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赤ちゃんについてマンツーマンで学ぶ

尊敬する実践家にくっついて歩く、というのは、私が20歳の頃からずっと続けている学習法で、合気道にせよ、精神分析にせよ、臨床心理学にせよ、その時期、このことについてこの人から学びたい、と思ったらひっつき虫になるという方法で、いろいろなことを学んできた。

それはある意味、短期間集中ストーカーなんだけれども、幸い、追い払われるというところまではいかないレベルで、お情けで引っ付いていることを赦してもらっていた感じである。

昨秋、念願かなって京都でひっつき虫をすることができた。
抱っこや赤ちゃんの子育てを追究してきた子育ての文化研究所の迫きよみさんに、11月24日25日の2日間、マンツーマンレッスンを受けたのである。

本当は、京都に一か月位いて寺社仏閣を巡りながら、迫さんの子育てひろばにインターンとして入りつつ引っ付き虫をしたいなあと思っていたのだけれど、縮めて2日間(ただし、迫さんの企画した丸茂修二先生の口腔機能に関する研修会と、そこに集まった皆さんとの懇親会や懇談会、そして迫さんお勧めの赤ちゃん人形製作をしているアトリエマザーの工房見学を合わせると計4日間)、大事な時間を過ごした。

実は、私のパソコンや本棚には、10人位の実践家のファイルがあって、
その人たちのファイルには、私の集めたその人の各種情報が詰まっている。
もちろん、迫きよみさんのファイルというのもあって、今回その内容がぐっと充実したというわけである。

お互いに一歳違いで、いろいろなことを教え合ってきた仲でもあるから、
ツーカーの部分もあるけれど、却って改めての2日間は緊張の部分もあるというわけで、2日目の最後はもうこれ以上は限界というところまで全身で学んだ気がする。

11月24日
迫きよみさんの赤ちゃん子育てマンツーマンレッスン1日目。

午前は、子育てを楽しむ会の運営するひろば2か所の見学。
赤ちゃん親子との交流。以前は、自分の子ども以外の赤ちゃんとそんなにうまく付き合える気がしなかったのだけれど、最近は、孫にトレーニングされたおかげで、どんな赤ちゃんも結構遊んでくれるようになって、こんなふう。

午後は、これまで京都で迫さんが主催してきた多彩な講師陣によるさまざまな研修会の一挙振り返りと迫さんのさまざまな学びの成果から学ぶ時間。
その講師を呼ぶことになった経緯、研修の様子と、そこから迫さんが学んだことのエッセンスを教わる。その講師の中に私もいたのだけれど「このときは硬かったよね」なんて言われて、頭かきかき「最近は少しましになってきているのかな」なんて、勝手にいいふうに解釈して消化できるようになったのは、歳をとったからだろう。

この日は、宇治の「舌にお礼を言わせたい店」『乱』にて、既知の京都新聞記者さんとおいしい海鮮を堪能しつつ教育談義。ホテルに帰って、ジェイスのオンライン会議に出て、一日を終えた。

11月25日。

午前は、「紅葉が見たい」という私のわがままを聞いた迫さんの特別サービスで、早朝から宇治の紅葉鑑賞ドライブ。

午前は、自分の身体からの理解と、赤ちゃん親子から学ぶ抱っこ実技。

赤ちゃん人形を使って、いろいろな抱っこの実習をしたり、
畳の上でごろごろしながら、クレニオセイクラルセラピーを受けたり。
抱っこの際の微妙な手の位置の人による違いなどは、復習しなければ身につかないし、実際の赤ちゃんを抱っこする経験値が必要だから、一回の実習で誰かにアドバイスできるほどにはならないけれど、自分がいつの間にかやっていたことを意識する、言葉にする、動作にする、ということを改めてやったから、2人目の孫が生まれたら、先生になってもらって、練習しよう。

(この文章を最初に書いてすでに2か月以上経って、1月下旬に2人目の孫は生まれ、数日間だけだけれど、一緒に過ごしている。私は2歳の上の子担当になって、母親には赤ちゃんと一緒にいてもらおうと決めているので、横目でちらっと見るだけなのだけれど、赤ちゃん人形も先日到着して、その異同からも様々に学んでいる)

午後は、あらゆる抱っこひもの試着と課題の検討。

従前には考えられなかった「赤ちゃんたちの、現代社会に対する、身を挺しての異議申し立て」を、どう聴き取り、どうふるまうかを考えている。

10代の頃に、下手であっても体操と合気道を、20代に竹内レッスンや野口体操をやってきたことが、今になって赤ちゃん理解のために大いに役立っている。楽器に触れることも、農作業をすることも、指圧や整体に通うことも、今、あらゆる身体運動の経験が、赤ちゃんの理解に総動員されている。

これはつまり、親がそれぞれの身体活動をやってこなかった場合、赤ちゃんを育て、共感し、理解するのが、難しくなるということでもあるのだろう。

近年の子どもたちは(すでに20代30代40代の親たちも)、身体を使うことが激減している。まず、自分の足で歩かない。市町村合併によって、小中学校の統廃合が進んでから、特にその影響が大きくなっていると各地で聞く。歩くことで脳が発達すると言われるけれど、歩くことだけでなく、兄弟のじゃれつきなど、身体活動全般が、人の様々な機能を発達させるのに、今の子どもたちにはそれが不足している。それで赤ちゃんを育てようというのだから大変である。

赤ちゃんの頭の大きさと重さを体感するためのパンダの頭をつけて、赤ちゃんを抱っこするの図


小手先の技術を覚えたところで赤ちゃんが育てられるものではなく、吉村正さんや野口晴哉さんが主張なさったように、時間をかけて身体のベースを作っていくことが必要なのだということをどう伝え、どう拡げて行けばいいのか。

一昔前にあたりまえのこと、は時が経つにつれて失われて行く。
それを嘆いているだけでは、ジジババの遠吠えにしかならない。
高齢者を老賢人にしていき、伝承が残るようにしていくためにできることは何かを考えていかなければ、赤ちゃんの発達もままならない社会が足元まで来てしまっている。

迫さんのオーダーメイドのマンツーマンレッスン。
子育て支援をしている人、団体を率いている人には、是非お勧めします。

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