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高校の文化祭に協賛を取った話 @N/S高生徒会の日常

初めてオンラインサイトを目にした時、駅のホームで思わず泣いてしまった。
そこで、初めてきっと自分が本当に必死にここまで走り続けていたことに気がつきました。

高校の文化祭に協賛をとった話

磁石祭とは🔍
公式X(@n_s_magfes)

磁石祭2024オンライン会場

改めて、今年の磁石祭は本当に素敵でした。
たくさんの想いが溢れて止まらなくて、今も若干実感がない。
どう言葉にすればいいかわからないくらい、半年間の、それ以上の全てが形になる様とその熱量には圧倒されました。

去年の磁石祭では平気だったのに、エンディングムービーが流れた途端に堪えていた全部が崩れて涙が溢れて止まらなかった。
思い出すことが多すぎて、言葉にならない感情をどうすればいいのかわからなくて、あー、書いてるだけで泣きそう

今回の磁石祭では、ありがたいことにたくさんの役目をいただきました。
生徒会として、磁石祭推進本部の一員として実行委員をサポートする委員長’sアドバイザーに任命され、
営業部長として、スポンサーの獲得に向けた営業活動を任され、
キャンパスのお友達とバンドを組み、生徒会のオリジナルグッズを売り、
生徒会ブースの運営、ひろゆきとラジオ収録、役員と踊ってみた出演、
企業様をアテンドしながら、EDにも顔を出させていただきました。

本当に、疲れました。お腹いっぱい!!
そんな中でも特別しんどくてもう思い出したくもないほど、でもどこかで消化したい「企業営業」のお話をしようと思います。

N/S高の生徒会は営業をするべきか

N/S高の生徒会に存在する部署は「広報部」「総務部」「学外営業部」の三つに分かれています。
第二期から新設された「学外営業部」
私はこの部の部長にあたります。
学外営業部のお仕事は、“学外と学園をつなぐ窓口を担って、『生徒の可能性の拡大』を目指す”
企業営業や、企業と連携したプロジェクトを担う「営業課」、
他校連携や、海外との連携を目指す「連携課」。

営業課がこの磁石祭で担っていた業務が、文化祭のスポンサー獲得に向けた営業活動です。

しかし、文字にするほど簡単なことではなく。
生徒会といえど未成年、学生である私たちが営業活動を担うにふさわしい立場なのか。正直、私たちは甘かったんだなと痛感する場面が多々ありました。
この疑問は活動を軌道に乗せるまで、本当に大きく私たちに立ちはだかる壁となるのです。

クエストI 役員からの猛反対を押し切れ!
学外営業部の活動は、初めは悲惨なものでした。「営業をやりたい!」と初めて口にしたとき、それはもう全役員と言えるほどの役員からの猛反対。
「子供がすることではない」「責任が取れるのか」「保証がない」「学外ではなく、生徒に目を向けるべき」
いろんな意見が出ました。全てに共通していたのが、賛同されていないという事実。
ただし、私はこの学校の生徒会だからこそ本当に意味のある、未来につながる施策はこれだと確信していたんです。
議論は白熱し、折れる様子のない私と副部長に痺れを切らした役員から仮で「学外営業準備室」の立ち上げを許されました。

準備室の発足から、何も固まらないまま生徒へ公表。
所信表明では答えられることなんて用意できておらず、生徒からの予想以上の期待値に正直狼狽えました。

その後3ヶ月間必死に準備室として活動し、基盤を整え成果発表を通して全役員から部の設立をやっと承認されました。全員の手が上がったときの、肩の荷が降りた感覚は忘れない。
この時点で、生徒会の発足から約4ヶ月が経過し年末が迫っていました。

クエストII 職員を味方につけろ!
さて、威勢よく営業をする!絶対に成功させると宣言する私たちに、説得力を持たせるだけの知見やビジョンがあったのか。
当然そんなわけもなく、計画は始めから行き詰まります。
どうしよう。何をすればいいかわからない。右往左往している間にも、時間はどんどん過ぎていきます。
私たちは自分のパーティーを強力化するため、熱意あふれる高校生というきびだんごを手に仲間を探す旅に出ました。

