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会社と社員が共に成長する人事制度を作り、その軸をブラさない


人事制度に課題を抱えている、人事制度が形骸化している・・・そんな話をよく聞きます。実際、人事制度に課題が全くないという会社はほとんど存在していないのではと思います。

人事制度は、会社の基盤となる重要な制度のひとつであり、人事部門の重要な年中行事のひとつでもあります。人事制度の運用は機密性の高い業務であり、信頼出来る方が業務を担当しているはずです。そのような人に「御社の人事制度ってなんのために存在していますか?」という問いをすると・・・結構回答に窮することがあります。

人事制度はなんのための仕組みなのか?

私が考える人事制度の目的は、会社と社員が共に成長するためのしくみとなることです。

会社は成長し続けることが使命です。成長し続けなければ、競争に負けてしまいます。新しいテクノロジーについていけなくなります。衰退するとお客様・株主・社員が不孝になります。なので、会社は成長し続けなければなりません。
会社が成長するためには、社員一人ひとりの成長が欠かせません。社員一人一人が成長するためには、成長を動機づけしていく必要があります。そのためのしくみが人事制度なのです。

そして、人事制度の運用担当者は、成長のためのしくみだということを認識し、高い意識を持って運用し続ける必要があります。

会社と社員の成長という軸をブラさない

評価者会議の席では、評価者から口々に、情に流されそうな会話がたくさん繰り広げられています。例えば、
・今期高い成果を上げた人を昇格させたい
・このまま昇給しないと退職リスクがあるから昇給させたい
などといった相談が寄せられます。

評価者は役員であり全社バランスを考えてほしいのですが、まあ大きく主張して勝ち取ろうとする方、いますよね。そして経営者も引き摺られちゃってしまい、評価者会議が交渉の場になってしまうケース、結構あるんです。

この時、人事担当者はとても苦しい場面ではありますが、会社と社員の成長に資する評価ができているかの観点で意見を述べ、どうも違う観点で評価されている時にはきちんと問題提起を行う必要があります。

違った観点での評価が行われてしまうと、評価フィードバック時の説明責任を果たしにくくなります。そして動揺の事象が複数発生することで、評価制度の形骸化が始まっていきます。多くの会社でこのような現象が起きていますね。

社員の成長のしくみであることを、しっかり説明し続ける

しかし、評価者会議の席での人事担当者が正しいことを主張するのって、限界があります。会社の重鎮がいる会議室で悪者になる・全体の空気と違う発言をするのってのは相当辛いですよね。

そのためには、常日頃からいろいろな場面で人事制度の目的を言い続ける必要があります。また、言い続けるだけでなく、それを腹落ちしてもらうためのしかけを作っていく必要があります。

例えば、評価者研修の機会を設け、その中で人事制度の目的を伝えていくというやり方があります。ワークショップなどを取り入れることで、伝えるを伝わるに変えていく取り組みも必要です。
また1回やって終わりにするのではなく、毎年毎年同じような研修をやり続けることも重要です。

また、社員の成長を大切にしている会社であることを定着させるために、周辺の人事施策の思想にも取り入れていきます。研修制度を充実させたり、個々の自己研鑽の支援をするなどもアリです。会社全体が社員の育成に力を入れているカルチャーに変えていくことで、人事制度の目的がカルチャーに即したものに変わっていきます。

人事制度の企画・運用に携わっている方は、ぜひ参考にしてみてください。

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