採用において、「もっと良い方がいるはず!」は要注意!内定提示のためのステップを公開します
「面談 / 面接を重ねて、当社がどんな方を採用したいか、やっとわかってきました!」
採用の支援をしている中でこういったお話をいただくことが度々あります。
1名採用するにあたって必要なカジュアル面談数の市場平均は32件と言われていますが、面談や面接で求職者様と会えば会うほど、 もっと良い方から応募があるのではないかと考え、市場価値の高い方を「お見送り」もしくは「キープ」してしまうケースをまれに見かけます。
最終的に採用できれば良いと思うのですが、この場合、うまく採用できず、キープしていた方に内定を出しても承諾を頂けず、他の企業に入社を決めてしまうパターンになることが多いです。
そして最悪なケースでは、その後さらにマッチする求職者様とお会いできても、キープしていた方と比較をしてしまい、いつまで経っても採用に至らない。そんな末路もあるのではないでしょうか。
なぜこのような事象が起こってしまうのでしょうか。
今回のブログではそのような事象の要因を紐解いていこうと思います。
※このブログでは、母集団形成の方法や採用手法については触れていません。
1. 応募が集まっている背景
採用市場が激化している中で、なぜ今応募があるのか、まずはそこから考えていきたいと思っています。
その背景を考えた時、以下4つの背景に 当てはまるのではないでしょうか。
上記を一つずつ詳しく説明していきます。
1-1. 採用手法
媒体を使った採用活動が一般的だと思いますが、新しく媒体を使い始めた場合、既存登録者がまだ存在しますよね。(ただし、利用媒体の選択が正しかった場合ですが。 )そのため媒体を使い始めてすぐのタイミングでは、 想像以上に応募が集まるケースがあると思います。
1-2. 必須要件
求職者様に求める要件がそこまで高くなかった場合も、応募が集まります。たとえば、エンジニアを採用する際に、「未経験」「スクールご卒業の方」でもOKとするのであれば、母集団は多く存在しますし、求職者様にとってもありがたい就職先になると思います。
通常転職市場では、
このようなギャップが存在しますので、要件が高くない募集に対して応募が集まるのは必然的だと思います。
1-3. 魅力設計
少々戦略的な話になります。
ターゲット層に合わせた魅力設計ができていれば、応募が増えると思います。
例えば、貴社がWeb系のベンチャー企業で、同じWeb系企業で経験を積んだバックエンドエンジニアを採用したい場合、そのターゲットの転職理由は下記のような内容が考えられるのではないでしょうか。
このような理由に対して、貴社の魅力を訴求できていることが理想であると考えます。
もしこのケースで母集団が形成できている場合、どこがどう求職者にうまく刺さったのか、振り返ってみると良いと思います。
1-4. ネームバリュー
これまで述べてきた、「媒体選択」「要件」「魅力を作る」とは関係なしに募集が集まるケースがあります。
ほんの一部の企業様に当てはまる話になってしまいますが、GAFAのような企業であれば応募が集まりますよね。採用活動をスタートさせて、母集団が出来上がり、面談や面接の回数が増えてきた。それはものすごく喜ばしいことだと思います。
しかし冒頭でお伝えした通り、
と思い込んでしまうケースがあるのです。
もちろん、「1-4. そもそもの魅力がある」が理由で募集団が集まっているのであれば、自然に応募が集まりますので今後の採用活動にも特に心配することはないと思います。
また、貴社の事業が成長を続けている場合、1年前と現在で求職者様の目線が上がることはごく自然なことだと思います。
ただ、とりあえずもっと良い人に会えるかも!と思いこみ、採用活動を続けることは危険です。その状態では、いつまで経っても内定を提示する決意が出ません。
2. 応募が集まっているのに内定を提示する決意ができない背景
ではなぜ内定を提示する決意が出ないのか。この章で述べていきます。
2-1. 計画 ~ 採用戦略を正確に立てていないから ~
”いつまでに何名採用したいのか” しっかり決まっていますでしょうか?
