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子どもの一言で瞬間的に泣き崩れそうになった自分を掘り下げてみる

昨夜出演させてもらった"恐竜印「春の肉まつり」"というイベント。

取り急ぎのギュッとしたアレは昨夜のうちに𝕏でポストさせてもらいました。


で、そのポスト内で「明日ガッツリnote書きます」って書いてるんですが、本当にいろいろ濃密なイベントだったので、𝕏では本当にキュキュッとハイライト的に書いてnoteでもっと事細かに振り返ろうと思ってた…のは昨夜までの事。

一夜明けた今、「こんな演奏してこうで…」とか「こんなマイク(パフォーマンス)でこんな空気になって、そこからこうで…」みたいな事を改めてあまり書く気になってないのが正直なところで、それはもう昨日あの場に居らしてくれて思い思いに僕のステージを受け止めてくださった方それぞれの思い出として在ればいいか…となってます。
(感想ポストとかけっこう皆さん載せてくれてるし)

それは別に面倒になったとか熱いうちに打たなかったみたいな事ではなくて、一夜明けて燦然と強烈に自分の中でずっとド真ん中に残ってる出来事(ならびに感情)が在って、セルフライブレポ的な記事の中に混ぜるよりも、もうその事をしっかり書こうと思ったから…みたいな話です。

それが今日のタイトルになっている「子どもの一言で瞬間的に泣き崩れそうになった話」ってやつなんですが…

昨日は中学生以下無料、そして主催のナガモトさんが徹底して子どもファースト(ならびに親子で楽しむ)という部分を発信し続けてこられた事もあり、たくさんのお子さんが居らっしゃいました。

僕のステージ中も最前列には多くのお子さんが陣取ってくれて、僕の音に合わせて思い思いに躍ったり歌ったり、時に一緒にステージで遊んだり鍵盤をベシベシ叩きに来たり(あの子ロックだったな)。

僕の演奏中に大人が乱入して鍵盤を叩き出したらおそらくお客さんから大ヒンシュクものかと思いますので、あの愛くるしさは本当に子どもの時だけの特権だろうなと思います。

ライブの最後の一音を子どもに締めてもらったのはさすがに初めてでしたが、あの子はかなりロックミュージシャンの資質があると思うのでどうかお年頃が来たら何かの間違いで「俺ロックやりたい!」と親御さんに言ってほしいものです。

もちろん大人の皆さんのオーディエンス力に昨日はかなり熱くなったのは言うまでもないですが、輪をかけてたくさんの子どもたちの羨望にも似た眼差しに終始心が熱くなったのは事実。

先月のOSAKA FOOD LABの時もそう、ガルガンチュア音楽祭の時もそう。
ハッキリと子どもたちが楽しんでくれます。

それだけ子どもたちが夢中になってくれるのはやっぱり幼少の頃から日常的に誰もが触れて来ている「ピアノ」っていう楽器のパワーかなとも思います(そこにほんの少しでも僕のキャラクター的なものが加味されてたら嬉しいけども)。

そんなわけなので終演後の物販でもたくさんの子どもたち(親子連れ)が思い思いに「ぴあのすごかったー」とか言ってくれながら、手をペシペシやってくれたりCDを手に取ってくれたりして、もうずっと幸せでたまらんかったんですが(まして『Gift』には親子っていうテーマがあるからこそ)、そんな中で一夜明けて今これを書いててもずっとずっと強烈に突き刺さってるひと言があります。


実に個人的な感情の話になっちゃうので申し訳ないのですが…

昨日の終演後の物販の時間もひとしりき過ぎて、退館リミットが迫ってくると運営の方々がお客さんを外に誘導する喧騒めいた時間はイベントに付き物ですが、例に漏れず昨日も最後のほうはそんな感じになって皆さん多少バタバタしながら退館経路に向かわれてたんですが…

