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「部下の話を聞く」とはどう言うことか?

本当に理解できていなかった自分がありました。
今、振り返ってみると。。。ですが。

事業企画のマネジャーだったとき、30歳のメンバーがいました。
彼は、きっちりと仕事をこなすタイプです。
少なくとも、普段の仕事から僕はそう感じていました。

もしかすると、僕が彼のことを「きっちりと仕事をこなすタイプ」と、先入観を持って接していたのかもしれません。

当時どこの会社でもあった、年に2回の面談の時。
彼は「総務部に行きたい」と話してくれたのです。
その時の僕の回答は「今の仕事をやり切ってからにしようよ」でした。

彼は組合の活動を数年間やってきていて、社員のために頑張りたいという思いがあったのだろうという推測と、ちょうど係長クラスへの昇進を部長と相談していた時期でもあった。

という自分への言い訳をしながら、振り返ると「自分の事業で成果を出すために彼をとどめておきたい」気持ちも確かにありました。

もし、コーチとしてのスキルを身につけた今だったら、どういう会話になるだろう?

彼:総務部に行きたいんです
僕:そうか、総務部に行きたいんだね
彼:。。。そうなんです。今自分の中で〇〇をやりたいんです
僕:〇〇をやりたいんだね
彼:〇〇をやりたいというか、今の仕事への気持ちよりも、もっと充実感がほしいというか
僕:充実感が欲しいんだね
彼:そうなんです。事業企画でもいいんですけど、なんか、充実感を得たいというか
僕:充実感って、君の中ではどんなことなのかな
彼:僕が充実感を感じたときは・・・・

この会話、文章だけ見ると「何?」と感じるかもしれませんが、聴く人が、自分の意見や先入観を交えないで、相手の言いたいことを聴く難しさが、この会話には詰まっています。

もしかすると、ちゃんと彼自身や彼の働き方に関心を持って聴くことができていたら、僕のところでも充実感を感じながらイキイキと仕事をしてもらえたかもしれないです。

僕の関心は、あくまで事業での成果であって、彼自身ではなかったということに、最近になって気づきました。

私がマネジャーを離れた2年後、彼はそのまま事業企画に残っていましたが、会社を辞めました。

僕が辞めることを知ったのは、退職の前日で、理由も聞いてあげることができなかった。
今でも、悔いが残っています。


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