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【読み放題対象】フェミニストたちの失敗(春の木漏れ日の中で)

はやいうまいやすい

何の話かといえば、もちろん吉野家の話である。

私にとって「はやいうまいやすい」とは、牛丼の話だとおもっていたのだが全然、間違っていた。

「はやいうまいやすい」は、吉野家の「キャンセル」だった。なにをいっているかわからないとおもうが、私もなにをされたかわからない。

吉野家では、

(たった3日で!)「はやい」

(有名企業の常務取締役解任)「うまい」

(所詮はたかが失言で)「やすい」


さすが吉野家!そこにしびれる憧れる!!!!


・・・。

・・・。

・・・。

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本当にこのポリコレ全体主義の世の中、女性の不快こそが全てを決定しているといって過言ではない。いうまでもないことだが、そもそも吉野家常務の伊東正明氏が現実にどこぞで拉致してきた田舎の生娘を苦界に沈めシャブ漬けにしたわけではないのだ。

単に「若い女性客を、自社の商品の強力なファン(中毒)として囲い込む」を、過激な表現として「生娘をシャブ漬け」という喩えでいったのにすぎない。所詮はただの「喩え」だ。当たり前だが、これで誰か具体的に人権を侵害された「女性」はどこにもいない。

いつもながら、実際に映画業界で、仕事がほしい若い女優たちを監督権力で「性搾取」し、それを武勇伝として語っていた園子温氏には全然どうでもよくて騒がないのに、架空の「生娘をシャブ漬け」を叩くのがジャスティス戦士たちである。


かくして、今日も今日とて漫画の非実在女子高生の「たわわ」にキモオタどもが性的な視線を送っているケシカランと東に走り、吉野家常務の言い草が女性のモノ化で差別的でケシカランと西に走る。ジャスティス戦士たちの機動力に素直に感動を禁じえない。どうしてこうした現実の性加害や女性の問題解決はどうでもいいのに、ひたすらイデオロギーの勝利――言葉を狩ったり、非実在美少女たちの人権問題に熱心になるのか。その理由については以下で書いた通りだ。

それこそ森喜朗会長も、新国立競技場の白紙撤回のような噴出したさまざまな重大問題では辞任しなかった。だが単なる「女が多い会議は長引く」発言でやめた。別に森喜朗氏は女性をレイプしたわけでもシャブ漬けにしたわけでもなく、単なるたかが「失言」でやめたのである。

このように、罪の軽重がおかしいのがポリコレワンダーランドの特徴である。


さて、きょうはちょっとメタ的に考える。この吉野家シャブ漬け事件、このまま終わらせるのはもったいない。叛逆の狼煙をあげよう。

どうも~


今回の件、いつのまにか「キャンセル」終わっていた吉野家の騒動だったが、私は早速ネットをみた。フェミニストたちは、「私達は勝ったぞ」「私達は懲らしめてやったぞ」とイデオロギーの勝利に酔いしれる叫びがネットに横溢していると思ったのだ。

ところが、不思議なのだ。正義の戦士もフェミニストも全然、盛り上がっていない。すぐに興味は元の日常の「たわわ」に戻ってしまった。

しかも「うぎゃああ女性蔑視!女性差別!」というポリコレお怒りが大量発生というよりも、そうした声を遥かに凌駕して、一般人や吉野家の従来のファン層のほうが「幻滅した。なか卯に行きます」「客をなんだと思ってんだ」「この常務、頑張って働いてる従業員に失礼だろう」と怒っていた。そして、このマーケティング担当の常務取締役が、プロパーではなく、P&Gからやってきた外様取締役であることが知られていく。すると、「はやいうまいやすい」の電撃解任は、外部の人間から旧来の「吉野家的価値観」を守るものとして称賛されて受け入れられたのだった。

その一方で、フェミニストが盛り上がっていたのは、青識牛丼の特盛だった。なにをいっているわからないという感じだが、「生娘シャブ漬け」発言した吉野家元常務などはどうでもよくなって、ただ「吉野家で牛丼!!」とツイートした青識亜論氏なる自称「ネット論客」にヘイトが集中していた。


どうしてこうなった。

そもそも、牛丼を食べたというだけで、どうして「女性への嫌がらせ」になるのかさっぱりわからない。

さて、今回の件だが、実は、必然なのである、全然、吉野家で商業フェミニストやその客層が「私達は勝ったぞ!」と盛り上がらなかったのはなぜか。その根本原因を私達は知っているだろうか。

こういう「いかにも現実の女性の幸せには何も貢献しない」「単なるたかが表現の問題にすぎない失言を許さない」「社会的地位の高い人をキャンセルする」なんてもっとも、正義の戦士的にイデオロギーの勝利を感じそうな3点セットですよね?

あれ? これ変ですよね?

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一体なにがフェミニストたちの怒りの「トリガー」となり、一体なにがフェミニストたちが「どうでもよい」となるのか。もちろんこれは気まぐれでも偶然でもない。極めて狡知にたけた取捨選択がおこなわれている。

フェミニストたちはその深層において、吉野家常務の解任こそを危険思想であると感じている。「吉野家発言に潜む『男性中心社会』」といい出すビジネスフェミニストもいたが、事実はむしろ逆である。この吉野家元常務の伊東正明氏の発言は、いかにも「女性上位社会」を前提としている価値観の反映なのだ。だから本質的には女性の価値を肯定するものである。

ついでにいえば、この吉野家元常務の伊東正明氏の「生娘をシャブ漬け」発言であるが、「ただの表現の問題でしょ。言ってる事自体は問題ないんだから、あんな差別的な言い方しなければよかったのに。マーケターのくせに客の気持ちがわかっていない」的にいわれた。だが単なる「若い女性客を、自社の商品の中毒にする」というだけの意味ではない。やはり「生娘をシャブ漬け」という言葉をつかわないとどうしても表現できない含意があったのだ。ニワカは元マーケターであるので、その視点からわかりやすく解説する――するとあなたは気づくだろう、この「女性」たちの望むセカイが――

というわけで以下、あなたのモヤモヤをスッキリさせます。

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