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【新任マネージャー向け】私が考えるコンフリクトを起こしたくないマネージャーのコミュニケーション術

先日、後輩の1人から相談があった。ピープルマネージャーに昇格して間もないらしく、メンバーに指導をしたくても「嫌われたくない」「摩擦を起こしたくない」などの気持ちが働き、伝えたいことを言えないというのだ。実際、私もふくめて新任マネージャーを中心にこういった経験をしている人は多いと思う。

しかしながら、コンフリクトを起こさずに適切に指導をする方法はあるのだ。

一方、根本的に、適切に指導できるかどうかは「マネージャーとしての覚悟ができているかどうか」が鍵を握る。つまり、部下との関係性を良好に保ちたい、コンフリクトを起こしたくないという甘い期待を捨てることは大切なのだと私は考えている。
私自身、今も平和主義なのでコンフリクトを起こさずに物事を解決したいと思っている。実際、大半の人々が人間関係で悩んでおりコンフリクトを起こすことはチームにとっても個人にとっても良い影響を及ぼさないケースが多いからだ。特に公の場でのコンフリクトを起こすことは得策ではない。ただ、今の上司を見ていると日本に特有の文化なのかもしれない

では、どのようなアプローチ方法があるのだろうか。1から順番にトライするもしくは併用することもお勧めする。

1.メンバー自分自身が改善点気づくように仕向ける
上司から「〇〇を改善するように」と言わなくても、自分で気づいて改善してくれれば余計なコンフリクトを起こすことはない。
ではどうやって気づいてもらうのか?もっとも効果的なのは”リフレクションの会議を設定すること”だ。例えば何かのイベントがあったとしよう。終了後、改善すべきだと感じたあなたはどう伝えようか迷い、次の1on1で伝えようと思い、気づいたら時間が経過しており伝えることができなかった、なんてことはないだろうか?私ならすぐに「〇〇講演会後のリフレクション」というタイトルで15~30分のInvitationを対象者に送付するだろう。対象者はタイトルを読んだ時点で「何かミスしたのだろうか?」という振り返りを自分自身で実施することになる。そして、会議において、リーダーとしてこう問いかけると良いだろう「みなさんの献身的な取り組みにお陰で盛会に終えることができた。良かった点、改善すべき点は何だろうか?」と。まずはネガティブな印象の会議であることを避けるべきであり、ポジションなポイントを強調するべきである。そのあとに、さらに良くするには改善すべき点を討論して決めて次のアクションにつなげるのだ。リフレクションの会議は1on1ではないため、特定の誰かが特定の誰かを指導するという構図にはならず、全員で議論できるところがポイントだ。もちろん、Self-awarenessの低い人材は自分の事であるとは気づかないケースもある。

2.1on1で問いかける
私はコーチングの専門家でも、推進する立場ではない。しかしながら、一方的に指導するよりは引き出す方が本人の納得感も高まり効果的である。この際、具体的な場面をピックアップして問いかけることをおすすめする。抽象的な問いかけでは本人がイメージできずに不発に終わる可能性が高い。例えば、「この間の講演会の前、顧客がどうしてよいかわからず、右往左往していたとき、我々はどうすべきだったんだろうね」と言ったように、具体的な場面をピックアップすることが大切だ。本人もイメージしやすくなる。加えて、個人ではなく組織(あなたは、ではなく我々/私達はという表現が良い)としてどうすべきだったのか?という問いかけをする。これにより、自分だけが攻められているというネガティブな感情をある程度は防ぐことができる。一方、本人に強く意識させたい場合は”あなたは”という問いかけが必要だろう。
一方、対象者がすでに反省しており、聴く姿勢があるときは素直にアドバイスすればいい。

3.背景を説明&権威を利用する
それでも、本人のSelf-awarenessが低く、自分事として捉えてもらえない場合は、一定レベルの指導が必要になる。しかし、コンフリクトを起こしたくないマネージャーはどうコミュニケーションを取ればいいのか思い悩んでしまう。
まず、指導しなければならない背景を説明することが大切だと私は考えている。本人および組織にとって指導が必要な背景のことである。

本人にとって指導が必要な背景とは何だろうか。それは、本人の夢や希望との関連性である。例えば、プロモーションしてマネージャーになりたい。海外で働きたいなど個人個人夢や希望を持っている。その夢を叶えるためには、今何をすべきなのか?を明確にしてあげることが大切だ。指導する事項が改善されることで夢に一歩近づくことを説明してあげることである。組織については触れるまでもないが、上司がなぜ指導が必要だと考えているかを時間を取り説明することで、部下との信頼関係構築につながり、本人にとってネガティブなフィードバックでも受け入れてくれる可能性は高まる。

そして、それでも言いにくいときは権威を利用するのである。要は自分の上司を効果的に使うことである。ただ、上司に責任転嫁することは禁物だ。常に「私も〇〇を改善すべきだと思っていて、上司もそう思っている」という風に同じ土俵に置いて伝えることで、半分重荷を上司に背負ってもらうことができる。常に利用することは責任を背負わないというレッテルを貼られる可能性もあるが、時と場合によっては効果的だと思う。

もちろん、冒頭で記した通り、マネージャーとしての覚悟ができていて、「私は〇〇〇だと思う」と伝えることができれば100点だが、ハードルが高いと感じる人が多いことも理解できる。そういった際、私の考えるコミュニケーション術を活用してほしい。

ちなみに、コーチングとテーチングを使い分けるポイントについて参考までに記載しておく。

1. コーチング:
- 相手自身が問題や課題を解決するための答えを見つけることを支援します。
- 質問を通じて相手が自己気づきを得られるように促します。
- 相手の能力や自己成長を引き出すのが目的です。

2. テーチング:
- 知識やスキルを伝え、具体的な方法や手順を示します。
- 相手に新しいことを教え、学習を促進します。
- 指示やアドバイスを提供し、方向性を示すのが目的です。

マネージャーがコーチングを使うときは、従業員が自分で問題を解決し、成長するのを促すことが重要です。一方、テーチングは、新しいタスクやスキルを学ぶ必要があるときや、明確な指示が必要な場合に役立ちます。両方の手法を使い分け、相手の状況やニーズに応じたアプローチを選択することがポイントです。

以上

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