救いになったのは実行委員の発足。
磁石祭実行委員を発足するタイミングで、学園の偉い人にこの取り組みを話す機会があったんです。
「営業活動をして、協賛をつけます」
えらい人との対面は一年ぶりで、昨年えらい人と私はまるで平行線の言い合いをした苦い思い出のある人でした。
反対されるだろうか、みんなみたいに、無謀だと言われるかな。
覚悟を決めた顔の私に、意外にもえらい人は 
いいんじゃない? と笑ってくれたんです。

そこから話はとんとん拍子でした。
えらい人はニヤニヤしながらああすればいい、こうすればいい、ああ面白くなってきたねと1人で話を進めます。置いていかれまいと何度もオリエンテーションを通して、この計画を成功に導くための道筋を立てました。

一年ぶりのえらい人、勝手に大きくなっていくプロジェクト、担当職員が決まり、動きが活発化する中で現実味を増してきた光景に営業部のテンションも上がってきます。
油断したのも束の間、私たちが味方につけるべき相手はえらい人だけではなかったのです・・・

〈エライヒト が仲間になった ヨ!
 タントウショクイン を ゲット した!〉

まだまだ序章に過ぎなかった。

えらいひとを見事パーティーに引き入れることに成功し、ほっと一息つく私たちの前に、第二の壁は突然現れます。
紹介したい人がいると、えらい人の言われるがままに集められた私たち。
忘れもしない初対面。zoom越しにも伝わる貫禄を漂わせる御二方に、私の緊張はピークに達していました。
その方こそが、のちに私たちのパーティーの強力なサポーターとなる学園の企業連携を担当する筋金入りのしごできスタッフだったんです。

「まあ、正直難しいでしょう」
アツく磁石祭と営業への想いを語った私に初めに投げられた言葉は厳しく、「生半可な気持ちでするものじゃないよ」「高校生が営業というのは、、」なんて畳み掛けるお二人。
どうでしょうねと失笑する姿に 肝に銘じます、努力を惜しみませんと頑なに押し通しました。
覚悟を証明する方法がないことが、とても悔しかった。

結局、食い下がる私におもしれー女だなと思っていただけたのか、
1時間が経過する頃には「まあ頑張ってくださいよ」と言っていただけるほどに。
途中参戦したえらい人は空気の死んだ私たちを笑いながら営業の展望を語り、あれをしたい、これもできるね、とご機嫌な様子。

「今は、厳しいことを言っているけれど、この時間で思いは伝わったから
これから営業するってなったらお二人とも手のひら返して協力してくれるからね」
どうやらえらい人の思惑通りにことは進んでいたようで、なるほどこうやってきびだんごを渡していくものなのだなと感心しました。

そんな企業連携を担うつよつよ部署のみなさまと仲良しになるのは、
もう少し先の話。

〈ツヨツヨブショ が仲間になった ヨ!
 キギョウとのドウセン を ゲット した!〉

そして、はじまる

協賛営業に使用する提案資料の作成を始めたのは、12月頃。
サポートチームの発足は、2月頃。
営業が本格始動したのは、3月の頭。

スタートラインに立つまで、本当に長かった。
N/S高にとって前例のない新しい分野を開拓することがどれだけ重いことだったか、営業にかけられた時間が短かったことを悔しく思うと同時に、自分達が先駆者として基盤を作れたことをとても誇りに思います。

それこそ、ノウハウもなく、知見もない。
資料の作成には2ヶ月以上の時間がかかり、サポートチームも納得のいくお手伝いが出来なかった気がする。
今となれば穴だらけで反省なんて尽きないけれど、当時の私たちは本当に必死でした。

企業に何度もプレゼンをして、その度少しずつですがコツを掴みながら時に好感触、時に難色。ピークの時期は本当に大変で、キャンパスを抜けてコワーキングスペースに走って、またキャンパスへ戻り、急いで帰って会議をする。
企業の調査と磁石祭の準備を同時並行で進めながら、職員と何度も逆算して戦略を立てました。

営業課のメンバーは本当に頼もしく、プレゼンを絶賛してくださる職員や企業さんにはとても支えられました。
そうこうしているうちにやはり異例の取り組みは話題を呼んでいたようで、学園の運営陣へ話を聞いていただく機会やプレスリリースを発信していただくなんてこともあり。
自分達の始めたことが、大きくなって、なんか知らんけど話題になってる。
まるで状況を理解しないまま、あっちへ営業こっちへ営業とラストの1ヶ月半はそれはもう怒涛のスケジュールでした。

