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「ちょっと見直しました。YAMAHA」

 「終活ギター アコギ庵」「アコギ弾き比べサロン アコギ庵」です。
 アコギ一筋54年。アコギの終活をやろうというオッサンが、《何かアコギ好きのためにできることはないか?》というところからスタートしました。アコギ好きのための”Support and Assist”を目標に、何かしらお役にたてることがあればいいなと思っています。
 そうそう簡単に弾くことができないと思われるギターも、何本か用意しています。初心者の方用、中級者用のギターもあります。とにかく来て弾いていただいて、そこから何かが始まることを期待しております。アコギ好きの皆様とお話しすることを楽しみに、お待ちしております。

「ちょっと見直しました。YAMAHA」
 低~中価格帯のYAMAHAのギターのお話です。少し前の記事で、YAMAHAのLS423-TBSをご紹介させていただきました。その際、久しぶりにチューニングして弾いてみましたが、思いの外鳴りが良かったので少しビックリ!同それならばと、ストックしているLS16AREとLL16DAREも弾いて音とコンディションを確認しました。

 まずはLS16AREから、スペックはこんな感じです。
希望小売価格: 99,000円(税込) · 2014年3月 発売
「L16シリーズ」は、側裏板にローズウッド単板、表板には厳選されたイングルマンスプルースを採用。新しくデザインされたブレイシングとA.R.E(Acousutic Resonance Enhancement)処理により、豊かで温かみのあるサウンドに加え、開放的な鳴りを維持しつつも、バンドの中に自然と溶け込む優れたトーンバランスを再現します。また、新たに設計された握りやすいネック形状や、パッシブタイプのピックアップにより、高い演奏性を実現します。

スモールボディ
・表板はA.R.E.を施したイングルマンスプルース単板を採用
・裏側板はローズウッド単板を採用
・高い演奏性を実現する新ネック形状
・5層構造ネック搭載
・パッシブタイプピックアップ搭載

シリアル番号から調べたら、2022年製でした。
さすがに2022年製、製作されてからわずか2年ほど。
目立たない小さな傷はいくつかありますが、全体的には使用感の無い状態です。

 音を出した瞬間の最初の感想は、「さすがに入門用のギター等と比べると"鳴り"が違うな。」です。オール単板の響きは、ワンランク上のものだなということをはっきり感じました。かなり売れているモデルだと思いますのでこの1本だけですべての評価にはなりませんが、ボディサイズが少し小さめということもあり(スケールはLL-16Dと同じでした。)サウンド的には低音部分より高音部分の方が際立っているように思いました。けれど、低音が不足しているということではありません。あとスケールが短くないのにテンションがかなり弱めで、押さえやすいのに少し驚きました。(弦高も低めです。)ピックで弾いた時より指弾きの方が良い印象です。(テンション感については、弦の個性でもかなり変わってきます。いろいろな種類の弦を張ってみた上で、ということではありません。ですので、あくまでもこの時の個人の感想になります。)


 続いてLL16DAREです。スペックはこんな感じ。
希望小売価格: 126,500円(税込) · 2014年3月 発売
LL16AREをベースモデルに、ボディ、サウンドホールにアバロンインレイを施し、ポジションマークにはダイヤモンドデザインのインレイを採用。上位グレード『L36シリーズ』を彷彿とさせる豪華な外観と高音質を実現。

・オリジナルジャンボボディ仕様
・表板はA.R.E.を施したイングルマンスプルース単板を採用
・裏側板はローズウッド単板を採用
・高い演奏性を実現する新ネック形状
・5層構造ネック搭載
・アバロンインレイバインディング
・パッシブタイプピックアップ搭載

シリアルナンバーから、2013年11月に製作されていることがわかりました。
こちらは製作されてから10年以上経過しています。さすがにLS16 AREと比べると、
それなりにキズはありますが、美品と言ってもよい状態です。
LL-16 AREとの価格差は27,500円ですが、それ以上の高級感があるように感じます。

 先のLS16 AREとの違いは、ボデイ形状とボディ、サウンドホールのアバロンインレイ、ポジションマークのダイヤモンドデザインのインレイですね。基本的な材の仕様は同じなので、違いはボディ形状の差ぐらいだと言ってもよいかもしれません。

 音を出してみて一番驚いたことは、LS16 AREと全く違うサウンドだったということです。ボリュームの差はあるとしても、音質がかなり違うことに驚きました。かなり張りのある音で、音の芯もこちらの方が太く感じました。LS16 AREと比べると、明らかにピックで弾いた方が良いように思いました。個人的な好みで言えば(私は弾き語りがメインで、フィンガーピッキングはしていません。)、こちらの方になりますね。アルペジオでも充分反応してくれます。

 2本を弾き比べてあらためて思うのは、YAMAHAというメーカーの底力の凄さということになります。LS16 AREとLL-16D ARE、このあたりの価格帯のコストパフォーマンスの高さは、おそらく世界一では?と思ってしまいました。どちらも標準でピックアップを装備しており(パッシブタイプなので、音質を下げないためにはプリアンプが必要になりますが)、ライブ等でもすぐに使用できます。少し前の記事で紹介したLS423-TBSを含め、あらためて「ちょっと見直しました。YAMAHA」です。

LS16 AREとLL-16D AREのスペック比較です。文字が小さくてすみません。

 蛇足かもしれませんが・・・。
 どんなギターと比べるかによっても書く内容が変わってしまいますが、よりグレードの高いギターを弾くと、やはりコストパフォーマンスの限界を感じずにはいられません。それらと比べた時に最も強く感じた違いを書いておこうと思います。それは、"音の芯の太さとヌケ具合"の差というところでしょうか?アタックの強さ(弦をはじく強さ、エネルギー)に対して、それをきちんとボディに伝えきれていないことを感じてしまいます。私自身の個人的な感覚で言わせていただくと、"弦の振動をいかに効率よくボディに伝えて音のエネルギニーに変えられるか?"がギターのグレードの差ではないかと考えています。
 このあたりは個人の好みもありますので、言葉で言いきってしまうのは無理があるかもしれません。うまくお伝え出来ないのが歯痒いですが、最後自分では弾いて感じていただくしかないということになってしまいます。言葉足らずですみません。

 拙い文章をお読みいただき、誠に有難うございます。皆様の感想、ご意見をお聞かせください。 またアコギに関する相談等がございましたら、どんなことでもOKです。遠慮なくお尋ねください。
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