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感涙小説「雨でビッチャビチャ、虚無・研ナオコ2024」

昨日は朝から雨でビッチャビチャだった。
正確には朝から降っていたか忘れたが、精神的には雨が降ったも同然だった。

ネットに何かを書いて、好意的な反応がないと面白くない。
無視されているように感じる。
実際、無視されている。

昨日は同窓会に参加したが、私が会場となった居酒屋に来ても、すでに来ていたクラスメートのみんなが私を観て背中を向け黙りこくってしまい、「みんなどうしたの?」と言ったら、
「……悪いけどおれ、帰るわ」
「私も」
と言って、一人、またひとりと全員帰ってしまった。

一人ぼっちになった私は、それまでそこにいた7、8人の勘定すべてを払わされたうえ、「一生取れない」と言われたなまはげの仮面を鉄仮面の男にかぶらされ、地下室に連れていかれた。

地下室では、研ナオコのクローン人間たちが強制労働をしていた。
彼女たちは「研ナオコの粗悪品」として、存在を隠ぺいされ、働かされていたのだ。

研ナオコは自身のクローンにクローンを重ねて、何千も生きてきたのだ。

「おまえには、ここの研ナオコたちの管理をしてもらう」
鉄仮面と鉄の鎧に身を包んだ謎の男が私に命令してきたが、私はすぐさま、とりつけられたなまはげのお面を引きはがした。

何が「一生とれない」だ。このお面は顔パックかと思うくらい、スムースにはがれた。
こけおどしめ。
私は右の手で鉄仮面の喉首を掴んだ。なぜか喉の部分だけが無防備だったからだ。
指に力を籠めると、ミリミリと音を立てて私の五本の指が鉄仮面の男の喉に食い込んでいき、握りつぶした。
鉄仮面の男はそこで絶命した。

「みんな! 逃げるぞ!!」

クローン研ナオコたちに呼びかける。しかし彼女たちは足かせをはめられていた。

カギは、死んだ鉄仮面の男の腰についていた。

それを使ってクローン研ナオコを自由の身にすると、私は彼女たちとともに階段を駆け上がり、元いた居酒屋に出た。

「逃がさんぞ!」

そこには居酒屋の地下強制労働施設を管理する、身長二メートル以上ある、顔が雄牛、身体が筋肉ムキムキの大男が立っていた。

私は「スペシウム光線」で彼を爆殺した。

「ギャーッ!!」

クローン研ナオコたちは解放した。
彼女たちは、居酒屋の隣にあるカラオケルームに入っていった。

「ウルトラマンくんからスペシウム光線を学んでいてよかった……」

私はそう思った。

私は初代ウルトラマンと同じ塾に通っていたことから、懇意になっていた。
ちなみに彼がテレビ放送の「ウルトラマン」で活躍する前、さらにベムラーを追いかける前、地球に留学していた頃に知り合ったのだ。

スペシウム光線の習得は大変なのだ。

どれくらいたいへんかというと、フラッシュ暗算くらいたいへんらしい。

それにしてもフラッシュ暗算、フラッシュマンはできるんですかねェ。

私は「ぜったいにウケる」という確信をもって、虚空に向かってそう言った。

夜空に、ペギー葉山が微笑んでいるように感じた。

おしまい

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