長い間見守ってくれた役員や一緒に完走してくれた営業課、サポートチーム、お付き合いくださった職員陣、すべての企業様へ、改めて感謝を伝えたいです・・。

こうして学園史上初となる文化祭の協賛営業活動は、ドワンゴさんを最後に磁石祭の始まる約4日前の4月15日に幕を閉じました。


営業活動が終わったとき、どんな思いが残るのかということ

早く、終わってほしい。いや、終わらないでほしい。
営業が終わるまでのカウントダウンが進むたび、私の心はどんどん追い詰められていきました。

もう自分にできることはないと、
わがままを言ってぎりぎりまで伸ばしていただいた期日を過ぎた日。

緊張の糸が音を立てて、それはもう分かりやすく切れた気がした。
思えば、本当に必死に走り続けていて、自分がどれだけ必死でどれだけ思いを持って擦り切れるほど頑張っていたのか気がつくことなどなく、
自分が止まれば、この取り組みが止まることをわかっていた。

思い返せば、私は全然強くなんてなくて。
ずっと本当に、不安だったんです。

生徒会に立候補したとき、多くの人の前に露出したこと。
役員に学外営業準備室の新設を交渉して、反対されたとき、
自分が学外営業の室長に選ばれたとき、
所信表明で記者会見のように質問が並んで、それに答えられなかったとき、
設立当初はうまく回らず、メンバーから焦りと不満を感じたとき、
成果を求められていると肌で感じて、
初めて職員に協賛を取ります、協力してくださいと伝えたとき、
部署へ宣言したとき、いい顔をされなかったとき、
怒涛のスケジュールで資料を制作しながら、
生徒の前で1000万円を目指すと宣言したとき、
サポートチームを結成したとき、
初めて企業に営業をしたとき、
ギリギリまで営業活動を続け、
ドワンゴのえらい方々へ取り組みを紹介して頭を下げたとき、
どんどん営業課のメンバーがダウンしていく様子や、
当日までのカウントダウンを眺めて
自分だけは止まってはいけないと

目まぐるしくて気がつかなかった
乗り越えてきた壁はあまりにも多く、
私の心がいっぱいになるにはそれはもう充分で、
磁石祭まで残り4日、全てが終わったときに初めて
本当はずっと不安でいっぱいで本当に苦しくて、本当に怖くて
自分が思うよりずっとずっと必死に頑張り続けていたことに気がつきました。

自分は生徒会だから、自分が始めたことだから。
実現できた結果以上に、今までストッパーのかかっていた感情はぐちゃぐちゃに溢れ出して私の心身はどん底に突き落とされました。

どうしてもっと、うまくやれなかったんだろうという後悔。
一日一日と当日が迫ってくるのが本当に辛くて、とても耐えられなかった。本当に頑張れたのかわからない、誰かに私の努力を証明してほしい。こんなに必死なんだから、もう許してほしい。
自分が何に苦しんでいるのかすらわからず、ただただ気持ちの整理がつかなくて毎晩気づけば泣いていた。

自分の心と体がもっと強ければよかった。
その時期には熱は引かず、固形物は喉を通らず、毎晩悪夢にうなされていました。

本当は、放課後MTGじゃなくて友達と寄り道をしたかった。
体調を気にせず、キャンパスに行きたかった。
会議のためのカラオケやコワーキングスペースじゃなくて、
そのお金で友達と遊びたかった。
友達だった人に、遠い存在になったなんて言われるのが辛かった。
多くの人に羨ましがられていることをわかっている、でも、
みんなが思うように私はうまくこなせるわけではなく、
期待されて嬉しかった、本当にプレッシャーだった。

来なければいいと、心の底から思いました。

磁石祭が好きすぎる

結局、どうしようもないくらいに磁石祭が好き。

心身ともに絶不調の中迎えた当日はそれは悲惨なほど忙しく、
足を運んでくださった企業様をアテンドし、よくわからない取材を受け、ブースのシフトに入り、物販のシフトに入り、リハーサルをして、バンドをして、ダンスをして、ひろゆきとステージに立って、エンディングに出演して。
2日間は言葉通りあっという間で、左耳のインカムからは常に「あゆな!!」と叫ばれていた気がします。(16時にお昼ご飯を食べました)

