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「自社のリアルをいかに伝えるか」採用広報活動の強化に向けて、KDDIがオウンドメディアを選んだ理由ーcase.8 KDDI様

こんにちは、No Companyのマーケティング担当です。今回は、No Companyのクライアントインタビューをお届けします。第八弾は、電気通信事業を展開されているKDDI様です。

発足以来、豊かなコミュニケーション社会の発展に貢献することを企業理念として掲げてきたKDDI。中期経営戦略(2022-24年度)においては、事業戦略を「サテライトグロース戦略」と位置づけ、通信事業の進化や、通信を核とした注力領域であるDX、金融、エネルギー、LX(ライフトランスフォーメーション)、地域共創などの拡大に取り組んでいます。そんな同社が、採用広報の一環として、オウンドメディア『&KDDI』をスタートしたのは2021年のこと。今回は、新規オウンドメディアの立ち上げに至った背景、具体的な取り組み、そして現状の成果や今後の展望などについて、新卒採用担当の秋山様、キャリア採用担当の寺澤様、広報担当の河村様にお話を伺いました。

▲新卒採用担当・秋山様

中長期的な目線に立った採用広報の強化を目指して


——まずは改めて、『&KDDI』を立ち上げるに至った背景から教えてください。

秋山:根本的な背景には、KDDIの事業領域拡大によって、業務の複雑化や多様化が進み、KDDIの仕事理解に対する就活生や求職者への訴求が不十分だったことが一つの課題でした。採用市場が毎年激しく変化していく中で、弊社としても、採用広報領域を強化する必要性があったことはもちろん、我々が伝えたい情報を正しく届けるためにも、まずは採用サイトをアップデートすることに注力したいと考えていました。

寺澤:そこで2020年、まずはそれまでバラバラだった採用関連の情報を1つにまとめるために、採用サイトを刷新したほか、同サイトへの流入強化を目的としたタイアップ記事の企画・配信などを、No Companyさんと一緒に推進しました。THINK for HR(※)を活用した就活生のインサイトの理解やコンテンツ企画などを含め、初年度から一定の効果を得られたことで、次年度の2021年には、より採用ポータルサイトへの回遊・着地を増やしていくべく、オウンドメディア『&KDDI』を立ち上げることを決定したのです。 

(※)「THINK for HR」とは、SNS(Facebook、X)上のエンゲージメント(「いいね」や「リツイート」「シェア」「コメント」などのアクション)データを定性、定量の両面で収集、分析することができるSNSデータベースです。企業が使用することで、自社が知りたいトピックに関して、SNS上でどんな投稿や記事がどれほど話題になっているのかをタイムリーに把握できます。また、データベースに加えNo Companyの専門アナリストによって、SNS上から拾い上げた生活者インサイトを生かした採用広報施策の設計、実行までを一貫して支援します。

河村:広報目線では、コーポレートブランディングの一環として、人事に関する発信をより強化していきたいという考えもありました。『&KDDI』ができる前からペイド記事の制作などはしてきましたが、やはりどうしても活用範囲が狭く、短期的な施策になってしまう傾向にありました。その点、コンテンツを蓄積しながら、過去のアーカイブも含めて今後自由に運用していけるようになるオウンドメディアは、中長期的なブランディングの観点からも大変意義のあるものだと感じていました。

——では、オウンドメディアの運用にはどのようなKPIを設定していたのでしょうか。

寺澤:まずは媒体として「見てもらうこと」=「PV数」を一番のKPIに設定していました。PV数が伸びている月はプレエントリー数も伸びている、PV数が下がっている月はプレエントリー数も下がっているという相関関係がデータにも表れていたため、わかりやすい指標として、PV数をまずは追うべきとしていたのです。

河村:だからこそ、立ち上げ当初から特に注力していたのは、コンテンツの量を増やすことでした。『&KDDI』では実際に、立ち上げからの約2年間、毎月4~5本の新規コンテンツを制作。中長期目線での認知の獲得や信頼の蓄積といった目的があったからこそ、オウンドメディアを手掛けるチーム全体が、「まずは媒体として確立することが最優先」と考えていたのです。

▲広報担当・河村様

クオリティを担保するためにも社内連携は必要不可欠中


——PV数を伸ばすために、具体的に取り組んだことや心掛けたことなどはありますか?

秋山:最たる取り組みとしては、No Companyさんからもご提案いただいたX(旧Twitter)でのSNS広告が挙げられます。いろいろな広告媒体と比較した際に、結果的にパフォーマンスが高かったことがSNS広告を採用した理由でした。ちなみに、我々にとってのSNS広告は、「KDDIに対して“働く場”として認知が薄い方たちにどのようにコンテンツを届けるべきか」を考え、実施しているものでもあります。そういう意味では、まだまだ実験的で、検証を積み重ねている段階とも言えますね。

河村:心掛けていることは、タイトルやサムネイルをしっかりコントロールするという点でしょうか。「au」「KDDI」といった具体的なワードが入っていたほうがクリック率が高かったり、「こういうイベントがあります」といった記事よりも、「こういう新入社員に話を聞く」といった社員のリアルにフォーカスした記事の方がPV数が高かったりと、企画や打ち出し方によっても結果としての数字に違いが出るためです。この違いの要因を細かく分析し、PDCAを回していくといった動きも、今後より強化していく必要があると考えています。

