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【必読】モロッコ旅の準備【完全版】

タジンやクスクスなどのモロッコの美食

ベルベル人の美しい中世都市マラケシュ

世界中でモロッコの南西部でしか生産されない美容で有名なアルガンオイル(上の写真はヤギが木に登ってアルガンを食べている写真)

人々をモロッコに惹きつける魅力は尽きることがありません。
本記事では、これからモロッコへの旅行を考えている方に、旅行の準備や旅行中に役立つ知識を共有します。
モロッコの旅を楽しんでください。


ラバト旧市街

必ずダウンロードすべきアプリ

まず、SIMカードですが、空港に必ずSIMカードの販売カウンターがあるので購入しましょう。私はカサブランカ空港の到着出口すぐの場所にある販売カウンターでMoroc Telecom社のSIMカードを購入しました。35GB+フリーコールで300MAD(4,500円)でした。

今の時代の旅行にはタクシーアプリのダウンロードは欠かせません。

InDrive:https://indrive.com/en/home/

モロッコではUberは主流ではありません。上記のInDriveをダウンロードしましょう。できれば日本にいる間にダウンロードして、クレジットカードを登録しておくと支払に現金を使用しないで済むので楽です。現地入国してからクレジットカードを登録する場合、ワンタイムパスワードの入力等で日本の回線をオープンにしなければならないなど面倒です。

このアプリは非常にシンプルで、自分の場所と行き先を入力すると、基準価格が表示され、タクシー運転手がベットしてきます。高い評価の運転手が最も安い価格をベットしてきたら「承諾」すると、タクシーが自分の場所に向かってきます。

ただ、アカウントの売買があるのも事実でアプリで表示されている車のプレートナンバーと実際のプレートナンバーが違う場合もあります。私は運転手と軽く会話し大丈夫と判断した場合はそのまま乗りましたが、注意をしましょう。

スーク(市場)に行くと活気を感じます

旅行中の交通手段

交通手段の種類としては、飛行機、電車、バス、乗合タクシーがあります

①飛行機

国内線はカサブランカ空港経由に集中して、地方空港→地方空港が少ないので不便ですが、時間・費用を考えると圧倒的におすすめです。

上記のサイトでフライトの頻度を確認し、予約をすることをお勧めします。例えば、現時点でFes→Marrakech便は1週間に水曜・日曜の2便のみです。
電車の場合、7時間かかりますが、飛行機であれば1時間で到着します。費用も電車が250MAD(3,750円)である一方、飛行機は600MAD(9,000円)でした。

②電車

区間によっては、電車もとても便利です。
https://www.moroccotrains.com/

カサブランカ空港-カサブランカ(30分、$9)
カサブランカ-ラバト(54分、$25)
マラケシュ-カサブランカ(2時間30分、$32)
はとても便利でした。

③バス

飛行機がなく、電車が不便(なんか遠回り)な場合、バスがおすすめです。
https://ctm.ma/

例えば、ラバトからフェスに行く場合、電車は一度カサブランカに出ないといけないので、バスを使うのがおすすめです。(3時間、$12)

乗合タクシーという手段もありますが、アラビア語が話せたり、旅慣れている人でないとお勧めしません。(その代わり驚くほど安いです)

革を染色する場所@Fes

お金はどうする?

2024年3月現在キャッシュ文化です。クレジットカードが使える場所は高級なホテルやレストランに限られます。

キャッシング

VISAやマスターカードのキャッシュングを利用しましょう。現金両替所よりも結局レートが良いことが多いです。

キャッシングが利用できない設定になっている可能性があるので、旅行前にクレジットカード会社に問い合わせ、海外でのキャッシング利用が可能である旨を確認ください。

チップ

レストランやカフェなどでは合計金額の5-10%をチップするのが一般的です。

モロッコの甘味・シュバキヤ

治安

空港や駅の出口を出た瞬間にタクシー運転手が押し売りをしてくる感じや観光地でガイド案内をしつこく営業してくるのは日常です。(つまり、高く売りつけられる)また各都市に危ないエリアがあるので、必ず宿泊先で確認するようにしましょう。例えば、Fesでは「ハムサアルバイン(54地区)」という場所があり、ここは現地人も近づかないほど危ないようです。銃やナイフの危なさではなく、窃盗などの危険性とのことでした。