そんな中、少々その波に抗うように一人の子ども(小学校低学年とかかなぁ)が僕のところにおもむろに近づいてきて、まっすぐ僕の目を見てこう言うんですね。

「地震で本当に大変だったと思いますけど、頑張ってください!」


それはそれは凛とした姿勢でハキハキとした口調で。
そのひと言を僕に言うために退館の喧騒の中、一人で僕のところに近付いてきてね。

そのひと言をくらった時に、なんか分からないですけど瞬間で泣き崩れそうになって(本当に)。

でもそういうわけにもいかんということで「ありがとう!」ってひと言だけ返して物販の片付けモードに突入したんですけど、たったひと言で瞬間的に泣き崩れそうになるなんて経験は初めてすぎて、かなり回りくどくなりましたが一夜明けた今もずっとその事が感情のど真ん中を支配していて。

アレは一体なんだったんだ…ってことを理屈っぽく考えたりしたりします。理屈じゃない話だと思うので実に野暮ったいのかもしれませんが、この辺りの掘り下げ癖はもう細胞に染み付いてるのでしょうがない。

で、そこで考えてみるにそもそもそういう慰めだったり勇めてくれるような言葉っていうのは、SNS越しでもそうだしお手紙でも頂いたりしてきましたし、現場等でお会いする方々からもたくさん頂いてきました。

その都度、そのひとつひとつの言葉は大変有難いと思いつつも僕は僕で避難所に居る時からかなり気丈にずっとやってきた自負があったりするので、ひとつひとつのご心配のお声がけのお気持ちは嬉しいものの、何か感情が崩れるとか張り詰めていたものが途切れるみたいな気持ちになることは全く無かったのがリアルなところで。

心配していただいて有難うございますという気持ちは当然ありながら、自分よりも大変な思いをされてる(された)人・場所はたくさん在るので、「大変と言えば大変でしたけど言っててもしょうがないし、全然僕より大変な人たくさん居るんで僕はまだ全然…」みたいなところに感情がナチュラルに向く感じで「そうなんです本当大変っす辛いっすキツかったっす…」みたいなところに感情が陥ることは全然なくて。

なんですけども昨日のあの子のひと言はなんかすごく自分の中に刺さって、もしかしたらそこで初めて「ずっと気丈にやってたり、周り(家族とか同じ避難所の方とか)に目を向けまくってたからあんまり分かってなかったけど、まあまあ大変だったんだ自分」ってことを瞬間で感情が自認したのかもしれません。

で、この話にそっくりな話があって、それが僕が避難中に開催してた音楽室ライブの空気。

特に初回なんかがそうだったんですが、ピアノをポロポロと鳴らし始めたら聴きに来てくれた同じ避難者の方々が涙が止まらなくなるってことがあって、今まであんな状況は経験したことがなかったので、その時期にも記事で書いたような気がしますが「ご自身でも気付かないうちに張り詰めていたものが瞬間で溶けた」みたいな涙だったんだろうな…と自分の中で腑に落とした事があります。

その時に僕はしきりに避難者の方々に「頑張ってください!」と言ってました(テメエも同じ避難者であるが)。

よく「頑張ってる人に頑張れって言うのは…」みたいなことを言われたりしますが、あの状況下で日々いろいろ耐えながら頑張ってる皆さんを想った結果、行き着いた感情の先は「頑張ってください」だったわけで。
おもしろいもので。

同じ状況下に居た人間が同じように頑張ってる人相手にそう思ったのがリアルなところ。

子どもから放たれた真っ直ぐな「頑張ってください!」のひと言は、あの時期自分がしんどい思いをしてる方々に届けてた気概がそっくりそのまま僕に返ってきたような感じだったのかもと思うわけで、そう紐付けてみたら急に泣き崩れそうになった自分が腑に落ちる…という話で。

あのバタバタの空気の中、一人でわざわざ僕の前まで来て立ち止まってあんな真っ直ぐな言葉を伝えてくれたあの子のためにもマジで頑張らなきゃな…って思いますし。

子どもってすげーなって思います。
(大人がどうこうって話じゃないんだけども)

繰り返しになりますが、一夜明けてずっとあの一瞬がグルグルしてたのでこうやって記録として書かせてもらいました。

実に個人的感情な話で申し訳ないですが、ふと薄れそうになった時にいつでも引っ張り出せるように。


ちなみに、昨夜は子どもみたいにはしゃいでる大人もたくさん居ました。
あれはあれで子どもには出せない愛くるしさがありますね。

童心が集まる空間で誰よりも童心丸出しでピアノを叩こうと思います。
これからも。

そんな感じです。



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