いつも誰でも来てもらえる高校 【週刊新陽 #138】
先日、本校の見学に来られた方から「新陽さんって視察多いですよね?」と聞かれました。数えてみたところ昨年11月から今年10月までの1年間で来校いただいた数、なんと50団体。1年間は52週なのでほぼ毎週、視察をお迎えしていることになります!
この50という数字は来校者名簿で「視察目的」となっている数で、それ以外に打合せや個別訪問のついでに見学される方や公開授業研究会で来校される方などもいらっしゃるので、実際にはもっと多くの方に訪れていただいています。
教育関係者の方が多いですが、企業や医療関係など別業界の方からのご相談も。今年11月の後半はなぜか視察が集中して、ほぼ毎日、全国各地からお客様をお迎えしていました。
そこで今週は、最近の視察でご質問いただくことの多いテーマについてご紹介します!
#生徒の数だけ学びがある
お越しくださる方々の関心のメインはやはり授業のこと、単位制やハウス・メンター制の話です。
大抵の場合、来校いただくと校長室か職員室のスノピエリアで概要を説明したあと校内をご案内し、具体を補足しながら生徒とも触れ合っていただいて、新陽のリアルを感じてもらえるようにと考えています。
ただ、学級がないこと、コンパス別の授業、2・3年生になると一人ひとり時間割が違うこと、ハウスとメンター等々、いわゆる"普通の"高校と違うシステムが多すぎて、どうしても情報量が多くなってしまうのも事実。
事前にある程度の概要を把握されている方だと、詳しいことをお伝えするのに時間を割くことができ、より充実した視察体験にしていただけると感じます。
中には、学校Webサイトだけでなく外部メディア等の新陽に関する記事や、この週刊新陽の過去記事を読み込んできてくださる方もいて、嬉しいのと同時に恐縮してしまうほどです。そういった方々とは深い対話が生まれやすく、こちらがむしろ学ばせていただくことも多いです。
※単位制カリキュラム、ハウス・メンター制についての記事はこちら↓
#校則見直し
ルールメイキングに取り組んでいる学校も多いようで、校則についてもよく聞かれます。
新陽の自由な校則に関心を持たれる他校の先生からは、どのように変えたのか、どうやって運用しているか、生徒に変化はあったか、といった質問をいただくことが多いのですが、必ずご説明するのはなぜ変えたか。
生徒をルールで管理するのではなく対話から「自由と自律」を学んでもらうことこそ教育なのではないかという想いを、教育関係者の方々と共有できたらと思っています。なので、「生徒指導規定」から「学校生活規則」に名称を変えた背景や、第1条に「目的」を明記したことなどをお話するようにしています。
※「学校生活規則」全文と規則制定の背景についてはこちら↓
#学習する学校
今年ご相談が増えたのが、組織開発や組織改革というテーマ。
教員の働き方改革に加え、学校組織の心理的安全性に対する関心が、全国的に高まっています。
そんな中、2021年度に再定義したスクールミッションと新陽ビジョン2030「人物多様性」を掲げ「学習する組織/学習する学校」に取り組んでいることを教育メディア・先生の学校やNewsPicks Educationで紹介いただいたり、Forbes JAPANの「Innovative Education 30」にも選んでいただいたりしたので、目に止まるのかもしれません。
視察の方々にご説明するのは、今年8月に刊行された「SCHOOL SHIFT(スクール・シフト)」の【Chapter4:「学校組織」のSHIFT─変わる組織、学ぶ組織】の実践編に書いた内容が中心ですが、執筆したのは今年初めなので、その後の実践や学校の変化についてもお話しています。
なお新陽は、GIGAスクールが始まるより少し前から生徒一人一台端末や校務のデジタル化に着手しており、以前はICT教育に関するお問合せや視察がとても多かったのですが、最近は「学習する学校」の文脈の中で学校DXについて聞かれるケースが多くなったのは嬉しい変化の一つだと思います。
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