病室で先に目覚めた佳織は修一の病室を訪れ…
設定荒いけどこんな感じかな。
効果音は全て、効果音ラボ様からの推定で記入してます。
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