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2022 今年10回以上着た服

昨年度末に掲載していた物を有料で再掲載します。

はじめに

円安だからという訳ではないが、海外ブランドの関心が日毎に減退し、ssenceやmatches等の海外ECのサイトを巡回することはほとんど無くなり、インスタでの情報収集が基本となった。そうなるとノイズが多いメゾンブランドの情報からは尚更遠ざかり、コアなショップやファンの着こなししか入り込まないようなマイナーなドメブラに関心の中心に移って行った。さらに昨年下半期から引き続き「着心地の良さ」と「生活へのマッチング」を基準に服を買ったせいなのか、今年は購入したがすぐに手放した服が一着も出なかった。それなりに尖ったアイテムも多かったわけだが、ここ数年で最も精度の高い買い物ができたと自負している。
とは言え、ベストバイ企画における今年買った服の瞬間風速的な思い入れよりも、ある程度付き合った上での冷静なジャッジと生活との関わりの方がリアリティがあるなぁと感じることしきりなので、まずは自分がその視点で今年を振り返りたいと思う。
なぜ10回以上着た、なのかはこちらの記事にて言及しているので良かったら読んでください。

The Elder Statesman スモーキングニット

いきなり部屋着。そりゃたくさん着るよ。昨年の12月に買ってからなんだかんだ4月くらいまで毎日着た。そして今年の秋冬ももちろん着ているので、実質着用日数ではダントツである。
カシミヤを甘くふんわりと編んでいて、素肌にも羽織れる肌触り。丈もケツが隠れるくらいで暖かさと取りまわしのバランスがよく考えられている。

何より鮮やかでハッピーな配色が、湿度が高くどんよりした雪国の陰気な雰囲気を和らげてくれる。部屋着として酷使し続けているのですぐ消耗してしまうかと半ば覚悟していたが、毛玉ができやすいある期間を過ぎると毛玉の量も減り、そこからはほぼ見た目も着心地も変化なく時を重ねてくれている。
気付いたら妻が着ていることも多々あり買い増しを検討している。新品だと27万もするのだが1年で200日くらい着るので、3年も経てば1日450円でサイコーの部屋着体験が可能だと考えれば高い買い物だとそれでも言えるだろうか(反語)
そもそもこの服は廃盤になったパタゴニアR2の代替となる部屋着を探していて購入した経緯があるので、そもそも屋外で着用するつもりはなく、実態としてもこれを着て日中出歩くことはしていない。寧ろ部屋着でしか着ないと決めているからこそ、裾や袖に残った毛玉やショールカラーの返りなど、街着では気になるであろうところを流せているとも言える。「この服はもうどうなってもいいや」と思ってからその服との本当の関係が始まるのだ。

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