きみのお金は誰のためを読んで(書評・感想レビュー)

田中学さんの「きみのお金は誰のため」を読みました。

ストーリー形式でお金の謎と社会のしくみについて説明する本です。


この本の内容をひとことでまとめると
「お金は道具である」ということです。

本書はお金を「誰かに働いていもらうためのチケット」という風に定義しています。僕が以前書いたこととほぼ同じ。田中学さんは子供向けな感じで、僕よりさらにわかりやすく書いていると思います。

本書の内容の

「お金自体には価値がない」
「みんなでお金を貯めても意味がない」

あたりは賛同できるのですが、
本の結論は「お金を増やすことばかり考えずに、互いに支え合って生きていきましょう」的な感じで終わります。

うーん。

僕としては、著者の結論は
「社会全体では正しいけど、個人レベルでは役に立たない」と思います。

現実問題、金がないと苦しい思いや惨めな思いをするからです。

「衣食足りて礼節を知る」

家や十分な食事があって、自分が満たされていないと他人に配慮することはできません。

また、本書では「お金のために働いてはいけない」ということが書かれていますが、これはちょっと危険な考えだと思います。

お金のために働いてはいけない=好きなことを仕事にしよう
的な発想に繋がりますが、

人気のある仕事というのは、薄給でブラックなことが多いです。
アニメーターとか声優とかですね。
やりがいのある、人気な業界はブラックでも人が集まってしまうので構造的にブラックな状態が温存されやすいという問題があります。

逆にBtoBの営業とか、不人気な業界は労働条件的にホワイトだったりする。

「お金のために働くな」というのはブラック企業が使いがちな理屈なので、あまり真に受けないほうがいいと思います。

あと「社会のために役に立ちたい」とか本音で思ってる人って少数派だと思います。100人中20人以下なんじゃないかな。

人間は社会的な動物なので、表向きは綺麗ごとを言いますが、
本音では働かずに遊んで暮らしたいと思っています。

そうじゃないと「華の金曜日」とか「サザエさん症候群」なんて言葉は生まれてこないと思います。

僕は経済的自由を実現するには金融資産で2億円は必要だと考えているので、少なくともそのラインまでは綺麗ごとは言わずに泥臭くビジネスと向き合っていきたいと思います。



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