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デスボイスが使われた音楽は全てメタル?

2022年もいよいよ佳境。12月に入ってから面白いくらい季節切り替わって寒くなりましたね。

つい先日、高校まで仲良く集まっていたメンバーの1人に急に招集がかかり1年ぶりに顔を合わせてきました。
そこで現在のバンド活動の話などをしている際にこんな話題に。

「お前のMV見たけどメタルやってるの?」
→多少曲によってはメタル要素はあるけど、メインでメタルはやってないよ。
「だってあの曲デスボイス入ってるじゃん。デスボイス入ってる曲は全部メタルでしょ?」

その知り合いは、敢えて言うなら「音楽素人」です。メタル系のジャンル、なんならクリーンボーカルの曲しか聴いたことがないかもしれない。

まあこういう反応をされても仕方ないです。日本でのメタルやデスコア市場はポップスなどと比べたら圧倒的に小規模ですからね。


僕はこの知り合いの言葉を聴いた時は衝撃的だったし、それと同時に非常に新鮮な気持ちを味わえました。

「デスボイスで歌ってる曲は全てメタル」、いや新鮮だなぁ。



ということで、今回はなぜ僕の知り合いがそのような思考に辿り着いたのかを考察していこうかなと📝。




話を展開する前に、まずそもそも「デスボイスとは何か」について定義づけていきましょう。


デスボイスなので、death(死)voice(声)なのかと思いきや、もともとはディストーションボイスの略語のようです。ディスボイスがなまってデスボイスと言うようになったのではという意見、そして、デスメタルからとってデス(メタルの)ボイスになったのかも意見があります。

以下リンクより↓


ディストーションボイスが語源らしいですよみなさん。僕も初知りです。はぇーとか声出ちゃいました。言われたら納得。諸説あり。

ともかく、今回のnoteで「デスボイス」は、「グロウルやガテラルなどを全てひっくるめた歌い方の総称」として扱います。


歌い方?
そう、歌い方。

ただの歌唱法、発声法の1つ。コブシだったりビブラートだったり、はたまた裏声みたいなグループの中の1つ。
普段デスボイスを聞かない人は「特別な何か」と感じている節あるんじゃないかな。



また、世間一般(今回登場した知り合いも含む)では、

デスボイス=メタル
デスボイス=悪魔、怒り

と紐づけられることも多いのではないでしょうか?


デスボイス=メタル

わかる。僕自身も固く紐付けされているので。

既出の記事のリンクにも書いてあるように、メタルやハードロックなどで使われていることが多い手法であるためこの紐付けが出来上がることはもはや必然。


でもSiMは?ベガスは?夕闇は?
彼らもデスボイス使用してますけど「メタルバンドですか?」と質問されたらどうですか?


多分ほとんどの人は「いいえ、違います」って答えるんじゃないかなぁ。
これも僕の感覚だから「はい、そうです」が過半数かもしれないけど。

僕がこの質問されたら質問返ししちゃうかも。
「その質問をするということは、SiMがメタルバンドだとお考えだからですか?
SiMがメタルバンドだという理由を聞かせてもらってもいいですか?
てか何でメタルなんですか?彼らは自身でレゲエパンクバンドって公言してますが。
全然違うじゃないですか。スラッシュメタル四天王聴いてから出直してきてもらっていいですか?」



・・・偏屈だなぁ。笑



次。デスボイス=悪魔、怒り

これもわかる。だって子供の時に遊んでたゲームのボスとかこういう声してたもん。

でも1点勘違いしないで頂きたいことが。


デスボイスだからといって、その曲が表現したいことが「怒り」だけとは限らないよ。

怒って聞こえる、破壊の限りを尽くす悪魔に聞こえるかもしれない。
でも、全ての曲が怒り一辺倒なほど単調なものではないことは頭に入れておいてほしいです。

怒りだけじゃないことなんてどこで判断するんだよって?
歌詞だよ。歌詞こそがその曲で伝えたいこと全てを物語っている。英語くらいは自分で調べなね。




いかがでしたか?
デスボイス=メタル、怒りのみではないことが伝わりましたか?

そういう印象は強いけど、音楽、特にバンド界隈では幅広く使用されていることを知って頂ければ、僕の今回のnoteの目的は達成です。

バンドをしている僕でも紐付けが固いから、知り合いの音楽素人から「全てメタル」という言葉が出るのも当然の結果ですね。


デスボイスということで、最後に世界のヤベェスクリーマー(語彙力)を紹介して終わります。計3人。

アメリカのデスコアバンド、Lorna Shore Vo. Will Ramos。
この動画を見れば彼のエグさが十分以上に伝わります。

グロウル、ガテラル、トンネルetc…内容盛りだくさんです。
「声で殴られる」という不思議体験を是非。


派生でこちらは「Will Ramosの喉は発声中どうなっているのかを知るために、医療関係者が鼻からカメラを入れて彼の声帯を観察する」といった興味深い内容。


ロシアのデスコアバンド、Slaughter to Prevail Vo. Alex Terrible。
彼のガテラル練習動画です。こちらもなかなかなエグさ。見た目もインパクトデカすぎるんだよなぁ。笑


待ってましたという声が聞こえてきます。日本発 Crystal Lake Vo. Ryo Kinoshita。

彼は日本の宝です。国内では群を抜いた殿堂入り級の声の太さ。
この動画は2019年スペインで開催されたメタルフェス Resurrection Fest のもの。

動画の7:30あたりを見て震えてください。

9月末に脱退してしまったことが非常に残念。



今回は以上!それではまた👋。


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