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【興味本位】ドラム関連の語源を調べてみました

僕は音楽系のサブスクサービスではSpotifyをメインで利用しています。これと言った理由は特にありませんが。

ここ最近、”Podcast”という言葉を耳にする機会が増えたのではないでしょうか。
僕はもはや曲ではなくPodcastしか聴かなくなってしまっています。
バンドマンとしてどうなんだろうか。

そんな僕の直近のお気に入り番組、「ゆる言語学ラジオ」。↓


1ヶ月で最新話まで完走し、2周目に入るくらいには好きな面白い(興味深い)ラジオです。
同じ内容がYoutubeにも上がっており、聴覚だけでなく視覚情報も使ってより深く知りたい人にとってはなんともありがたく、痒い所に手が届くコンテンツだなぁと思っています。



本題はそっちじゃない。

そっちじゃないけど、「ゆる言語学ラジオ」の影響は少なからず受けています(断言)

今回このテーマで書こうと思った明確な理由がありまして。

ドラム用語でドラマーが座る椅子のことを「スローン」って言うんですが、この「スローン」の意味が「王位、玉座」だとラジオで一瞬だけ話されていたんですね。


え、俺が普段座っている椅子ってそんな格式高い意味があったの???

もう今後生半可な気持ちで座れませんね、これは。相当気が引き締まる。

・・・とまぁこのように、1つの意味がわかったら他のも調べたくなるじゃないですか
そういうわけで、僕なりに様々な資料を漁ってその名前の由来とか語源とかをまとめてみました。それでは↓。

調べる上で情報が公開されていないものも中にはあります。
そういったものは、今回取り上げられていない場合もあるので悪しからず。



・ドラム

まずは大元の言葉から紹介していきましょうよ。

"Drum"の語源は、英語の"drumme"という言葉から来ています。その後、"drumme"は"drum"に変化しました。"drumme"は中世のラテン語の語彙"drumma"に由来し、"ドンドン"という音を意味していました。

https://tentan.jp/word/drum


めっちゃシンプル。

擬音語が転じて名称になったパターンですね。

また、英語表記で”drum"と"drums"の2パターンを見かけることがあると思います。
これの違いは、調べたところ複数形か否かでした。
言われてみれば当たり前ですよね。基本的にドラムセットはどれだけシンプルなセッティングにしても、ハット・スネア・キックという3点は必ず残るわけですから複数形のSが付随するのも頷ける。

また、単数表記の”drum”は派生して”鼓笛隊”の意味も持っているようです(drum and fife corps)。


最後に余談ですが、お酒・飲料大辞典によると"drum"はスコットランドで、ウイスキーの一杯分を指す用語とのこと。


・ハイハット

ドラム関連の語源で1番電撃が走りました。


このドラマガが出している記事に、ハイハットの原型となったロー・ソック・シンバルが掲載されています。

勘のいい人はもう気づきましたか?


このロー・ソック(Low Sock)の高さを上げて、より様々な表現をするために進化したのがハイ・ハット(Hi-hat)。


そうなんです。

Low-Sock(低い靴下)に対する、Hi-hat(高い帽子)なんです。

もうこれすごくないですか???
ただ高低差の表現だけじゃなく、それを人間が身につける服と関連づけるなんて。ここ数年で片手に食い込む感動もの。
こういうのなんだよな、語源とか歴史を調べる楽しさは。


・シンバル

ハイハットもシンバルの仲間ではあるのですが、ビートの主体を構成する3点に含まれることから、他のシンバルと明確に役割の線引きがされているため分割する方が好ましいと判断しました。
あと語源面白すぎるからトピックを分けてまとめたかった。

シンバルの語源は皿や器にも似ている形状のため、「カップ、ボウル」を意味するラテン語から派生したと言われています。
また紀元前7世紀には、古代ギリシャやローマの絵画や聖書などで存在が確認されています。
古代では宗教との関連が強く、政(まつりごと)でよく使われていたそうな。

シンバルの中でも"クラッシュ"シンバルは”衝突”のclashから。
”ライド”シンバルは「ライド・ビート(ビートを乗せる)」ドラムセット創成期におけるjazzにおいて、このシンバルを鳴らしてリズムパターンを演奏していたことから。


トルコのイェニチェリで発展した「メフテル」という軍楽で使用されていた現代シンバルの原型である「Zil(ジル)」が元となっています。この「ジル」を作ったのが当時トルコの錬金術師であった「アヴェディス1世」であり、オスマン・トルコ皇帝から「シンバル職人の息子」を意味する「Zildjian(ジルジャン)」という称号を授かります。これが世界初のシンバルメーカー「Zildjian」が誕生した瞬間です。

初心者必見!シンバル基礎講座《シンバルの種類》



まさかのおこぼれ語源うんちくに思わずにっこり・・・

シンバルの語源調べていたらそのままZildjianの歴史に合流するなんて、なんとも嬉しい誤算。いいぞ、楽しくなってきたぞ。



・スネアドラム

よく「スネア」と略される3点を構成する一員。「スネア」ってなんですか?

小動物を捕まえる為の輪っかの縄で作られた罠(わな)、との意味で、そこに由来して、誘惑(ゆうわく)、落とし穴、などとの意味でもあるとの事。また医療の世界では、内視鏡などに付けてポリープなどを切除する金属製の輪、との意味。今回の音楽の世界で使われる場合は、スネアドラムの底面に取り付けられた「響線(ひびきせん)」「スナッピー」と言われる、金属製のコイル状になったパーツになる

そもそも「スネア」とはどういう意味?英語で「Snare」と記述するとの事。


本来の意味は動物を捕獲するための「罠」
想像の範疇を超えてきたなぁ、面白い。
そしてそこそこの多義語なんだね、君は。

また、スナッピーがついている太鼓を「スネアドラム」と言うため、大きさは特に関係ない模様。
てことは理論上、バスドラにスナッピーつけたらそれもスネアになるのか。


・・・ちょっとデカすぎるな。


・タム

「タム」と言ったり、人によっては「タムタム」と言われますね。
クラシックの打楽器奏者は銅鑼のタムタム(tam-tam)と区別する目的で「トムトム」と呼ぶようです。

語源としてはスリランカで使われているシンハラ語に由来し、単純に「tom-tom(トムトム)」というと「子供用の太鼓」を意味するとの事。
タムは通常小口径のものが多いってことを考慮すると、子供用の太鼓という意味も納得。

古くはネイティブ・アメリカンによって通信手段として使われていた過去もある模様。

法螺貝的なやつかな。




今回は一旦ここらで終了とさせて頂きます。
バスドラとかフロアタムの説明が無いって?


・バスドラは、低音を表す”bass"+"drum"
・フロアタムは、床置き”floor”のタム


つまんないから意味の想像が容易だったため省きました。


余談なんですけど、クラッシュシンバルを調べていたら当然英単語の“clash”が出てきまして。

“clash” と “crash” と “crush”


似すぎじゃない???

clash:衝突する、色が調和していない、意見が対立している
crash:衝突したものが壊れる、呼ばれていない行事に押し掛ける
crush:押しつぶす

受験期に単語王であまりの覚えづらさに苦戦したいい思い出。
まぁでも日本語も大概か。類語なんてわんさか出てくるし。


今度はTAMAとかPearlとかのメーカーの名前の由来調べてみようかな。

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