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東京タワー 2024/05/07 -2

江國香織さんの、「東京タワー」を読んでいる。
正確には、読み始めた。

3度目ましてのカフェで、カフェラテと小倉あんとクリームチーズサンドを食べながら(おまけでお手製のコーヒーゼリーを付けてもらえた♩)、耳栓をして本を読んでいる。ちなみに現状を説明すると、55頁近く読んだところでふいにnoteを書きたくなったわたしは、頁を捲る手を止めて、今はnoteを書いている。

目の前にいらっしゃるマダムは、白洲正子さんのご著書を読まれている。何だかとても面白い(ただわたしは白洲正子さんのご著書は拝読したことがないのですけど)。

知らない方と机2つと1人がけのソファー2つを挟んで文庫本を読むというシチュエーションはなかなか楽しいなぁと地味に味わっている。

江國香織さんのご著書を拝読するのは'数え切れないまして'くらいなのだが、実は1冊を読み切ったことがなかったりする。もしかしたら、辛うじて読み切ったのでは…と推察されるのは、辻仁成さんとの共著(というのかな?)である「冷静と情熱のあいだ」の「Rosso」。内容を全くといっていいくらい覚えていないのに読んだと言っていいのか甚だ謎ではある(既読歴には入れていいよね)。

たぶん、「Rosso」を読んでいたら「Blu」も読んでいるはずだ。本は持っていないので、恐らく図書館で借りて読んだのだと思う。ちなみに、辻仁成さんのご著書はこの1冊しか読んだことがない気がする。

「冷静と情熱のあいだ」は、文庫で読んだ記憶はないので、ハードカバーで読んだような気がする。調べてみたら初版が1999年で、今から25年、所謂 四半世紀(←言いたかっただけ)が過ぎていた。自分に25年前が存在することにびっくりすることにはなかなか慣れず、毎度「えっ」と思ってしまう自分にびっくりすることになるので、大体20〜30年前を振り返るとき、わたしは必ず2度びっくりすることになるので、自分で自分に少し疲れていたりする(苦笑)

なぜ最後まで読めないのか。わたしにとってこの現象が起こる作家さんはもうひとりいらっしゃって、それは村上春樹さんだ。なぜか最後まで読めない。人から薦めてもらったものなら読めるかと思って、村上春樹が好きだというひとに何度かお願いして薦めていただいたのだがそれも読めなかったので、食わず嫌い(食べてみましたがやはり食べられませんでした!ごめんなさい)が現在に至るまで地味に、そして長く続いてしまっている。

でも、なんだか「東京タワー」は読める気がする。なぜなら、ときどき \ ふっ / と薫る空気感(仮)に、不意に気持ちを持っていかれるからだ(持っていってもらえるからだ)。言葉に翻弄されているといってもいい。そしてわたしは、この感覚が全く嫌いではない・・・・・・・・

もしかして、昔のわたしはこの感じが苦手だったのだろうか、と推察してみる。きっとそうに違いない。自分は知らない、自分は理解できないその空気を、然もありなんとときに飄々とときに深々と、それでいて軽やかに懐に忍ばされる感じ(心の境界線をそんなものないかのように飛び越えてくる感じ)が苦手だったのだろうと思う(確信)。今はその感覚を言葉にできるようになったということは、わたしの中にもその空気が存在しているということだ。大人になったな、わたしも。

大人になるっていいなと思う。今までなら許容できなかったこと、それが未体験・未経験のものに対して、寛容になっていくということは、自分がそれだけ色んなことを体験・経験した証拠だからだ。とはいえ、まだまだ未経験のことは多いわけで(むしろ自分が変わればそれはどんどん変わるはずで)、それを体験するまでそれを体験していない自分のことはいつまでも焦ることなく大切にしていたいと思うと同時に、体験した後の自分やその感覚を深めるという時間のことも大切にしたい。大人になるって、その振れ幅が大きくなることだ。他の誰かにとっては当たり前の経験が、自分には当たり前になかったりする。逆も然りで、そういうのって、大人になってからより分かりやすくなったような気がする。・・・わたしが、いい子ちゃんでつまらない学生時代を送っていたからかもしれないけど。

正直、このあたりは多少のコンプレックスがあったりする。わたしは変なところで羽目が外れているにも関わらず、「そこは外しといたら?」みたいなところは王道を踏襲していたりする。そのアンバランスさも、今となってはかけがえのない自分の色で、そんな色がmarbleになっているわたしという存在は面白いなぁと変に客観視したり思ったりしている自分がいる。そっか。色んなことが、他人事じゃなくて自分事になったんだな、きっと。

さて、続きを読むとしますか。今日は、普段よりも自分のしたいことを意識して行動する日にすると決めたので、それをやり切ることにする。目の前で本を読んでいらっしゃったマダムはお帰りになり、その席には今わたしより年上の女性2人が座って、色々話をされている。



2024/05/07 (123/366)


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