西野キズナ / Nishino Kizuna

◆気の向くままにポトリ、ザクリ。詩(ことば)や散文、小説や童話のようななにか。

西野キズナ / Nishino Kizuna

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  • モノガタリ

    小説や童話など。

  • 即興イメージSS作品集

    • 5本

    いちまいの画像をもとに、即興で書いたSS作品集です。

最近の記事

【自己紹介】西野キズナ / Nishino Kizuna

自己紹介過去に過労で心身を壊した経験から、カウンセリングとコーチングを修得。 それ以降、大学キャリアセンターに6年以上勤務。 主に、学生や若年層の就活・転職、お仕事相談の支援を行っています。 現在、ネット上での面談は「メタバースキャリコン集会」でのみお請けしています(個別依頼はclosed中)。 ノンバイナリージェンダー(男女どちらでもない)です。 本体はカエル🐸✨ VR空間でヒト型になる際は、「黒髪眼鏡のアバター(各種)」を場面によって使い分けています。 運用アカウント

    • 胡同の兎

       ――胡同(フートン)に白兎が出る。  まことしやかに囁かれるようになって、一か月。  得体のしれない『白兎(ホワイト・ラビット)』に迎えられ、行方をくらましたとみられる人間は数知れず。  ある日、青白い貌(かお)をした朋友も、周囲の様子をうかがいながら私の耳元に口を寄せ、言った。 「気をつけなよ、亜梨子(ありす)。  どんなに愛らしい姿をしていたとしても。  白兎についていったら、……終いだよ」  そんな彼も、数日後には行方知れずになった。  白兎にたぶらかされたのなら

      • 深夜。夜景を前にした女は、ゴーグルを身に着けながら言った。 「うちの仕事も最近はハイテク化していて。こういうモノを使ってるの」 使い方はと問えば、白い指先で夜天を示し、くるりと手首をひねる。 瞬間、ドォンと轟音が響いて。 「ね。簡単でしょ?」 爆炎を背に、赤い唇がニマリと歪んだ。

        • 「馴染みの一杯」

           まるで、青の絵筆で塗りつぶしたような空だ。  中天に浮かぶ太陽にうすらと雲がかかっている他は、はるか高く澄みわたっている。  時刻は、昼をまわったところで。  はばたき飛ぶ鳥のシルエットが、黄色の大地――地平まで続く砂漠地帯を、すべるように横切っていった。  その影を追うように錆交じりのオフロードバイクを走らせていたのは、ベージュ色の髪を風になびかせていた旅人――緑茶だった。  丈の短いタンクトップに、レザーパンツ。  ちらとのぞく腹部には大きな傷跡がはしり、片腕や脚には、

        【自己紹介】西野キズナ / Nishino Kizuna

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