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ぷよ最

ぷよぷよ最強リーグ、今日は久々に1部リーグの二本立てだったのでウキウキしながら見た。今日戦っていた4人を4人とも応援していたから、2人は勝って嬉しかったけれども2人は負けてしまって残念だった。中盤戦をしのいでしのいで解き放った15連鎖も、一瞬の隙を突いてぶっ刺した単発も同じくらい痺れた。スーパープレーの後に飛び出したガッツポーズも、不本意なミスの後に曇る表情も等しくかっこよかった。
あれだけ思い通りにぷよを積み重ねられたらどれだけ楽しかろう。相手の盤面の動きを見て咄嗟に自分の連鎖を短くできたらどれだけ楽しかろう。変な場所からの緊急発火も、素人のやぶれかぶれではなくて、自分の連鎖を信じた末に崖に飛び込む感じ、ともかくかっこいい。


おもしろ最強リーガーたらねばならない。造作もないことのように、方向キー下押しっぱで15連鎖を積み上げるかのように、全部当然だよという顔で、さりげなく面白いものを解き放たねばならない。おもしろ最強リーガーたらねばならない。
違う分野の人がもりもり活躍しているのを見ると、どうにもベクトルの大きさを意識してしまうというか、「僕だってこれぐらいすごい存在じゃなきゃダメだ!」と思いがちなんだけれども、それもそれで表面的な見栄にとらわれているようで恥ずかしい。
かっこいい人は大抵黙って、ええかっこをせず、自分の本分に真摯に向き合っている。やるべきことをやっている。
最強リーガーはみなかっこいい。すさまじく高い視点から発せられるぷよぷよへの至言は、ぺーぺーからしたら3割も理解できているか怪しいが、どこか真髄にほんのり触れるような含蓄がある。そう、どの世界であれ、本物が発する言葉には大抵、ほんのりとだけ香ってくる含蓄がある。香らせようとはしていない。どうにも香らせたがっている自分を感じたら、いったんすべて忘れて無臭にならねばならない。



僕にぷよぷよを教えてくれた人は今日めちゃめちゃ熱い深夜ラジオに向かう。ぷよぷよがめちゃめちゃ面白いもんだからつい僕は最強リーグを見惚けてしまった。僕が見惚けている間も、僕の先生は日々慌ただしくしている(僕からはそう見えている)。

ぷよぷよの話がしづらくなるのが怖い。怖がるポイントはそこじゃないのかもしれないし、突き詰めると本質的な恐れはもっと分かりやすくて心苦しいものなのかもしれないけれども、今はただ漠然と、ぷよぷよの話がしづらくなるのが怖い。今まで当然のようにそこにいた人と渋い喫茶店に行けなくなったり、カラオケに行けなくなったりしたみたいに、ぷよぷよの話がしづらくなるのが怖い。

せっかく見惚けてしまったのだから、得るものは得ないといけない。一つに、ぷよぷよのスーパープレー、最高到達地点、理想、夢、そういうもんから刺激を受け、自らのプレーのモチベーションにすること。もう一つに、お笑い最強リーガーたるスピリット、黙々と大連鎖、おもしろ10万点を積み込むマインドセットである。
今日はじっと友達のスーパープレーを待つ。僕は小技をはさみながら本線を積み上げる。

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