movie life  「イエスマン」

最近は映画を観る。前までは観たい映画がなかったのだが、今になって観たいものが出てきた。今日見たのは「イエスマン」。いつも誘いに「ノー」と断り続ける冴えない銀行員カールが、ある日全ての誘いに「イエス」と答えるようになって人生が変わっていく、というユニークなストーリーである。(※ネタバレ注意)

全てに「イエス」と答え、人生が目に見えて好転してゆき、逆に「ノー」と言ったら不幸に襲われる。そして、全てに「イエス」と言わざるを得なくなる。これは、インド映画の「PK」を少し思い出す内容で、その人が信じるものが実現しているということを体現しているような気がする。「PK」では、ヒロインの女の子が、家族の信じる宗教のために恋人に振られたと勘違いするシーンがある。もしかしたら、たまたま「ノー」と言った後に悪いことが起きていたかもしれない。それなのに、この信仰を信じているが故に、「ノーと言った=誓いを破ってしまった=不幸なことが起こる」と結び付けざるを得なくなる。映画では極端に展開されているが、あることないことをあるストーリーに結びつけることは、一笑に付してはいられないだろう。

この映画の1番面白いところは、「イエス」と言ったら人生がよくなる、というわけではなくて、その先にある自分の本当の答えを出していかなければならない、という部分にフォーカスしているところである。

確かに「イエス」と言い始めて、カールの人生は変わっていくが、それは一つのきっかけであって、そのきっかけを使って自分はどうしたいのか、と言うことは自分で考えていくしかない。

「人生は遊び場よ。子どもの頃はみんな知っているのに、大人になると忘れちゃうの」。ヒロインの女性がカールに語りかけたこの言葉は、カールが「イエス」をきっかけに変化した人生を象徴しているようである。

何を選択するかは、自分で決められるし、その答えが、「イエス」でも「ノー」でもなくて、「メイビー」でもいいんだと思う。ヒロインの女性のように「人生は遊び場」と考えて選択すると、もっと楽しめる気もする。改めて選択することについて考えされられた。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?