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パキスタン「イード」

イードは正式にはイード・アル=フィトルと言い、イスラム暦の第10 月の 1日に当たり、ラマザン(断食月)の終了を祝う祝日です。イードは、世界中のイスラム教徒にとって大変喜ばしい一大イベントで、パキスタンにおいても文化的・宗教的に非常に重要な意味を持ち、家族や親戚が集まり一緒にお祝いする日です。日本でいうお正月に近いものであり、人々は新調したばかりの服を着てモスクや、親戚、友人を訪問し、子供達はお年玉を受け取ります。

イードの到来

ラマダンの終わりを告げる新月が観測されると、パキスタン全土に期待感が漂い、イード前夜は熱心な準備で活気に満ちます。バザールやショッピングセンターは、新しい服、伝統的なお菓子、贈り物を求める買い物客で賑わい、家や建物は照明や装飾品で飾られ喜びがあふれます。

新月の観測

イードの朝

イードの朝は夜明け前に始まり、家族は早起きしてこれから行われる特別な祈りやお祭りに備えます。イード・アル・フィトルは、全国のモスクや公園で行われるサラート・アル・イードとして知られる特別なお祈りで始まります。人々は祈りをささげ、祝福と許しを求め、ラマザンが無事に完了したことに感謝します。イードの祈りの後は、人々は互いに温かく抱き合い「イード・ムバーラク(イードおめでとう)」という挨拶を交わします。

イード・ムバーラク

寄付の精神

イードで大切なことのひとつは恵まれない人々に寄付をすることです。誰もがイードの喜びに参加できるようにするために、慈善活動の一種であるザカート・アル・フィトルを寄付します。寄付という行為は金銭的な寄付を超えて広がり、多くのパキスタン人が貧しい人々に食料、衣類、贈り物を配ります。

ザカート・アル・フィトル

ご馳走の楽しみ

イードではおいしいご馳走を満喫します。ビリヤニ、シーク・ケバブ、シール・クルマ(甘い麺のデザート)などの伝統的なパキスタン料理が食卓の中心となり、家族が集まり、お祝い料理の豊かな味と香りを味わいます。

イードの朝ごはん

家族の再会

イードは家族の再会と絆を強める時です。親戚や友人が集まり、贈り物を交換し、喜びを分かち合い、いつまでも残る思い出を作ります。 団結と愛の精神で関係が再確認される時です。子供達はお年玉やプレゼントを受け取ります。

家族の再会

新調した豪華な服を着る

パキスタンのイードのお祝いでは、新しい服を着ることが不可欠です。手の込んだ刺繍や装飾で飾られたカラフルな伝統的衣装が、イードの雰囲気をさらに高めます。人々は喜び、繁栄の精神を象徴する最高級の衣装を着ます。

イードの新しい服

多様性の中の統一

パキスタンのイードは、この国の豊かな文化的多様性と宗教的調和の証です。 スンニ派、シーア派、その他の宗派を含むさまざまな背景を持つイスラム教徒がイードを祝うために集まり、違いを超えて団結します。イードの精神は宗教の境界を越えて広がり、あらゆる信仰を持つ人々が祭りに参加し、寛容、思いやり、包容性の価値観を体現しています。

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