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ストーカーおじさんと仲良くなった話

5.6年前の話です(5.6年前多いな笑)

当時、私は練馬区のアパートで一人暮らしをしていました
自転車で5分の場所に、とても大きな公園があります(H公園とします)
起床とともに、H公園まで自転車で行って、喫煙所(屋外)で一服するのが習慣になっていました

夏のある朝、その日もH公園まで行って、喫煙所でタバコを吸っていました
おそらく朝の6時台
人はほとんど居ません

私は喫煙所の椅子に座り、朝の日光を浴び、
優雅に過ごしていました
すると、見知らぬおじさん(60代後半くらい)が近付いてきました
私の顔を見てニヤニヤしています
「なんかスケベそう…」と私は思いました
「枯れ専」の私のレーダーは反応しません

おじさんは、突然私に話しかけました
「隣座っていい?」
「あ、はい…」と私は戸惑いながらも答えました
「お姉さん、ちょっとこれ見て」とおじさんは言って、携帯電話を取り出しました
私に見せます

私の第一印象は当たってました
携帯電話には、おじさんの勃◯した性◯の写真が表示されていました
ビックリした私
朝からなんてもの見せるんじゃい
おじさんから逃げるように、その場を急いで去りました

私は決して、露出の多い服装をしていたとか、
隙を見せるような仕草をしていたとか、
男性を誘惑するような様子を見せていたとか、
していません

理不尽な出来事に混乱した私は、警察に電話しました
「今公園で不審者に会いました、勃◯した性◯の写真を見せつけられて…」
すると電話に対応した男性警官
「あなたがそういう雰囲気出してたんじゃないですか?」
と言います
…私が悪いって言いたいのか…
酷い対応だ

次の日、H公園とは違う場所で自転車を引いて歩いていたら、
またそのおじさんと出くわしました
(世間って狭いですね~)
目ざとく私を見つけたおじさんが、私に話しかけてきます
「昨日のお姉さんでしょ?ねぇねぇ、どこに住んでるの?教えてよ~」
「オレはH公園の清掃のボランティアをしてるんだ、誰も来ない秘密の場所を知ってるから、その場所で…ね?」

私は冷静に「昨日なんであんなもの見せてきたの?」と問いました
おじさんは「だってあなたが素敵だったから、つい…まだまだ元気だってことを証明したくて…」と言います
私は「もうあんなことしないでね、ビックリしたから」と言いました
おじさんは「ごめん…」と謝ってきました

このおじさん、根底は悪い人ではなさそうです
でも、やはり警察に電話しました
「昨日電話したw(私)という者ですが、H公園じゃない場所で、また同じ不審者と出くわしました」
電話に対応した男性警官は
「あぁ~顔見知りみたいになっちゃったんですね」
と他人事のように言いました
いや、なんか対応してくれよ

警察はあてになりません
自分で対応するしかないのだ、と悟りました

しばらくしてから、H公園のいつもの喫煙所に行くと、日曜日ということもあって、人でごった返してます
おじさんがまた居ました
興奮したおじさんが、犬を連れた若い女性に下ネタを言いまくってます
(犬がオスかメスか、オスだったら「交尾好きだろう!」などと言ってます)
おじさんも犬を連れています

私はおじさんを「コラコラ」とたしなめて、喫煙所で話しました
連れている犬は彼女のものだ
彼女は同年代、今家に居ない、
今まで悪いことをいっぱいやってきた
などと話します

私は「でも人は殺してないでしょ?」とおじさんに聞きました
おじさんは渋い顔をして無言です
あ、この人、人殺したことあるのかな…
と思いました
(喫煙所でおじさんと話してる姿が目立っていたようで、H公園内の椅子に一人で座っていたら、「さっき喫煙所に居たよね?」と男性二人に挟み撃ちでナンパされました)

そんな危険なおじさん
でもH公園を含めたいろんな場所で、おじさんと出くわすのです

私が自宅アパートから自転車で10分程の、H公園とは真逆の方向の健康ランドに向かうときも、
自転車に乗ったおじさんに出くわしました
私は「やっほー」とおじさんに言って、すれ違います
おじさんも「おお…」と言っています

無料で野菜を配る催し物が開かれました
先着順です
行列に並んでるおじさんを見かけ、私は「やっほー、並んでるの?」と声をかけました
おじさんはちょっと照れ臭そうにしてます

ある日の夕方また、H公園でおじさんと会いました
おじさんが、「今からお酒とおつまみとタバコ買ってくるから、ここで酒盛りしよう!10分後に喫煙所で会おう!」と言ってきました

一旦家に帰った私
その日は酷く疲れていて、ついついベッドで眠ってしまいました
起きた時には夜です

次の日H公園に行って、またおじさんと出くわした私(縁がありますね~笑)は、
おじさんに謝りました
「昨日寝ちゃってて、ごめんなさい!!」
おじさんは「せっかく買って待ってたのに~」と言って、私の頭を軽く叩きました

もう警察の介入は不要です
我々は友情を育んだのです
私の危機察知能力は、練馬区に住むようになって、故障していました(他にもいろいろ危険なことがあったため)

でも節度は保ってました
住んでる場所は教えない、携帯電話の番号なども交換しない

私が引っ越すことになりました
心の中でおじさんに「さようなら」と告げました

第一印象は最悪で、警察に通報したこと
警察はあてにならないと学んだこと
でもおじさんと仲直りしたこと
おそらくもう一生会うことはないおじさん

今では良い思い出です

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