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勝ちも負けも、試合はすべて繋がっている

今月は3大会に出場しました。

  • 8/6(日)GroundImpact East 初戦敗退

  • 8/13(日)Fighting Nexus Sprout(grappling)勝ち

  • 8/26(土)全日本ノーギ[マスター1] 2回勝って優勝

一気に試合に出たことによって、たくさんの学びがありました。

【学んだ3つのこと】
・セコンドのありがたみ(当たり前でない話)
・「逆境=選択肢を絞る機会」である(怪我の巧妙)
・勝ちも負けも、すべての試合は繋がっている

最初のGroundImpact Eastについては、こちらの記事にまとめています。

今回の記事は、残りの2試合とその間に起こったアクシデントを振り返りながら、学んだ3つのことについてまとめていきます。

  • これから試合に出ようと思っている

  • 試合には出たいけど踏ん切りがつかない

そんな方にぜひ読んでほしいです。


セコンドしてもらえるのは当たり前ではない

8/13(日)、Fighting Nexus Sproutに出場しました。僕と同時期に入った若手メンバーと一緒に試合に出ました。足関節ありのグラップリングマッチは昨年の11月以来です。

今回は、所プラスのトレーナー・平井総一朗さん(MMA選手)にセコンドについていただきました。

試合の様子

三角で捉えるも終始攻め手を欠く

シッティングでスタート。
デラヒーバで煽って戻りを草刈りで倒す。ロープに押し込むも戻される。リングはリングの難しさがある。
仕切り直して、またシッティング⇒オープンガード。パスられない自信はあったけど、ノーギのデラヒーバは拘束力が弱く、攻めきれない。
相手のミスを誘って、そのまま三角絞めに。
最後は三角十字で一本勝ちしました。

焦る中でのテクニック以外のアドバイス

三角ロックが入った後、時間がかかりましたが、セコンドのおかげでなんとかフィニッシできました。テクニックのアドバイスはもちろんありがたかった。

でも、一番心強かったのは攻め手に欠く中、平井さんの「延藤さんのペースですからね」(序盤、中盤)という声だった。

試合後に仲間からも「めっちゃ落ち着いてましたね」と言われたのは、平井さんのマインド部分のサポートが大きかった。今後僕がセコンドすることがあれば、ここは取り入れたい。

セコンドは当たり前ではない

この日は所プラスは夏期休業の初日でした。当たり前だけど、平井さんは業務ではなく、休日を潰して来ていただいている。

こういうケース、皆さんどうしてるんでしょう?

たくさんの会員が出る試合ではセコンドって付加サービス的な側面はあるかなとは思います。それでも距離と時間によりますが。

しかも、会員の多くが試合に出るわけではないし、クラス担当者の調整も必要になるジムも多いはず。正直、会員(アマ)が勝とうが負けようが、ジムの評判(集客)にはそんなに影響ない気もしますし。

今回はプロ選手の平井さんがセコンドだったので、また試合に応援に行ったりでお返しはできるかなと思いつつ、昼飯と少々の足代をお渡しして帰路につきました。

(2枚目の画像の右に写っている中村くん、この日の試合では負けてしまいましたが、僕と同じような後日談があって本記事の補遺に書きます)

■僕の経験
これまで勝った試合はすべてセコンド付きです。一人で出向いて勝てた試合が一つもないという・・・。試合未経験の方は、近所の試合を選び、指導者の方に相談してみるのをおすすめします。受け取らない指導者もいると思いますが、交通費や心づけについても自ら話すべきかなと。

逆境により自己変革を求められる

逆境というのは、「選択肢を絞る機会」だと思っています。本当はやるべきだった、本来ならやらない方がよかったことをフルイにかけて、いま一番効果の出ることに集中できる貴重な体験です。

今回、①敗戦②ケガのおかげで大きく成長しました。

逆境①敗戦:ハーフガードってできた方がいい?