そんな中、多くの生徒が声をかけてくれたこと。
企業様はみんな磁石祭に感動してくださり、普段会えない役員は本当にはしゃいでいて、実行委員や生徒の笑顔で会場がいっぱいになった光景はなににも変え難い喜びでした。

疲弊しきっていた心はすっかり回復していて、どうしようもないくらい磁石祭が好きだなと。
去年の自分の想いを叶えられた喜びはとても言葉にすることなんてできませんでした。(3万円の誤発注もしたけど、何十倍にもできたので許してあげたい)


心の底から終わらないで欲しかった。
もう少し耐えられるかと思ったけど、エンドロールに流れる「協賛」の文字を見たときにはボロボロ涙が溢れて止まりませんでした。

1年間、これを目標に頑張り続けてきたこと。
一番最初に、当時の職員が「絶対に成功させたい」と言ってくれたこと、
去年は少なかったキャンパスの友達とバンドができたこと、
委員長sとディズニーに行くほど仲良くなったこと、
営業活動も、役員と磁石祭に向けて走り続けた半年間も、
思い出さなきゃいけないことがたくさんあって、全部の思いがこれからずっと思い出になって更新されないことが悲しくて。

15歳の春、私が見たエンディングステージは本当に素敵で、ここを目指して頑張ればいいんだと夢が一つ増えました。
16歳の春、エンディングステージのリーダーとしてゲスト招待を成功させたこと。昨年のエンディングリーダーが泣いてくれたこと、資金問題にぶつかって、来年は生徒会として新しい資金源を見つけると決意したこと。
17歳になった私は、今でもぜんぜん強くないけれど、少しは過去の自分に褒めてもらえそうな気がする。

(そして忘れず後世に語り継いでいきたい、わんわん泣いている私に後ろからティッシュを差し出してきた営業部の後輩は本当にイケメンでした)

左に映るのは涼しい顔のイケメン
一期の役員も駆けつけてくれました!!

終わりに

こうして、めちゃくちゃなままスタートしためちゃくちゃな生徒会プロデュースの磁石祭はハッピーエンドで幕を閉じました。

企業様へのお礼メールと、第三期営業部への激重期待を込めた引き継ぎ資料はゆっくり作っていこうと思います。

(後日、役員からのサプライズと、去年から一緒に戦ってくれた副部長にハグをされて泣けたことも忘れず書いておきますね)

一つだけ、わかっていてほしいことがあります。
N/S高の生徒会は、1000万円と大きくPRされていて、目立つ分だけ批評されることもある。光が当たるということは、同じだけ影も濃く、役員はみんな学園のなかで、少しの孤独感を抱えながら自分に入れられた票数の期待に応えたいと一生懸命活動しています。

私たちの想いが、ただ本当に純粋なものであること。
私たちがどれだけN/S高や生徒を好きか、知っていてください。

公約へ掲げた「可能性の実現へ」、今となっては懐かしいですが、
私に票を入れてくれた900人が、自分の1票に間違いはなかったと思ってくれていたらとても嬉しい。

最後に、今回の取り組みの原点にあった学園のプレスリリースに掲載していただいた挨拶文を引用して、終わりにしたいと思います。

磁石祭に関わるすべてのひとへ、心からの感謝を込めて。

N/S高生徒会 学外営業部 部長 あゆな

N中等部からこの学園に所属する私は、N/S高やN中等部の生徒たち、磁石祭を初めとする数々のコンテンツの魅力を誰よりもよく知っています。

日本一おもしろい生徒たちの日本一おもしろい取り組みが、予算を理由に断念されては勿体無い。昨年、磁石祭実行委員として予算問題にぶつかった経験から“新たな資金源を確保すること”が学園や生徒の可能性を広げる道筋になると気がつき、本当の意味で生徒の想いを叶えるため生徒会へ立候補しました。

【学園史上初】 #磁石祭2024 の資金拡大を目指す 協賛営業活動に生徒がチャレンジ中


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