マガジンのカバー画像

219
自分の作った詞になります
運営しているクリエイター

記事一覧

【詞】分度器

【詞】分度器

分度器の40°の近未来を測る
それは空から風に似て 通りをより色めく熱意
分度器の上へ行くほどまっすぐな近未来
時に犬など声に似て 歩く度にゆれる靴紐

考えの色 知っている 手を伸ばせば 膨らんだ月と
ひとひらの夢から定規で
線を引いては待ち焦がれ

景色たちは まるでカラー 朝には消える色彩と
時を刻んで5°上がる 分度器からより昇る光

考えを刹那に呟いてみる 言葉を寄せる
ひとひらの文字か

もっとみる
【詞】ナイロン

【詞】ナイロン

カーテンを開けた瞬間がはじまりだとしたら
閉めきったままでもいいと思えたり
少し正直になれたら
手を振る物もあるでしょ 物もあるでしょ

歩き出す春を数えて どれぐらい
風の数だけ 先を行く
夢に見るまで もう少し
佇む未来

光にもなれるかもしれないね
弧を描く音へと深く
行けるかも あと少しだけ
星を向く 顔を上げて
風を呼ぶ

青の花火鳴る日いつまでも胸に仕舞っていてよ
ここからの握った手を

もっとみる
【詞】Waterfall(in)

【詞】Waterfall(in)

雨という名の針が降って
道端のすべてが湿っていく頃
宇宙の展覧会を見て回る
銀河のような髪をなびかせた人も居る
ウルトラな軌道をめぐる
風に似たら東を走る
宇宙の展覧会はもうすぐ
星を反射した滝の中に

滝の中に

滝の中

対比してる

広がる

描写する

waterfall

in

瞳を開ける陽に

鼓動とともに

対比してる

見つめる

3時ごろ

closing



目を閉じる陽

もっとみる
【詞】Ghost

【詞】Ghost

靴を鳴らしたら藍色
空は明るくなるかな
今ここから灯りを通る
影だけを見せるゴースト

夢のかたちで

街をなぞって

夜に踊った

気付く自分は

瞳を閉じて

なにかを映す

心の奥に開く花びら

風を膨らませた茜の雲と
思い浮かべた夏のゴースト
変わることが次々と
変わらない日々の間に移ろう時に
目を開いたら音を立てる海とさらに星
見上げた自分 見つめる冷夏
影をゆらして佇むゴースト

お久

もっとみる
【詞】ラストシーンの向こう側

【詞】ラストシーンの向こう側

僕らの最深部のあの夏は欲しがったって手に入らない
最初から無いものだって思った方がいっそいいのかと思ったりもしたよ
よくある話を積み上げたその何気なさを振り返ることしかできないのだと

自転車に乗ってどこまでも行けそうさ
風に髪を泳がせて、全力で息を吐いたあの人の背はあの時のまま
段々自分だけ大きくなって、街と変わって、

あれから何年目の夏だっけ すっかり世界は別の物
時には恍惚とした日々に笑っ

もっとみる
【詞】ラムネ

【詞】ラムネ

青い空を飛ぶ鳥をラムネ瓶と重ねて
何となく 何となくだけど
夏の音 近付くほど
深くなってゆく 深くなってゆく

エモーション 映しだして この地面
草のゆれるほどのあの鳥の飛翔
夏の音 遠のくほど
やがて消えてゆく やがて消えてゆく

この先の さらに先の いつの日にか
ラムネのビー玉ほどに小さな世界で
泳ぐ 丁寧 それは 遊泳
カランカランと鳴る鈴の猫が座る

歩き出したら 自分の手の平ほどの

もっとみる
【詞】茶柱

【詞】茶柱

1年前のことから
つい最近のことまで
すべてを詰め込んだ茶柱は
プカプカ浮いて
またゆらゆら揺れて
何かを思い出すことが出来たらいい

数年前の部屋から
つい最近の掃除まで
飲み干す緑茶 間の茶柱
プカプカ浮いて
また生活に笑う
人のことを思い出せればいい

「おはよう」と言えないほど忙しい未来
僕をいつか見つけ出す近未来に
変わらないものが一つあればいい
それだけで明日に踏み出して
(ゆらゆら 

もっとみる
【詞】皐月

【詞】皐月

標識の先の空
薄曇りは伸びて青
皐月の上を飛ぶ鳥の眺め
広い雲模様
僕はここから待っている睡蓮の歌を携えて
僕はここから待っている睡蓮の歌を携えて

ヒューヒューと行く
心は風にのってヒューヒューと
切り抜いた夢に見る雲間に
歌を描いたはじまりを
そう 船出は近付いている春の水面は弧を描き
そう 静かにときめいている花の雫の弧を描き