8/6(日)GroundImpactでは得意な距離をつぶされて惨敗しました。

元記事はこちら

数日後、同じくGroundImpactに出ていた下前さん(アダルト紫ライト級で優勝)との会話の中で「ギあり・中距離ガードしかないんです」と相談したら、「ハーフガードなら竹浦さんに聞くべし」とのことで、さっそく竹浦さんに相談。

いまBJJ LABの仕事に関わっていることもあり、「はじめてのハーフガード」(現在は販売なし)のデータをいただきました。これはタイトル通りハーフガード未経験者のための教則です。翌日から練習を開始。※8/13(日)FightingNexusの試合ではまだ使いませんでした。

逆境②ケガ:試合10日前に左足の靭帯を伸ばす

練習中のアクシデントでした。

フットロックを仕掛けられ、エスケープしたら踵だけが浮いた状態でホールドし(いわゆるアオキロック)、さらに僕の逃げる方向もまずく「メリメリ」とポップ音がしました。

やっちまった。。。足を引きずって帰りました。

なるほど!左足を使わなければいいのだ!

とはいえ、悲観的には全くなりませんでした。まだ10日もあるし、治る可能性は十分にあるし、柔術は引き込んで戦うこともできる。

ここで、杉本孝さん(Now or Never代表)のstandfmを思い出しました。

質問者は僕です。頸椎や足の怪我がつづいた頃に、質問レターを送りました。

延藤「怪我した時はどうしてましたか?」
杉本さん「腰・肋骨はかばって練習できないが、極論、腕や足が折れてもそこを使わないで練習することはできる」

なるほど! 左足を使わなければいいのか! (素直)

ハーフガードを徹底する決心がつきました。

【結論】ハーフガードやるしかない

  • GroundImpact Eastでは密着したポジションに対応できず惨敗。

  • 翌週のFighting Nexusではノーギの攻め手のなさを実感。

ちなみに怪我の状態というと、
・クローズドガードで足先を伸ばす、左足でフックを掛けるのは無理。
・踵で相手の腰骨を蹴るのは問題なし。

左足の足先を使わずに立ち回るにはハーフガードだ。ハーフガードができれば、大きく不利ではないし、十分戦える。試合中ならアドレナリンが出るし、1,2回なら別のガードに戻してもいけるのでは?

※ちなみに、なぜハーフガードを練習してこなかったかというと、頸椎を長らく痛めていて、顔や首に長時間プレッシャーを受けるのがきつかったから。
あとは・・・単純に地味だから(ハーフガード使いの皆さん、ごめんなさい)。

ハーフガードは意外と合っていた(大発見)

竹浦さんのハーフ教則を復習。本編25分。10日でもこれだけなら体に染み込ませることができそうな内容でした。

痛めた翌日もスパーリングに参加しました。

このツイートを最後にケガについては触れないでおきました。試合順が出て僕を調べた対戦相手が怪我しているのを知ったら気になるだろうし、僕も怪我で負けたと思われたくなかったので。

「学びが深い」とかスカしてますが、最初の数日はゴリゴリに潰されてます笑 とはいえハーフ使いの先輩からアドバイスを受けて、距離感は掴むことができました。

この日以降、スパーリングでは毎度「ハーフのボトムで始めさせてください」とお願いして、一気にスキルが向上しました。わがままに付き合ってくれたジムの仲間たちに感謝です。

ふたたび杉本さんのラジオをご紹介。

ハーフ限定スパーを始めて数日後のラジオです。「強くなる人は良くも悪くもエゴが強い」と語っていて、まさに自分のことだと思いました(笑)

反対の立場で考えてみる。仲間から「試合近いから自分のメニューに付き合ってくれ」と言われたら合わせますし、そこは普段からのジム内での信頼関係が大事ですね。

8/26(土) 全日本ノーギ当日

さて、本番がやってきました。

【時系列】
8/6 試合で距離をつぶされ惨敗
8/10 竹浦さんに相談。ハーフガードの教則見る。
8/11 ハーフ試用(白帯メンバーにパスられる)
8/13 Nexus試合(ハーフ不使用)
8/15 左足を負傷する(ハーフで勝つ決心)
8/16~ハーフ猛特訓
8/26 全日本ノーギ ←今ここ

