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台湾カフェストーリー6〜台東・長濱のカフェで感じたこと

1.静かなブームを呼ぶ台東・長濱の町

2023年4月に刊行された雑誌「BRUTUS」で紹介された、台東県長濱という町がある。この号では、長濱が他の台湾の代表的都市(台北や高雄など)と並んで特集されたのだが、実は私自身、それまであまり注目しておらず、台湾の田舎町の一つに過ぎなかった。だが、最近は都会から移住して民宿や飲食店、バーなどを経営する人が増えているらしい。

2024年1月初旬に長濱を訪れる機会があり、良さげなカフェにもトライしてみた。

店の前には歓迎の看板

2.長濱でひっそり営業しているカフェ「山海人家居遊屋」

長濱の市街地(といってもささやかなものなのだが)のはずれに、「山海人家居遊屋」という少し変わった名前のカフェがある。

一見すると普通の民家なのだが、その一角に明かりが灯っており、そこがカフェになっているのだ。

ちょっとレトロな建物

3.老闆娘は台北からの移住者だった!

お店に入ると出迎えてくれたのは、感じの良い老闆娘。早速、コーヒーをどれにするか楽しく悩む。

今回は、エチオピアにしてみたのだが、出されたコーヒーは香りが芳醇で、普通のコーヒーとは少し違う気がする。実はこのコーヒー、焙煎時に少しラム酒を加えて精製のだそうだ。なるほど、香りの源はラム酒だったのか。そう思うと、何となくほろ酔い気分になるから不思議なものだ。あわせて頼んだ、レモンケーキがまた良い。酸味がバリバリ効いて、砂糖の甘さと強烈かつ絶妙なマッチングになっている。

老闆娘と話しているうちに、彼女は実は長濱出身者ではなく、台北から長濱に移り住んできたのだそうだ。旅行で訪れた長濱に惹かれ、ついには移住してしまうほどの魅力がこの町にあるのだろう。いわゆる観光地化されたスポットはこの町には少ない。素敵なものがさりげなく存在している、といえばよいだろうか。わかりやすい情報が少ない分、宝探しを楽しむ気持ちにもなれそうだ。

コーヒーカップのデザインがまた良い

4.さりげなく気付く「癒し」

そんなこんなで、ゲストハウスのチェックインの時間まで、ここで時間つぶしをする。この日は朝から天気が悪く、道中も雨が降っていたのだが、長濱に来てからもまたパラパラと雨が降っていた。

日ごろはうっとうしいと感じる雨音も、こんな落ち着いたカフェでコーヒーを飲みながら聞いていると、なんだか素敵なBGMを聞いている気分になれる。先を急ぐ旅でもないし、ひとしきり雨足が弱まるまで、仕事も友達との予定も気にすることなくのんびりすごそう。

自然と気持ちがゆるりと和む店内

「山海人家居遊屋」
住所:台東縣長濱鄕16鄰156號
営業時間:13:00~17:00(無休)

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