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電子ドラムが孕む危険

「ドラム」という楽器は、自宅で練習することが非常に困難な楽器です。

理由は簡単、2つのデカすぎる問題。
①生音がデカすぎて近所迷惑になる
②サイズがデカすぎて家や部屋内に置くスペースがない

基本的にドラマーのスタジオ以外での練習環境構築はめちゃくちゃハードモードです。
家でもパッドを使って練習は出来るけど、いかんせんそれだけでのドラムスキルアップは限界がある。相当早い段階でね。



そんな問題を解決するが如く降臨するのが、今回のテーマ「電子ドラム」です。

・圧倒的消音性
・圧倒的軽量化
・圧倒的省スペース

存在を初めて知った時は革命かと思いましたよ。家で”ドラムセットでの練習”が出来るなんて。

ちなみに僕が現在使用しているのはRoland TD17


・・・でも今回は電ドラを薦めるようなことを書きたいんじゃあない。
「自宅で練習出来る」という夢のような側面がある一方、致命的な弱点が1つ。



「出音が均一化」されてしまうこと。



・生ドラムのような革のヘッドじゃないからタッチやリバウンドの感覚が身につかない
・集合住宅の場合、消音だけでなくペダルの振動問題も解決する必要がある

そういった弱点もありますが、1番の弱点は出音の均一化でしょう。


出音が均一化されることの何がまずいのか。

変な叩き方をしても綺麗に音が鳴ってしまうこと。これが本当に良くないところなんですよ。
どんなに強く叩いても音が潰れないし、一定以上の力でセンサーに反応させたら毎回同じ音が鳴る。

これが電ドラだと「表現力が乏しい」と言われる要因です。


わかりやすく伝えるためにこう書きましたが、ひとえに”変な叩き方”と言っても色々タイプが分かれまして。
・ストローク不安定型
・全体的に音が小さい貧弱型
・力任せにぶっ叩きまくるパワー型などなど

これらを均一化してくれるから危険だと考えているわけです。
音も良いし何なら自分の好みの音を選んで使えるから、さながら自分が良い音で叩けている、ちゃんと叩けていると錯覚してしまう可能性が発生するんですね。

個人的に”出音の均一性”、”出音の大きさ”っていうのはドラムにおいて最も基礎的な部分であり、ドラマーとしての1番重要な要素だと思っています。

今まで色々なプロドラマーの演奏を観てきましたが、総じて言えるのは全員出音が大きいし綺麗。1音での説得力がまるで違う。

その1番基礎的で重要な部分を養うためには、「電ドラに頼りすぎないこと」が鍵になるのではないかと。




危険を孕んでいるからと言って電ドラアンチというわけではありません。
実際多少なりとも叩きづらさはあるにしろ、エアドラムよりは全然練習になると思います。
可能な限り生ドラムで叩くのが最適解ですが。


・・・と言ってる僕自身最近電ドラすら叩けていないんですがね🤫。


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