100%良い状態の人なんていない

試合当日の朝、こんな投稿が目に入ってきました。

↑試合当日の朝だったので、柔術関係者かと思いきや、柔道の指導者の方でした。

左足の調子は悪くない。長引いていた頸椎症も8月に入ってから回復してきている。あとは本番でやるだけ。

錦糸町に着いたら豪雨で驚く

試合前の情報収集とは?

ちょっと余談です。

今回は3人トーナメントでした。

そのうち一人は前述の下前さん(リバーサルジム新宿Me,We)と同じジム。どんな人か気にはなるけど、僕が逆の立場で質問されたら回答に困るのでその話題は一切出しませんでした。

実はこれまで戦った人はすべて事前情報なしでした。どんなガード、スタンドの攻防の情報もないまま戦ってきて、それが普通と思っていました。

しかし、試合2日前、たまたま対戦したことがある方から情報をいただく。探すといくつも動画が見つかりました。

会場に着く

盛り上がる

対戦相手の第一試合をじっくり見れました。

2人ともガンガン突っ込むタイプではなかったので、今回は冒頭からタックルを仕掛けることを決めました。

いざハーフガードデビュー!

第1試合

①開始直後にタックル
余裕で切られて、すぐに引き込み(笑) ここからハーフガード初挑戦。不安はありましたが、セコンドの竹浦さんから「ガードリテンションはできるよ」と声が飛ぶ。「そうだ。リテンションは得意だから、パスられることはない」と心を落ち着かせる。
②ハーフの基本スイープ成功
今日の試合で一番嬉しいシーンで、かつ自信がつきました。
③50/50
相手が立ち上がったのでウエイターに移行したら、スクランブルが起こり、50/50に嵌める。これもセコンドの「一気に腰切れ」のアドバイスが活きました。
④足にしがみつきスイープ
セコンド「ディープハーフ!・・・できるなら」。ディープハーフはスパーでもやったことないけど、足にしがみについて立ち上がり、4-0。

この後、離れ際に足を取られてテイクダウンされるも4-2。BJJ LAB 二人のセコンドのおかげで勝つことができました。

第2試合(決勝)

一つ前の試合が体重超過で消滅し、15分休憩で2試合目。疲労も足の痛みもは問題なし。

対戦相手は前の試合でタックルを決めていたので、警戒。引き込みタイプとの事前情報もあり。1回戦とは逆に、高めに構えてタックルを誘う、引き込まれたら一気にパスる作戦。

①ハーフガードへの対処
ハーフに引き込まれるも、冷静に対処。ハーフに取り組んでから、相手のハーフへの対処もできるようになりました。ハーフの攻防は外から見ると地味ですが、組み手のツバ競り合いが行われている。最近知りました(一応青帯なんですが)。
②3分にわたる脇の差し合い
スイープなく入れ替わり、今度はボトムのハーフガード。0-0のまま脇差し攻防が続く。
③半(ハーフ)死状態
0-0で4分経過。枕を取られて、フラットにされる。「審判判定になったら負ける・・・」。ハーフの組足を解除してオープンガードに替える。
④一気に三角絞め
なんとか捕らえました。が、対戦相手は粘り強い。がっぽり入ったのにつぶされ掛ける。「外されたら担がれる。潰し切られる前に解いてリテンション? いま解除してアドバン入る?」と焦りました。

竹浦さん「背中で下がって!」「死んでも離すな!アドバン1入るから!」。最後まで踏ん張る。

逃げ切りモード・・・無念

ラスト15秒は洗濯バサミならぬ「高枝切りバサミ」でタスキだけロックして逃げ切りました。試合中8割の時間を押されていたので、ワンチャンスをものにしました。

0-0(1-0)、辛勝。

はじめてのハーフガード【備忘録】

僕が今回実践したのはこれだけですが、ジムのスパーリングでは戦えると思います。

  • 相手の肘が高いときは無理に脇を差しにいかない。

  • 左手(差し合う側)は肘を上にして回す。

  • 身体をボール状にする(フラットにされない)

