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台湾にはどんなカフェがある?(続篇〜個人カフェを分類する)

前回、台湾のチェーン系カフェを中心に、台湾のカフェ事情を少し紹介したが、もちろん話題に上りやすいのは個人経営の独立系カフェである。

いくらチェーン系カフェが割安といっても、短い旅行で訪れたり、おいしいコーヒーを堪能したいと思ったりしたら、やはり個人経営の個性的なカフェに行ってみたくなるものである。

今回は、そんな個人経営のカフェをいくつかのタイプにまとめてみた。

1.とにかくコーヒーにこだわる店
(淡水・沙貝葉咖啡)

コーヒー好きにとっては、何より大切なのはコーヒーの味。ところが、コーヒーのクオリティにのみ力を入れる店は案外少ない。

淡水にある沙貝葉カフェは、コーヒーを味わうことに特化したお店だ。

ここは、メニューにコーヒーしかない。スイーツもブランチも一切無し。コーヒーの味だけで勝負している。

お店に入ると、さまざまな豆が用意されていて、若きマスターにどんなコーヒーを飲みたいかを伝え、一番良いと思われる豆をセレクトしてもらう(目星がついている時は、もちろん指定可)。

一杯一杯丁寧に淹れたコーヒーは香りも味も抜群。コーヒーを味わうことに没頭したいときは、こういうカフェがお勧めだ。


場所は淡水の大学「真理大学」のすぐ近く。大学生が大挙して押し寄せるかと思いきや、お客さんのほとんどは一般の大人の人だそうだ。いくらおいしいコーヒーでも、1杯150元で通い詰めるのは大変なようだ。

【店舗情報】
「沙貝葉咖啡」
住所:新北市淡水區新民街196號
営業時間:13:30〜22:30(原則無休)

2.スイーツがおいしくインスタ映えする店
(宜蘭・CAFE SANPO散歩)

カフェといえば、スイーツも楽しみの一つ。最近では、コーヒーだけでなくスイーツに力を入れるカフェが増えてきた。

筆者が訪れた中でずば抜けてスイーツがおいしかったのが台湾東部・宜蘭市内にあるカフェ「SANPO 散歩」だ。

筆者が台湾でカフェのカッコ良さを初めてはっきり感じたのが、この散歩CAFEだ。今ほどレトロカフェが話題になっていなかった数年前、たまたま訪れたこのカフェが、懐かしいのにおしゃれな感じだったのにとても驚き、それから徐々に台湾レトロカフェに目覚めていったのだ。

その後、この店は進化を続け、徐々に「スイーツが名物のレトロカフェ」として知られるようになった。

今年1月に久しぶりに訪れたのだが、以前と違って空席がほとんどないくらいの盛況ぶり。さっそくコーヒーとプリンを頼んだ。ビーカーのような容器にコーヒーを入れて出されたのだが、最近の台湾ではこの類のポット?を時折見かける。

このプリンは100元と少し高めだが、トッピングにもこだわりが見られ、見た目にも楽しく、食べてもおいしい完成度の高いスイーツになっている。

散歩の名物スイーツがプリンだけというわけではない。冷蔵庫を見ると、ほかのスイーツも片っ端から食べたくなるような魅惑のショーケースになっている。

プリンはともかく、ほかのスイーツはかなり高い。だが、ほかのお客さんは次々と、高いけどおいしそうなケーキを注文していく。

そして彼女たちは概ね、しばらくスイーツの撮影活動に専念する。スイーツを売りにしているカフェは概ねインスタの聖地のようになっている。これは仕方のないことだろう。こんなに素敵なスイーツを目の前にしたら、筆者でも写真を撮りまくりたくなる。もちろん、それもお店側の狙いに入っているはず。

このタイプのカフェに来たら、あまり細かいことは言わず、コーヒーやスイーツを心ゆくまで鑑賞し、撮影し、味わえば良いと思う。

【店舗情報】
「散歩 Cafe Sanpo」
住所:宜蘭市和睦路2之20號
営業時間:13:00~18:00(火曜水曜定休)


3.フードが充実しているカフェ
(花蓮・實季食記 Seedson)

カフェの目玉商品はスイーツとは限らない。最近はサンドイッチや食事も売りにしているカフェも増えてきた。

筆者が花蓮で一番気に入っているカフェ「實季」は、コーヒーやミルクティーもおいしいのだが、実は三明治(サンドイッチ)などのフードがとてもおいしい。

店は、花蓮の旧市街エリアにあって、鉄道駅からはバスで10〜15分。静かな住宅地に位置している。


店内は、豊かな自然を誇る花蓮にふさわしい、ナチュラルで優しい雰囲気。店内の小物は、どんぐりや松ぼっくりなど、自然の材料を使ったものが多く、見ていても心が和んでくる。


そして、なんと言っても試さずにいられないのが、こちらの三明治。若きオーナーが試行錯誤を重ねて作り上げた、ボリュームたっぷりなのに優しい味わいのホットサンドが5~6種類用意されている。

インスタ映えもちゃんと狙っているようで、素人でも、大変きれいな写真が撮れる。

フードでインスタ映えを強く意識したカフェは、味がそこまで伴っていないことがあるのだが、この店のフードは、どれも大満足のクオリティで、リピートしたくなるレベル(筆者がすでにそうである)。

【店舗情報】
「實季・食記 Seedson Coffee」
住所:花蓮市忠孝街68號
営業時間:8:00~17:00(月曜定休)
※時々臨時休業あり詳しくはFB参照


4.台湾コーヒーを扱うカフェ
(台北・森高砂咖啡館)

最近、台湾でもコーヒーが生産されていることが、少しずつ知られるようになってきた。だが、生産量がまだまだ少なく、日本はおろか、台湾でもあまり出回っていない。そのため、ほとんどのこだわりカフェは、台湾コーヒーを出していない。

そんな中、台湾コーヒーを専門に出す数少ないカフェ「森高砂咖啡館」が迪化街の近くにある。

建物もとても古い。もとは、日本統治時代に建てられた洋服店だったのが、戦後、「黒美人大酒家」という名のレストランになったが、閉店後に古蹟に指定され、新たにカフェとして再出発を図った。


店内はとてもシックな高級感あふれる雰囲気で、コーヒー好きにとってはたまらない空間だろう。


コーヒーの淹れ方にもこだわりがある。ホットコーヒーと共に、アイスコーヒーも提供。同じコーヒーから違うフレイバーが出せるのを体感して欲しいということだそうだ。

お店の人はみな洗練された対応ができ、台湾コーヒーについてもかなり詳しい。英語が話せる店員もいることが多いので、興味のある人はいろいろ質問してみると良いだろう。


【店舗情報】
「森高砂咖啡館」
住所:台北市大同區延平北路二段1號
営業時間:12:00~21:00(金土は~22:00)


今回紹介した各タイプのカフェは他にもあるのだが、今回は代表例のみの紹介とさせていただいた。これからも、折に触れて台湾カフェの魅力とオススメをお届けしていきたい。

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