変容を恐れない
___私は瞑想が苦手でした。
どんな軽やかな誘導をしてもらっても
私が見る世界は血みどろで。
あなたが行きたい場所へ
と誘導されれば
私は物乞いの人たちが集まる
不衛生で土地の乾いた
途上国へ飛んで行きました。
___私は人の痛みが苦手でした。
だから医療の現場に入ることを選ばず
それでも痛みを除いてあげたくて
苦痛を世界から消し去りたくて
薬学研究者の道を選びました。
___今日、駅のホームで階段から男性が転げ落ちるのを目撃し、そして次に降りた駅では、お年寄りが躓いて崩れ落ちるのを見ました。
痛い、悲しい、屈辱
...
その反応の前に、
彼を助けるために手を伸ばして階段を駆け降りる人たち
お年寄りを担ぎ上げる若者と、手を貸す老婦人
私の目は彼らに釘付けでした。
そして、愛おしく思ったし、美しいと思った。
___前の仕事を辞めるきっかけとなったパニック発作を初めて経験した日。
私はコロナ真っ只中の時期、電車の中で倒れました。
死ぬんだと思った。
酷い痛みだった。
だけど、その中で知ったのは、
なりふり構わず私を担ぎ、ホームまで運び、手をさすり声を掛けてくれた人々の温かさ。
___痛みや悲しみ、苦痛そのものを消すのは、本質ではないんだ。そう思い出させてくれた。
思えば、変容の時に酷い不調に見舞われることは、これまで多くありました。
もしかしたら、私は母親のお腹から出てくる時の記憶さえも、潜在的に痛みが大きく残っているのかもしれません。
でも、産まれてくるときの記憶って、虹の橋を滑ってきた子だっているでしょう?
これからの私がフォーカスするのは痛みではなくて、
生まれてくる生命、その輝き。
痛みが怖かった。
死ぬのが怖かった。
そんな私とお別れした今日。
私はパステルアートで血みどろの蝶を描きました。
血が怖いって思ってた過去の私はそこにいなくて。
生命を震わせる姿を描きたかったんだ。
何度も何度も、あんなに嫌った赤色を塗り重ねて。
自分の変わりようにまだ動揺は残るけれど、本当に良かった。
私は本当の私を生きていける。
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