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【400字小説】熊谷で会いたくない

アフロディーテギャングになりたいって、
一行のLINEを送りつけてきた
雲の彼方のお前に返す言葉はない。
犯罪者であることに間違いない。
一ヶ月、ずっと舐達麻を聴いてるくらいだから
沼ったと言っていいけれど、
だからって移住するには早すぎないかい?

ありがとうの数だけ別れはある。
お前には世話になりっぱなしで、
礼のひとつも返せてない。
俺も俺なりにお前に尽くした。
スタバしょっちゅうおごってやってたし、
飲みにも連れていってやったじゃない。

長野からわざわざ新幹線に乗って
東京のお笑いライブに出ていたお前が、
天にでも登ったつもりかよ。

恥を知れ。

俺だってなれるんなら、地元まで駆けつけるさ。
でもヒップホップで人生を棒にする覚悟はない。
お前はあったのか。
雲の隙間からおまえの顔が見えるぜ。
負け犬の目をしやがって、俺にはわかる。
お前に何がわかる。
まあ、こんな俺の戯れ言を聞いて
後悔してるようじゃ、話にはならない。また会おう。

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