「尊敬する人を教えて下さい」の質問に答えられなかったHSPの私

入学試験や、入社試験の面接でよく聞くこの質問。
私はいつも迷って答えられませんでした。
何故かって、自分に対し「本当にそう思ってる?」と聞いてしまうと、嘘があることに氣付いてしまうから。

皆は、自分の両親や、偉人の名を挙げて理由をスラスラと答えていく。
私はというと、とても困った。

両親を挙げることはできませんでした。

母は相当な氣分屋。外では快活な人で趣味やご近所付き合いを楽しんでいた。家ではダラダラし、父が帰ってくれば子育てのストレスや近所付き合いのストレスを思いっきり発散。
父は、名の通った会社に真面目に朝早くから夜遅くまで勤め、帰宅すればそんな母のストレスをただ受け流すだけ。表情も無く、ただ言葉無く座っていて、なんだか可哀想だと思っていたのです。
両親の尊敬すべきところはたくさんあるのですが、私には両親の関係が悪いために負のイメージが高くなってしまい、どうしても挙げられなかったのです。

偉人も…イメージが出来なかったんです。

図書館で、よくある偉人をまとめた本を読み漁り「わぁ素晴らしい人だ!」と思う人はたくさんいました。
でも、会ったわけでも無いし、実感が湧かないわけです。
言葉にしたところで、曖昧で、何となくの嘘が漂う氣がするんです。ひねくれ者ですよね(笑)

最終的に誰に?

私は祖母にしました。戦争を経験した人です。声の大きい元氣な祖父の傍でいつも笑っている祖母。
いつ会っても優しく穏やか。そして慎ましやかに生活していても、満たされた空気が漂っている人です。
9人の孫が揃っている時も、誰も特別扱いもせず、嫁にもとても優しい。ふわりと軽いオーラ(薄紫~薄いピンク・白)で、強い人が来ても動じない強さ。年に一度しか会えないけれど、とても好きな人です。
現在90歳、少々ボケちゃっていますが、まだまだ元氣。長生きして欲しいなと思っているところです。

アラフォーで尊敬する人が急増!

今思うと、若かりし頃は心が硬かったのだと氣付きました。
自分に厳しく、他人に厳しく、完璧な人間でなければ尊敬なんぞ出来ないと思っていたのですね。
自己評価は下の下、苦手分野の多い人間なので「人間失格」だとも思っていたくらい。出来ない部分は、努力したところで苦手です。この現実が辛いですね。

自分にも、他人にも、完璧を求めたら苦しくなるだけ。

今の自分は、やっと自分に少し甘くなりまして。
努力しても苦手なものは苦手。受け入れて、適応するというか最も氣持ちが楽になる方法を探すことにしました。

そうしましたら、世の中素敵な人に溢れていることに氣付くわけですよ。
苦手な部分がチャームポイントのように見え始めるわけです。
随分と優しい世界になり始めました。40手前で、やっと。

尊敬する人がいない

そんな方は、自分に甘くなるのが先だなぁと、ちょっとダラッと出来るようになった私は思うわけです。

みなさま、頑張ったあとは、ゆるくゆるく。
ですね。

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