——コンテンツ自体の企画・制作においては、日頃どのような連携・工夫がなされているのでしょうか。

寺澤:プロジェクトチーム単位で言うと、人事メンバー間での定例会議を設けているほか、人事と広報が一緒になって行う編集会議も週1回ペースで行っており、「新卒」「キャリア」「広報」というカテゴリーごとに、お互いの記事を見てチェックする体制をとっています。

秋山:「新卒採用」カテゴリーでは、法人営業やネットワークインフラエンジニアなど、職種ごとのコース別採用で入社した新入社員のその後の活躍を追う記事で、働くイメージを深める訴求だけでなく、「よく聞かれる質問10選」など、就活生の疑問や不安を解消する記事を増やすことも意識しています。「キャリア採用」カテゴリーでは、職種ごとの課題やテーマに対して、キャリア採用で入社した社員に登壇いただき、「前職との違い」や「なぜKDDIを選んだか」などまさに転職のリアルを追及している記事が多いですね。

河村:「広報」のカテゴリーでは社内のカルチャーや技術・サービスに関するコンテンツを主に担当しているのですが、ピックアップするテーマに合わせて、社内報をつくっているチームや社内の各部門とも連携しながら制作を行っています。

寺澤:結局は、コンテンツのクオリティを担保するためにも、社内連携が欠かせないと我々は考えているのです。年次によってメンバーの入れ替わりもありますが、その時のプロジェクトメンバーが、どんな立場で、どんな役割を持って『&KDDI』に携わっていくのか、その認識をすり合わせておくことが非常に重要だと考えています。

▲キャリア採用担当・寺澤様

新たに見えてきたオウンドメディアならではの可能性


——現在に至るまでのオウンドメディアの成果として、ご紹介いただける事例はありますか?

秋山:PV数という観点では右肩上がりで推移していますが、一番はイベントや選考過程でお会いする学生の皆さんから、「記事を読んでこんなところに魅力を感じました」といった声を聞ける機会が増えたことが嬉しいですね。それから最近では、リクルータ社員がKDDIの制度や社風を紹介・説明する時に、『&KDDI』のコンテンツを活用する機会が増えているとの声が寄せられています。

河村:私自身、大学のリクルータをやっているのですが、説明会や座談会は時間が限られているケースが意外と多くて。『&KDDI』ができたことによって、例えば「福利厚生についてもう少し詳しく聞きたいです」といったご質問があった時などにも、「この記事をよかったら読んでみてください」と、ご案内ができるようになりました。当初の目的とは少しベクトルが異なるかもしれませんが、そういった補助的な活用事例も今となっては数多くあるのではないかと感じています。

寺澤:私も同じ意見で、実際にキャリア採用の場でも、『&KDDI』のコンテンツを紹介する機会は増えています。特に最近では、「KDDIは仕事の領域が広すぎて、どんなキャリアプランを描けるのかわからない」という方が一定数いるように感じています。そういった方へは、採用サイトはもちろんオウンドメディアをご案内し、前者では仕事内容や制度を、後者では社員たちのリアルな働く姿やキャリアステップの実例を知るといった活用方法をお伝えしています。

それでは、今後『&KDDI』が取り組んでいきたいこと、展望などがあればお聞かせください。


河村
:KDDIという大きな看板があるからこそ、社外の方々、特に就活生の方々からは、社員一人ひとりの思いや姿は見えにくかったのだなと、今改めて感じています。その見えない部分がしっかり見える場に『&KDDI』がなっていけたらと考えていますね。オウンドメディアならではの更新頻度の高さやコントロールのしやすさが、そういった活用にもいい意味で働くのではないかと思っています。加えて広報としては、認知の向上や応募数の増加には寄与できている実感があるので、今後はその先の内定承諾や入社後活躍、ひいてはブランディング領域でより寄与できるような、より幅広いコンテンツ・イベント施策も強化していけたらという考えです。個人的には、他の採用メディアとのコラボレーション企画や、KDDIの事業領域とシナジーのある自治体との対談企画なども実現できたら嬉しいですね。

秋山:採用担当としても、入社後のエンゲージメントにつながるようなコンテンツを充実させていきたいという考えはまさに同じです。もっと言えば、『&KDDI』に取り上げられること自体が、その社員自身のモチベーションアップにもつながるような存在にしていけたらと考えています。また別の観点で言うと、すでにKDDIを働く場として興味を持ってくれている顕在層へのアプローチは以前より進んでいる実感がありますが、他方、潜在層へのアプローチにはまだ課題があると思っているので、より多くの方に『&KDDI』の記事が届けば嬉しいなと思います。それこそ、『&KDDI』で制作したトレンドを捉えた記事が、ネットニュースに取り上げられて“バズる”なんてことがあれば、また違ったステージに進めるような気がしますね。

寺澤:『&KDDI』を見てこの会社に入りたいと思った、という方が増えてくれることが我々にとっては一番嬉しいことです。今後も採用広報活動を推進していくため、No Companyさんには引き続き“戦略パートナー”という位置付けで、このプロジェクトに伴走いただけたら嬉しいです。THINK for HRを活用したSNSトレンドのキャッチや分析、GA分析をはじめ、第三者視点での「こういった施策をしてみませんか」といったご意見も、引き続きいただけたらと思っています。

KDDI様で実施した施策について

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No Companyは「THINK for HR調査」によるデジタル・SNSデータ分析と、顧客の採用課題や目的、施策状況等のヒアリングをもとに、独自の採用マーケティング戦略を立て、ターゲット人材に選ばれるためのコミュニケーション施策を実行します。戦略策定~施策実行・PDCAまで一気通貫で全体を俯瞰した視点を持って採用プロジェクトに並走できることが特徴です。

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