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ミュージカルに学ぶ

人生は分からない

先日ミュージカルを見に行きました。妻からの誘いで、今では年に2度ほど。

今までの私はこういった芸術系とは全く無縁で、家族でも行ったことはありませんでした。なぜそんな私が芸術系に興味をもったのかというと、はじめのきっかけは、学芸会。

教師になってから学校行事として、学芸会というものがあります。コロナの影響もあって今では微妙ですが、それまでは学芸会と作品展を隔年でやっていました。

全く見たこともないし、興味もない。そんな若造に学芸会の指導をしなければいけないのは、非常に厳しいこと。

それでもある程度教師の経験を重ねると、学芸会のことも分かってきます。とりあえずの指導はできるようにはなりました。そして、ミュージカルというものへの耐性も少しできました(失礼)。

そんなとき、福利厚生の一環でミュージカルが安く見られるチケットを、妻がゲット。初めて客としてプロのミュージカルを見ました。見終わった後の私は「放心」。ぐぐーっと世界に引き込まれ、プロの迫力に圧倒され、ミュージカルのメッセージをガンガンに受けるという状態に。そこから好きになりました。勢いで劇団四季の会員にすらなろうかと思ったほどです(そんなにたくさん見に行くお金と時間がないと止められました笑)。

あんなに芸術系文化から遠かった人間なのに。人生何があるのか分からないものですね。

きみのあした

私が見たのは「きみのあした」というオリジナルミュージカル。地元感ゴリゴリの脚本で楽しかったです。もちろんストーリーも良かったのです。しかし今回の記事はそれとは別です。

私は職業病なのか性格なのかどうしても主役の人やセリフを言っている人ではない人に、意識がいってしまうのです(一応、話の内容が理解できる程度には聞きます笑)。

当然プロの方達なので、せりふを言っていない人達が演技するのは当たり前。そんなことは知っています。しかし、今回のミュージカルは特段後ろの人たちに意識がいきました。なぜだと思いますか。

あきらかにボケているのです笑。何度心の中でツッコミを入れたか。笑いが抑えきれずに、何度も声が漏れてしまいました(横の人すみません)。一つだけ場面をお伝えします。

カフェで主役級の3人が話をしています。当然実際に声が出ているのは、その3人だけ。その後ろで何をしているかというと。

店員さんが壁を背景に自撮りを何度もしている。しかも気に入らないのか何度も。しまいには客に「ねえねえ撮って」と言い、撮らせる。

・3人で来店している女性グループ客。1人がトイレか席を立っている間に、店員さんがその席を乗っ取り。何事もないかのように3人でおしゃべり。席を立った人が帰ってきたら、店員さんがその人にデザートの注文。「いやいや」という席立ち人。「頼むよ」という店員。結局納得いかないなりにも、席立ち人は袖にはけて、デザートを持ってくる。(そんな人に料理を提供させるキッチンもどうかしている)。

・2人で来店の男性2人。先輩後輩の間柄なのでしょう。先輩が会計をしてレシートを断った後、こっそり後輩が領収書をお願いし、店員さんからさりげなく受け取る。先輩がそれに気づきツッコむ。

・あきらかに接客する気のない「しゃっせー(いらっしゃいませー)」

・インフルエンサー店員なのか客から依頼されて、商品とならんで写真。いろんなポーズを撮り、「あーん」という食べるポーズ。客が写真の出来映えを確認している間に、本当に食べちゃう。途中で止めるが、かまわず食べ続ける店員さん。

うん。書いて気付きました。基本店員がイカレてますね笑

完全にツッコまないとおかしいことばかりでしょ。むしろ物語の進行を邪魔しているのかと思うほど笑

もう最高に楽しかった。もうこの日で終わりなのですが、もう一回どこかで見れたらいいな。

みんな主人公

私が映画ではなく、ミュージカルにはまる理由。それは視点が自由なことです。映画だったらきっと、その場面は舞台の中心がアップされ、物語の進行に必要のないことは省きがちになるはず。

しかし、ミュージカルでは舞台なので、袖にいる人も見えます。必然的に演技します。もちろん本気で。目立ちがちなセリフを言っている人以外も見所が満載で、そちらにも注目できます。

そんな人を見てるといろいろなことを想像しちゃいます。

この人もオーディションを受けて合格して一生懸命練習してやっとこの舞台に立っているんだなとか。

家族の人は嬉しいだろうな。多分努力の裏側とかも知っていて、キラキラ笑顔の裏まで想像しながら見ているんだろうなとか。

友達の人も見に来てるのかな。普段とは違う姿に刺激を受けつつも頑張りを応援しているんだろうなとか。

いろいろな役をしているから衣装替えが大変なんだろうな。役名もセリフもないけど、全部ちゃんと設定をつくっているんだろうなとか。

とかく、その舞台の役柄ではなく、一人の人としてを想像してしまいます

その人もその人の関係者からすると、舞台の主人公です。

また、舞台の前でオーケストラの方々がいらっしゃいます。顔すら見えない人も。それでも指揮者を信じ、タイミングを合わせて演奏します。その方達もまたその方達の関係者からしたら舞台の主人公です。

舞台の話の内容・演出の主演は数人かも知れません。しかし、見る人によって主人公は違ってきます。ありきたりな言葉ですが、一人一人が主人公なのです。

主人公はだれ

日本という国の主人公はだれでしょう。天皇?首相?国民?

学校の教室の主人公はだれでしょう。先生?クラスのリーダー?とにかく声が大きい人?成績が一番いい人?かっこいい人?かわいい人?

ご家庭の中で主人公はだれでしょう。世帯主?一番稼いでる人?一番しゃべる人?一番家にいる人?赤ちゃん?

こうやって問いかけていくとだんだん感じるかと思いますが、主人公って誰でもよくないですか?笑。どうしても声が大きい人、発言力が強い人が目立ちがちですが、目立たない人にも考えがあり、想いがあり、感情があります。

子育てをしていると、どうしても子どもが主人公になりがちです。子どもに合わせて何かをしたり、どこかに行ったり、食事を用意したり。

でもですね、親御さん。あなたにも考えがあり、想いがあり、感情があるじゃないですか。それをなくしてはいけません。

子育ての仕方、親の在り方について真剣に考えて悩んでいるあなたには、主人公感が足りない。私はそういう方が多いのではないかと思います。

あなたも主人公です。たまには主人公でもいいではありませんか。当然、いつもは無理ですし、今すぐにも無理かもしれません。また、状況的にあなたの意見が家庭で通らない状況かも知れません。

とりあえず気持ちを相手に伝えましょう。「たまにはこんなことしたいって思っているんだ」と。〇〇食べたい。〇〇したい。〇〇に行きたい。

家族に悪いなと思う気持ちも分かります。でも、あなたが自分のことを大切にできないと、お子さんも自分を大切にできません。子どもは親の言うことは聞かないが、行動は真似します。まずは親御さん。あなたからです。

・・・と、えらそうに言ってますが、実は私自身にも言っています(だって私優しすぎるから笑)。

だから、少しずつ主人公感に取り組みましょう。私もがんばります。

最後までお読みいただきありがとうございました。何かの参考になれば幸いです。素敵な一日をお過ごしください。

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