アトラス山脈の山中にあるベルベル人の集落

言葉

都市部の人は、若者を中心にアラビア語・フランス語・英語の3言語を話せます。シニア層でもアラビア語・フランス語が堪能です。田舎の小さな街まで行くと流石にアラビア語しか話せません、という場合もありました。
非英語圏の国の中では、語学レベルは圧倒的に高かったです。

マラケシュの夜市

Youtuber

グルメな方はこのYoutubeを事前に閲覧することをお勧めします!

宿

モロッコならではの宿はリヤドです。リヤドは古くなった邸宅をリノベーションしたもので、日本でいう町家のような感じ。値段はもちろんホステルより高いですが、貴重な文化体験ができるので一度は泊まることをおすすめします!(1万円/泊くらいから泊まれます)

Fesのリヤド

おすすめ

Fesが本当におすすめです。13-15世紀の間、首都であったいわゆる旧都で歴史的・文化的な街並みが特徴です。特筆すべきは9,000を超える小道がひしめき合っている点で、車は一切通れません。まるで当時にタイムスリップしたような感覚になります。
私は気に入りすぎて滞在を3泊延長しました。
逆に、期待値に反してがっかりなのはマラケシュです。一言でいうと、観光地化し切っている感じです。押し売りもすごいし、物の値段も高く、それでいて質は高くない。歴史都市観光地化の失敗事例と言っても過言ではないと思います。

伝統料理 タジン

モロッコで感じたこと

①フランス語の強いプレッシャー

モロッコの若者は3言語が話せることが当たり前である一方、話せなくてはならないプレッシャは異常だと現地のフランス語教師が話していました。

「大学進学にも就職にもフランス語のハイスコアが必須になっている。言語が得意な人や好きな人は良いが、理系学生には本当に苦痛。モロッコは数学や科学が得意な人も多いのにフランス語が障壁となって立身出世ができない。自分自身がフランス語教師なので逆説的だが、国にとって本当に良いのか疑問だ。」

②敬虔なイスラム教徒

これまで、トルコ・イラン・サウジアラビアといういわゆるイスラム系国家を訪問しましたが、一番イスラム教に敬虔であることを感じました。というのは、どの国も若者を中心に宗教離れが進んでいますが、モロッコは違いました。
ちょうどラマダンが始まったタイミングでしたが、「ラマダンどう思う?」と聞くと、「すごく興奮している。」「毎年楽しみ。」など肯定的な意見が多数聞かれました。その背景としては、断食が健康に良い、体を一層鍛えられる等SNSを通じて肯定的なブランディングに社会が成功しているように思えました。

③不景気と厭世観

世界的な物価高の煽りは当然ながらモロッコにも直撃しており、現地で知り合った高校生・大学生は卒業後に欧州へ移住することをほぼ100%希望していました。「合法的に移住できなければ、違法であってもボートに飛び乗ってイタリアに行く。」という話はとても印象的でした。

Fesの伝統工芸(真鍮ランプ)

おわりに

スペインまでフェリーで1時間の距離にあるTangierを中心とした北部、旧都Fes、首都のラバト、経済の中心であるカサブランカがある中部、Marrakechから南のベルベル人が多く居住する砂漠地帯(南部)など、モロッコは地域によって本当に文化が多様でした。
一方、欧米からの観光客が押し寄せており、思ったより「欧米化」していたのも印象的です。
経済のために「欧米化」することは今や不可避でありますが、ラマダンをしっかりと遂行する敬虔なイスラム文化が今後も続いていくことを祈っています。

執筆者の情報はこちら
最近の推しはイランです。
https://www.instagram.com/oji_japon/

日本文化を次の世代に残していく活動をしています。
https://bun-kei.com/



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