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キングオブコント準決勝

敗退して、ダマを決め込む1週間の後、ナルゲキの舞台に映し出されたYouTube配信を袖から見たのをもって、いよいよ正式に敗退した。
録画した映像ではあるけれども、トッパレを見に来ていた満員のお客さんが息を呑む雰囲気は新鮮に張り詰めてて、進出した人に送られる拍手は新鮮に分厚かった。
拍手、ああなんと気持ち良いだろうと、おもしろコメディ一本道を歩んでいくには少々さもしい願望かもしれないが、やっぱりこの分厚い拍手をいただける人生が良いなァと、決意を新たにしたのだった。なんだ「したのだった」って、数日しか経ってないけれどもなんかもう結構前の出来事のようで、ほんと「したのだった」って感じだった。

全然太刀打ちできなかったかというとそんなことはなかったと思うし、かといってものすごく惜しい、あと数mm足りないだけだったかというとそんなこともなかったと思う。 めちゃめちゃリアルな雰囲気だった。ホームでもアウェーでもない、めちゃめちゃお笑いの濃度がみちみちとした空間でどっぷり贅沢に品定めされ、そこそこには楽しんでもらえ、10組には選ばれなかった。めちゃめちゃリアルだった。
呼ばれなかった瞬間はもちろん悔しかったけれども、ほんの数分ほどで「確かになあ、まあそうかあ」と腑に落ちてきて、ほんの数分ほどで腑に落ちてくるあたりまだまだ決勝に立つ資格がなかったのかもしれないなァとスピリチュアルに結論づけた。
ファイヤーサンダーさんとラブレターズさんが続けて呼ばれてめちゃめちゃ泣きそうになってしまって、次いでニッ社さんが呼ばれてキリッと切り替わった頃にはもう遅く、そうこうしてたら10組目のサルゴリラさんまで呼ばれ終わった。サルゴリラさんが呼ばれた瞬間に、悔しさと、「確かに!!」が湧き上がる感じ、すごかった。
最初に泣きそうになってしまった時点で進出の可能性が消えてしまった。元を正せば1ヶ月前、準決勝に進出した画像を見た瞬間に泣きそうになってしまった。その時は「泣いたら決勝に行けない!」と思って我慢したけど、結局まあ、ずっと泣きそうになっていた。


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