6.Iga血管炎疑い 入院2日目

夜はやっぱり全然眠れなかった。
ナースステーションの真ん前の部屋だから、夜中ずっとすごい音。

夜間不穏でナースステーションに連れてこられ、「おかあしゃーん(お母さん)」「しぇんしぇー(先生)」と叫びまくるおじいちゃん、おばあちゃんの声。
ナースコールマン(夜中ずっとナースコールを押し続けるおじいちゃん)によるナースコール音。
看護師さん達の会話や作業音。
3時間おきの点滴交換。
しょうがない。
私はもう寝ることは入院初日に諦めることにした。

痛み止めがきれてくる時間になるが、まだ耐えられるレベル。
朝ごはんに全粥食が始まった。
半分食べれれば点滴はずしてもいいかなと主治医に言われ、頑張って半分食べた。
やっぱり食べると痛みが強くなる。
でも点滴も時間の問題だ。
私の手は一見いい血管があるように見えるが、2度の切迫早産入院でずっと点滴をしていたのでもう血管がもろくなっているし、すぐに腫れてしまう。
だから早く点滴をとりたい。
脱水状態が改善されてきたお陰か、身体も元気になってきて起き上がれるようになってきた。

朝、主治医がやってきて研修医の先生もつくことが伝えられた。
そして今日は皮膚生検をすると。
皮膚生検は簡単に言うと、紫斑の部分をくり貫いて病理検査にかける。
その結果でIga血管炎と診断ができると言われた。
もし、それで確定診断が得られなければ腎生検。
腎生検は絶対嫌や。
あんなに痛いの嫌や。
逃げ出したかった。
お願いやから皮膚生検で“Iga血管炎”だと確定診断がついてほしいと願った。

私は今のところIga血管炎疑いでの入院。
診断がはっきりしなければ、治療方針も決まらない。
私も診断名や原因がわからないから、この病気になってからずっとモヤモヤしていた。
だから怖い気持ちもあったが、皮膚生検には期待をしていた。

午後になり、やっと皮膚科外来へ呼ばれた。
やはり月曜日ということで、午後になっても混みあっていた。
だが、そこは私は入院患者。
まるで夢の国のファストパスでも持っているかのように、看護師さんの押してくれる車椅子で待合室の前を颯爽と通り抜け、そのまま診察室へ。

皮膚科Dr.登場。
Dr.「紫斑だね。じゃあ写真撮るね。はい、じゃそこに寝て。麻酔うつよー。」
すごいテキパキ進んでいく。
私、こういうの嫌いじゃない。
麻酔はまぁ痛かったが、皮膚をくり貫かれているときは何も感じず、縫う時は引っ張られる感じの違和感だけが残った。

Dr.「はい、終わり。じゃあ1週間後に抜糸ね。」
私「結果はいつ頃出ますか?」
Dr.「1週間はかかるかな。」

絶望。
予想以上に時間がかかる。
私、1週間も入院して診断を待って、そこから治療?
え、明後日くらいに退院できるんじゃないかと思ってたんですけどー。

まぁしょうがない。
中途半端な状態で帰っても、また繰り返したら意味がない。
原因をはっきりさせて、ちゃんと治療してもらおうと腹をくくった。

夕方になると段々と皮膚生検をしたところが突っ張るような痛みが出てきた。
でもそれ以上にお腹が痛み出した。
きっと点滴をはずしたいがために、久しぶりにごはんを食べたからだ。
我慢できるだけ我慢しよう。
ご飯が始まったら下痢が止まらないので、夜から整腸剤の内服も始まった。
そして夜にはやはり点滴が腫れてしまい、それをきっかけに抜針してもらうことができた。

解放感やばい。
トイレに一緒に行く相棒がいなくなり、身軽になった。
夜中に看護師さんに手の向きを変えられることもない。
夜中に看護師さんに懐中電灯で手を照らされることもない。
あー最高。

と思っていたのも数時間。
やはり夜中に耐えられないレベルの腹痛が襲ってきて、2:30に痛み止めの内服薬をもらった。
効果は遅いし、きれるのも早いけど、少し痛みも和らいだ。
そこから寝られるわけもなく、夜が開けるのをそっと待った。

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