マガジンのカバー画像

日々思い出す、亡くなった人たちのこと

65
不意に訪れる、亡くなった人たちとの記憶について書いたnote
運営しているクリエイター

記事一覧

父の死から30年、父と同い年になった

46歳になった。

ここ数年、自分が何歳になったのかあやふやなときが何度もあって1,2歳間違えていた。今年は改めてちゃんと計算したら46歳。そのときふと、そういえば父が亡くなったのは46歳だったようなと思い出す。計算したら46歳で、もう30年経つのねと母の言葉で月日を認識した。

身構えていた節目が2つあった。1つ目は、亡くなってから16年経ったとき。父と一緒に過ごした月日よりもいない月日が長くな

もっとみる

母の憂鬱

今日何度目かのリビングへ訪れた際に、母が突然憂鬱だと言った。いつからか聞いたら随分前からだそうだ。今日も昨日も普通に喋っていたはずなのに一体どうしたのだろうかと思ったけど、憂鬱ってなんの前触れもなく来るもんだ。兄の命日が近いからではないかと思ったけれど、もしそうだとしたらさらに落ち込むような気がして何も言わなかった。

それに引き換え、私には命日反応と言われるものがいつの頃からか全くなくなった。あ

もっとみる

拭えない自責からの復活

自責の思いがときどき重くのしかかる。いつもそれは突然やってくるから、すべてストップし、かれこれ2時間ほど経過しようやく復帰。

30年近くの間、自責、後悔、辛さ、悲しさ、寂しさ、孤独、孤立、虚無感、不眠、そんなようなものにどれぐらいの時間を費やしていたのだろうかと考えただけでもぞっとする。でも、ぞっとするなんて他人事のように言えるぐらいの復活感。数時間前まであんなに辛かったのにいまでは同じことを思

もっとみる
お墓参りで飲んだマウンテンデュー、新たな1年の始まり

お墓参りで飲んだマウンテンデュー、新たな1年の始まり

自動販売機で久しぶりにマウンテンデューを見かけた。缶ジュースは何かと面倒になるから外ではあまり買わないのだけれど、ここ最近ずっと聴いている三浦透子の「私は貴方」で唐突にマウンテンデューが出てくるもんだからずっと飲みたかったんだ。

小さい頃大好きで飲んでいた飲み物で、大人になってほとんど見かけなくなったからもうなくなっていたと思っていたから、20代の女性がよく昔の飲み物を知っているなぁとビックリし

もっとみる
記憶の衰えと永続性、忘れることは生きることとCoccoは言ったけど忘れたくもない

記憶の衰えと永続性、忘れることは生きることとCoccoは言ったけど忘れたくもない

仕事から帰ってきたらなんだか目が痛いし物凄く眠たい。モニターを直視していたわけでもないのになぜだろうかと思ったら、花粉が飛び始めているというニュースを見てそれかとついさっきまで思ってた。

そういえば昨日、兄のデータを移したiPhoneで動画を見た後になんとなくメールとかLINEとかアドレス帳を見ていたらいろいろ思い出して大泣きしたのを思い出した。もしかしてそれで今日は目が痛いのかもしれないけれど

もっとみる

Lemon

声とメロディが心地が良く、ところどころの歌詞が脳裏に刻まれるこの歌をを最近何度も聞いてたあるとき、いつもと異なる歌詞のところが鮮明に聞こえてきた瞬間に涙が出た。なんだろうこの感覚。身近な人の死を歌っていると知っていたし、数々の言葉にも共感もしていた。何が変わったのだろうか。

使い道のない兄のiPhone、これからもAppleを使っていく理由

使い道のない兄のiPhone、これからもAppleを使っていく理由

兄のiPhone 6sから母のApple Watchの紐付けを解除し、以前使っていた私のiPhone Xを兄6sのデータを復元し、母Watchを紐付けした。

当初は、私の12 Proに母Watchをファミリーメンバーとして登録し直したいと考えてAppleサポートへ相談をしたら異なるApple IDへのデータ移行は不可とのこと。データ消去の上、新しいWatchとしてペアリングが必要だそうだ。ファミ