ただ 走る皐月よ
気付いているだろう 気付いているだろう
ただ

もっとみる
【詞】冬の心

【詞】冬の心

少し暗いです

空の星を指で繋いでいた
自分だけの星座創っていた
星座はやがて夜の向こうへ消えていった
消えていった光が優し過ぎるんだ
強く柔らかく包み込むんだ
芝に寝転ぶ僕には壁が出来ているのに

この時間だけ、時間だけ味方でいてくれればいい
分からなくなっていく
冬の心、誤魔化さないでくれ
自分が分からなくなっている
冬の心、誤魔化さないでくれ
誤魔化さないでくれ

空の星を指で繋いでいた

もっとみる
【詞】暁闇-2

【詞】暁闇-2

風声鶴唳のその刹那が 沈んでいく重力と
残る感覚に沿って 招く光に蠢いていく
思い出せない言葉 
電燈
さざめく雑踏の方へ
ひた走るクラゲに見えたんだ

立ち止まる僕は影 心は絡繰り屋敷のように
感情の仕掛が次から次へと
立ち止まる僕は影 心は嵐の夜のように
表情の木々を荒々しく

その暁闇の通りを今一度
粒子ほどの憶えを読み返す
また忘れるほどの遠雷から来る
雨に部屋から抜け出そう
冷えた風に悴

もっとみる
【詞】marine

【詞】marine

未来の宿る水をずっと比喩にして伝えていた
夏 何気なく通り過ぎた 路次の石に眠る物
家の上の雲ほどに遠い世界を夢みてた
それは多分 どこまでも想像できる物だろう

夏になれば笑うことをさ
教室の左側 形にして書いていた
夏になるも悲しいことはさ
砂浜から紛らわしたく
海を見ていた

あの話やこの話を話せる距離だけね
昔には戻れないと砂を掴んだ

marine 底のない渦を
いつも巻いているだろ
m

もっとみる
【詞】風のすみか

【詞】風のすみか

やがて晴れるウミユリに立ち、
二人どこまで行けるだろう
映画のような一息は
ベンチの雪を掻き消した
歌を込めるその月のまま
頬の海で眠ることも
鯱にもなれる記憶を膨らませ
雲の作る輪を
通り抜け

懐かしむのは砂に残る二つの足跡
夏を模写する 走りだす 
波間に見た宝の島
覚えていれば めくる余白に今遡る 
砂に見た二進数
すべては青の回想を強く

遠く指で描いてみた
光より走って
自分ではない靴

もっとみる
【詞】抱擁

【詞】抱擁

鼠色の影、道端から
鴎、餌を食む海へ
停留所の椅子の熱から
この町ひとりぼっちの日々へ
大人になって思い出も失っていくものだし
剥がれるような幻みたい夏の
紛れていく枯草と
青と横断歩道を抱擁する

夕方に耳を震わす音が聴こえてきたんだ
すぅっと生活の川と重なる
夏の風は暖かく
すぅっと生活の川に囁く
風の知らせで会えるなら灯の下に戻りたい
次の雨までに

鼠色の影、道端から
鴎、餌を食む海へ

もっとみる
【詞】桜

【詞】桜

汗とまた踏む階段の先の
晴れ間に過ぎた星一つ
街の影の間を通り抜けた日に
聞こえたら耳を澄ましてよ
手の平少しグラフィックのハート
きらめく遥かな魂
音の漣 ゆけ
二人は桜

二人は桜
自然とこぼれる涙はいつか
夜を模る記憶になって
何にもなれる表現となって
手の平にほらグラフィック深く
春の漣 ゆけ
二人は桜

“桜”
今、この軌道伝ってすぐそこに
今、あの川に描く流線

“桜”
今、川沿い伝う

もっとみる