その気持ちもすごくわかります。
ただ、” いつまでに何名採用 ” という期限が決まっていないから、今お会いしている方の中から内定を提示する決意ができないのだと思います。
(もちろん、今お会いしている方の中から無理に決めましょうという話ではありません。)
2-2. 準備 ~ 正直要件が決まっていないから ~
さすがに要件が決まっていないことはないですよ、という声が上がりそうですが、ここでいう「要件」とは、求人票に記載のある必須要件・歓迎要件のことだけではなく、プラスαの要件を意味します。
カジュアル面談や1次面接で見るポイントは企業ごとに異なると思いますが、大枠以下の3つに当てはまると考えています。
この3つのうちどの要件を重要視するのか決まっていますでしょうか。
要件が決まっていない、つまり絶対比較ができていないことを意味します。
これでは確かに、もっと高い要件を求めてしまいますよね。
2-3. 実行 ~ 採用への理解が薄いから ~
もっと良い方に会えるはず!と思う背景は、この理由が一番当てはまるかもしれません。
2つの視点からお話ししていきます。
A. 市場視点:
激化する転職市場の中で、求職者様が貴社に興味を持ってくれる確率って本当に低いのです。
しかし、著名な企業から独立や転職した方は、前職のイメージのまま採用活動をしてしまうことが多くあります。その場合、前職だったから採用ができていた、という視点が欠けてしまうケースがあります。
B. 媒体視点:
1-1で媒体に求職者様の登録が潤沢であるお話しをしましたが、採用活動を続けていれば、必ず「枯渇」という壁にぶつかります。
採用活動や媒体の利用を初めてすぐの段階では、気づかないかもしれませんが3ヶ月以内に枯渇するのは必至です。
ここまで「応募が増えているにも関わらず、内定を提示する決意が出ない」背景をお伝えしてきました。
では、もし少しでも当てはまる点があった企業はここからどう進めていくのが良いのでしょうか。
次の章で見ていきます。
3. どうすれば内定を出す決意ができるのか
2で述べた「計画 / 準備 / 実行」をもとに考えていきます。
3-1. 計画 ~ 採用戦略を立てる ~
採用戦略とは、
この3つが決まっている上で、この人事戦略があり、採用計画が決まると思います。
その採用戦略をもとに「いつまでに、何名」採用をするべきなのか。
そして本当のデッドラインはどこなのか。しっかりと決定していただくと良いと思います。
3-2. 準備 ~ ペルソナ設計をする ~
採用要件が大切というお話をさせていただきましたが、
を踏まえて、ペルソナを設計してみてください。
3-3. 実行 ~ 適切な採用手法の決定 ~
2-3. でお伝えした、「市場視点」と「媒体視点」両方を踏まえ採用手法を実行してみてください。
A . 市場視点:
採用の要件は決定したものの、その要件と市場にいるかどうかがずれている場合も多々あります。
これもベンチャー / スタートアップによくあることですが、代表やCxOクラスが、創業当初のカオス期を支えてきたメンバーと同様のスキル感を求めているケースがあります。正直に言って、転職市場からそのクラスを探すのは不可能に近いと思います。
もし、転職市場に存在していても貴社にジョインする確率はかなり低いと考えて良いでしょう。
B. 媒体視点:
決定したペルソナであれば、どの媒体での募集が適切か。
さらに媒体が枯渇した場合、そのまま媒体を使うのか。他の媒体に切り替えるのか。または媒体以外の採用手法が好ましいのかどうか。
考えていただくと良いと思います。
最後に
皆様ここまでご覧いただいて、いかがでしたでしょうか。
採用戦略や採用の要件を決める前に、とにかく採用をしなければならない!と動き出してしまっているなと気づいた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
改めて最後にこの流れだけでも覚えておいていただけると嬉しいです!
ただでさえ工数が少ないベンチャー / スタートアップの採用活動が無駄なものにならないよう、しっかりと計画を立ててから適切な採用活動を行なっていただければ幸いです!
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