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猫が、来た。4/27

2年前にアの子が家を出ていって、僕は猫と暮らそうと思った。人間には期待してしまう。猫がイイ。寂しさを埋めることと、生きて家に帰る責任。

でも猫は来なかった。縁がなかった。今思えば、まだ早かったのだろう。

自分の生活をやった。散歩して、本を読んで、歌を歌った。飲みに出て、会を開いて、死を語った。

いつしか寂しさが心地よくなって、猫を諦めた。むしろ、独りであることに感謝した。1人が生きるので精一杯だ。そう思った。


1年前に、とある会を開こうとして、職場のコロナで延期した。仕切り直したその会は集まる人も場所も変わって、そこで猫達に出会った。

4匹はとても幸せそうに暮らしていて、彼らがそこを離れることなんて想像しなかった。


ひと月前に、とある会を開こうとして、人が集まらないから場所と内容を変えた。そしたら飼い主さんとまた会って「里親を探している」と聞いた。

猫を諦めていた僕の心は揺れた。いや、もう心は決まっていたのかも知れない。

縁。

それを感じずにはいられなかった。


そうして猫が、来た。

猫が来てからの初めての夜勤は、早く帰りたくて仕方なかった。これが、待つ子がいると言うことか。

帰って、ご褒美ちゅ~るをみんなで食べた。

あんなに怯えていたぽんぽんも懐いてくれて、みんな、日々、色んなことが出来るようになっていく。「初めての」が頻出する。そんな、子たちの記録をすべて残したくなる気持ちを味わっている。

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