【詩】 「揺れるシャツの隙間から」
「揺れるシャツの隙間から」
季節はずれの蜻蛉が
水辺で羽根の手入れを
終えると
西風に乗って虹の中へ
青くなるには まだ暑さが
足りない空には薄白い雲が
漂っている
湿気でも空っ風でも無い空へ
森の中では小鳥のお喋りが
響き渡る賑やかなライブ
聴き入る中
かぶと虫も旅立ちの準備へ
ガラスの月が煌めいて
脆く儚い危なげな光
目を閉じて
リスキーな恋の予感が漂う中へ
ノアールから開放され
生えたばかりの乾き切らない翼で
羽ばたけば
新しい無色の風と夢の続きへ
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