  • 相手の頭を抱えない(初心者あるある)

  • ニーシールドは肘をつっかえ棒にして骨格で止める

すべての勝ちと負けは繋がっている

青帯になってから、初勝利・初優勝でした。

アダルトで2連敗して、マスター2に落として初勝利を取りに行ったら、ボロ負け(0-10からの一本負け)。3回連続で初戦敗退して迎えた本大会。

今回マスター1で優勝でき、青帯で戦えることがわかって良かったです。

テクニック的にも過去の試合が活きました。

  • 青帯デビュー戦は50/50に漬けられ2点差で敗退。2戦目は1アドバンの壁に泣く。

  • 今月の惨敗をきっかけにハーフを始める。

  • 今回思い切って三角絞めに入れたのも先日のグラップリングマッチの経験が活きました。

・・・負け試合も勝ち試合もすべてが今に繋がっているのです。

今回の全日本ノーギでは、ケガをきっかけにハーフを練習したことで勝てたと思っています。

試合に出てよかったなとしみじみと感じました😌

試合の負けが勝ちにつながった若者の話

ここからは後日談です。

冒頭に紹介したFighting Nexus Sprout(grappling)で一緒に試合に出た中村くん。

(中央)平井総一朗さん、(左)中村くん

この日の試合は1-2の判定負けでした。

相手を完全に抑え込み、両足でロックして得意のキムラを作って、ほぼ極めかけ・・・なのに、なぜか取りこぼすという。

8/27(日)AMMAC(アマMMAの登竜門)の大会があり、この中村くんが出場しました。

【結果】開始35秒でアームロック一本勝ち!

グラップリングで取りこぼしたアームロックで、華々しいMMAデビューを飾る。

負けた試合でも出ることに価値があるとあらためて思いました。

盛り上がるグループLINEに雑コラを上げる延藤

今後の試合の予定(2023年9月)

話を戻して。以下の3大会にエントリーしています。

9/8(金)デラヒーバ杯(ノーギ)
9/8(金)東京柔術オープン(ギ)
9/10(日)デラヒーバ杯(ギ)

デラヒーバ杯(ノーギ)

平日開催ということもあり、まだ相手がいません。

アダルトライトフェザーは、「アドバンス」「エキスパート」ともにエントリー0人。「アドバンスマスター1」「エキスパートマスター2」にそれぞれ1人がいるので、カテゴリ変更しそうです。

デラヒーバ杯(ギ)

8名がエントリー。おもしろいことに、今月開催されたGroundImpact Eastで優勝者に負けた3人(僕もその一人)が全員エントリーしています。

実質、GroundImpactの2位決定戦です。残念ながら優勝者は出場されないので、リベンジマッチは持ち越しです。

東京柔術オープントーナメント


さらに言うと、デラヒーバ(ノーギ)と同日開催の「東京柔術オープン」で当たる方もGroundImpact Eastに出ていました。また下前さんと同じジムなので、また情報は聞けません(笑)

柔術って、人間関係がめっちゃ狭いですね。でもそれでクリーンな戦いを心がけることにもつながっているはずで、良いことだと思います。僕も対戦相手に研究されるような選手になりたいです。

チャンピオンのジムから急にフォローされる

・・・というようなことを書いていたら、GroundImpact Eastで優勝した方のジム(TRIAL & ERROR, 静岡)からFacebook,Twitterで同時にフォローされて驚きました。

連続の通知に驚く

僕のnote記事を読まれたに違いない笑

3週間前の僕より成長しています。あまり試合に出ないと聞きましたが、次回の機会があったらリベンジします!

記事は以上です。それではまた。

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