もっとみる
兄のiPhoneの使い道がなくなってしまったけど思わぬところでまた発見

兄のiPhoneの使い道がなくなってしまったけど思わぬところでまた発見

とうとうこの日が来てしまった。最新バージョンのiOSに兄のiPhone 6sが対応していなく、必然的に母のApple Watchのアップデートができない。母のApple Watchをアップデートするには私のiPhoneに同期するしか方法がない。

いつか来るとは思っていたけれどいざ来てしまうと残念で仕方がない。ただ、数日前の兄の遺品を開いてみたときと同様に大発見。

随分前に兄のAmazonアカウ

もっとみる

兄の、2度目の死

色々やることが頭の中の巡っているのに、全く頭になかったこと(割と時間かかるやつ)に取り掛かってしまうことが続いている。

後回しにしてしまうのはもっとも重要な仕事。やり始めてしまえば問題ないとわかっているのに勉強やジムへ行ってしまうし、全く別のことを始めてしまうのはもうどうしたらいいのか。

1日の始めか終わりに明日やることリストを作成し、終わったものからチェックする、なんてことは今まで何度もやっ

もっとみる
夏空の見納め、逃れたい思考

夏空の見納め、逃れたい思考

光の強さとうだるような暑さを久しぶりに感じ夏が終わる。夏は嫌いなのに、終わりを感じるとすこし寂しくなる。

久しぶりにコントロール不能な感情が顕になり少し疲れている。ある一言がきっかけで思考が巡り夜は眠れず、思考が止まっても涙が自然と出てしまう。考えた結果、その思いを言語化できたものの、書く気になれない。ある程度腑に落ちてよかったものの、今はただただ逃れたい。

思いもしない出来事のおかげで昔を思い出した

思いもしない出来事のおかげで昔を思い出した

まさかこの人生のなかで真っ赤なフェラーリ乗るなんて1度も考えたことがなかった。

以前の会社の取引先の人に久しぶりに連絡をして食事に誘ったら、赤い車で迎えに行きますとのことで、待ち合わせ場所に向かったら、100mぐらい手前からさほど車に詳しくない私でもあれはフェラーリ?えーーまさか?!嫌でも待ち合わせ場所に赤い車は1台しか止まっていないし、でも声をかけづらく電話をしたら待ち合わせのその人だった。

もっとみる
日常に戻してくれたタイムライン

日常に戻してくれたタイムライン

今日は兄の誕生日。生きているときに思い出すことなんてほとんどなかったのいなくなってから思いに耽ってたりするのなんてほんと身勝手だなと常々思う。

今年特にいろいろ思い出してしまうのは数日前にフジロックに急遽出演が決まったクラムボンのタイムラインを聴いたからだ。

タイムラインはモメント e.p. 2というアルバムに収録されていて、兄が亡くなった数日後に発売されたのだけれどすぐには買えなくて、発売か

もっとみる
供える花の向き

供える花の向き

今まで当たり前のように、お墓へ行ったときの花の向きは自分側へ花びらを向けていた。

でもよくよく考えたら、亡くなった人側から見たときにきれいな方が良いんじゃないかと、今回初めて墓石に向かって花びらを向けて供えた。

兄の場合、自然葬の集団墓地だから広がりがあってあちら側からよく見えるだろうけど、父のお墓は普通のお墓だから花の向きを逆にしたところで、下に埋まっているから前だろうが後ろだろうがどっちみ

もっとみる
阿寒湖と、その経路ばかり見てる

阿寒湖と、その経路ばかり見てる

旅行へ行こうと考えてから行き先が迷子だったけど決まりつつある今日このごろ。

転職後、平日に休みが取れることから母と一緒に旅行を考えいて、最初は乗るだったもののいざ行けるようになると歩行器での遠出が不安だそうだ。

そうなると私1人。
自由度が上がってさぁ大変。

当初は1泊で京都を考えていた。平間至さんの写真展へ行くといったシンプルな目的だったものの、新幹線代のバカ高さに辟易し、宿セットだと安く

もっとみる