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キューバの田舎の素敵な自然と人々。そして、キューバが好きになった。

 キューバの首都ハバナに数日滞在した後、ビニャーレスという町に向かった。観光客が多く訪れる小さな町だ。自然豊かな風景、タバコ、ハチミツが有名らしい。バスから降りて、民泊のお家まで歩いて向かう。「あ、たぶんこの町好きだ。」そう直感した。こじんまりとした民家があり、田舎なのでゆったりとした雰囲気。ハバナのように殺伐としていない。道は舗装されておらず、赤土の道だけど、それがまた素朴でいい。バスから降りた時は数名の客引きに声をかけられたけど、それ以外は声をかけられなかった(そもそも歩いている人が少ない)。
 民泊のお家に着くと、お父さんが優しく迎え入れて、マンゴージュースをご馳走になった。乾いた喉に染み渡る。キューバで美味しいものは果物だ。100パーセントジュースがよくある。家の庭にはマンゴーやコーヒーの木などが植えてある。そして、豚も飼っていた。自分たちで食べたり、知り合いと交換するそう。

お家の庭

 お父さんと息子さんは国立公園の管理の仕事、お母さんは先生。家族は自分の質問にも嫌な顔一つせず、誠実に丁寧に答えてくれた。そしてたくさん助けてくれた。観光のアドバイス、自転車のレンタル、汚れた靴や服の洗濯など。そして、最終日には朝ごはん代を払っていないのに、朝ごはんを出してくれた。ハバナと違ってそこには余裕があった。物やお金はたくさんないけれど、自然を愛し、家族で楽しく暮らしていた。俺に何かを乞うわけでもなく、その家族には尊厳があった。自分たちの生き方に自信をもち、住んでいる土地を愛していた。
 ハバナの滞在でキューバが嫌いになりそうだったけど、ビニャーレスの家族との出会いでキューバの良さを知ることができた。生活、考え方、人間関係次第で同じ国でも幸せに暮らしていける。
 また、夜には近くのバーに遊びに行った。バーと言っても暗い夜道に佇む一軒のお店。

 みんな温かく迎え入れてくれた。おじさんは酔っ払いながら、おすすめの酒を教えてくれ、お店の女の人と結婚したらどうだ、なんてよくわからないことを言ってた。他の人は家が近いから、ご飯を食べにこないかと言ってくれた。町が小さいので、みんな知り合いで犯罪もほとんど無いそうだ。
 ビニャーレスに来てキューバの良い一面を見ることができた。人に媚びず、尊厳を持って生きることは幸せにつながる。たとえ物やお金が無くても、自然の中で暮らし、周りの人たちとつながっていれば幸せだと思う。少なくとも、この数日間のビニャーレス滞在で出会った人たちは、幸せだと思った。みんな楽しく笑っていた。
 そして、ある国の一面だけを見てその国がどうとか、好きか嫌いかをすぐに判断するのは難しいと思った。ハバナだけを見て、キューバという国を判断するのは良くない。
 ビニャーレスの自然と人々は素晴らしい。ぜひ訪れてみては。

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