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機材のイロハVol.6~ミュートに対する考え方~

音楽をやっている方なら1度は聞いたことがあるでしょう。今回は「ミュート」についての僕なりの考え方をまとめようかなと。

※今回取り扱うミュートは「太鼓のミュート」です。
シンバルのミュートは取り扱わないので悪しからず。




一般的に「ミュート」という言葉は、主に”消音”の意味合いで使われることがほとんどですね。
コロナ禍に入ってたくさんの人が取り扱うようになったZoom。
ここで一気に「ミュート」という言葉が身の回りに広がったような気がします。

では音楽の世界、特にドラムでの「ミュート」はどうでしょう。
個人的には”音を消す”というより、”音を削ぐ”の意味合いが強いように感じます。

いやね、”音を消す”って意味も間違いじゃないんよ。もちろんね。
でも個人的には”消す”って言葉を使うと、音全体(必要な音も不要な音も全て)を0にするって意味に聞こえちゃうんですよね。そうじゃない。

ドラムのミュート、タオルなりガムテなりリングミュートなり。想像してみてください。無音にはなってないよね?
余計な倍音がカットされていたり、耳に刺さるようなHighの部分がカットされていたりはするけど音はしっかり出ていますよね?


つ ま り


ドラムにおける「ミュート」≒ EQってことじゃない?
だ、か、ら、”音を削ぐ”って表現の方がより的の中心を射ているんじゃないかなぁ。
特にスネアに対するミュートはEQとしての効果が顕著。

スネアはドラムセット(太鼓類)の中で最もHighの帯域が出やすい楽器。
目立つHighの帯域をミュートで削ることで、相対的にMidやLowの帯域が前に出てきて途端に聴きやすくなります。

余計な倍音カットだけでなく、考え方によってはEQのような働きも出来るミュート。試す価値はあるでしょうよ。

すっっっっっごい個人的な好みを言ってしまうと、スネアをHighピッチにしている人はチューニングを全ボルト1回し分落として欲しい。
フロアで聞いてると本当に耳が痛くて、とても聞いていられないんだな。
バンドサウンドとの兼ね合いも考慮した上で、今一度見直して欲しい。



よし、スネアのミュートはわかった。タムはどうするんだ?


まぁまぁ、そう焦りなさんな。ちゃんと書きますから。


タムに関しては、EQというより倍音カットで使用することがほとんどです。
なんせタムやフロアはスネアと比べたらローピッチになりやすい分、叩いた時のヘッドの揺れが落ち着くまで時間がかかりますからね。

そもそも僕がなぜミュートを使うかと言うと、オープンサウンドよりタイトサウンドの方が好みだから。個人的に倍音はそこまで必要としていない。

(とは言っても、単純にオープンサウンドの音作りが上手く出来ないからミュートに頼っている側面もあるというのはここだけの話)


見えますか?タムとフロアにピンクのジェルミュート置いてるの。
置いているのはこちら↓

基本的に僕はタムには1番小さいサイズを表に2個、裏に1個。フロアには1番大きいサイズを両面1個ずつと表に中サイズを1つ乗せています。
乗せている場所はRemoのロゴのあたりに1つと、もう1つはその対角に置いていることがほとんど。


Q.なぜジェルミュートを使用しているのですか?
A.ミュート具合が好み&取り扱いが楽だから。


ミュート加減はタオルでもガムテでも調整できますが、なんせジェルミュートは取り扱いが本当に楽。置くだけでいいんだもん。
置く数、位置を変えるだけでもまたミュート感は変わってくるし。

特にガムテだとスタジオや箱のセットに貼りっぱなしというわけにはいきませんよね。
また、1度貼ったら他の場所に貼り替えて試すのが本当に億劫(経験談)。

なんだ、怠惰なだけかなんて発言はしてくれるなよ。


またミュートをして余計な倍音をなくすことで、PAさんが音を作りやすくなるというメリットもあります。

なぜか。

ミュートをしていないドラム本来の音は、言ってしまえば「濁っている状態」。
ドラムとは、ヘッドのやらボトムやらシェルやら反響やら、様々な音が本来は混じって鳴っているもの。
その混じった音を調整するのはPAさんにとっては手間がかかるわけです。
そりゃそうだよね、音の分別をしなきゃいけないわけだから

そこでミュートを効果的に導入することで、あらかじめ音の分別ができた状態でPAさんに渡すことが出来るというわけ。

既に分別されているなら他のことにも気が回せるし、無駄なものがないからその分作りやすくなる。
俗に言う、「マイク乗りがいい」の要素の1つになるわけです。

まぁそもそもチューニングが定まってなかったらミュートなんてしても効果は薄いんですけどね。




今回は以上!
どうですか?ミュート。試したくなりましたか?
是非とも買って試して悩んで沼にハマりましょうね(?)。

それではまた👋。



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