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会社の成長に必要な「クレーマー」の存在について

こんにちは🍥
アンドエーアイの西です。
ここ数日、他の会社の話をいろいろと聞く機会があり、自分たちの会社の成長について改めて考える機会があり備忘録として残しておこうと思いました。


■モノ申す人の存在

突然ですが、世の中には「モノ申す人」と「モノ申さない人」がいます。

「モノ申す人」の特徴
 常に物事に懐疑的
 批判的意見を持っている
 周りを巻き込む力を持っている

感覚的にですが日本では2割ほどの「モノ申す人」と8割くらいの「モノ申さない人」で構成されてるんじゃないかなと思います。

会社の従業員でも、もちろん申す人と申さない人が存在します。
申す人は業務や経営方針、就労環境など基本的に様々なことにモノを申します。
例えばよくあるモノ申しだと

  • この仕事ってやる意味あるの?

  • 給与をもっと上げて欲しい

  • 経営者は現場の意見をもっと聞くべきだ

こんな感じです。端的にいうと「クレーマー」です。

経営者にとって、クレーマーは常に悩みの種です。
様々な角度から問題提起をし、周りを巻き込み、業務時間に業務では無いことで時間を使い、こちらの時間をも消費されてしまうからです。

多くの場合、このような人は問題児として扱われます。
経営者は時間を大事にする人が多いので、自分の時間を消費されることを嫌い、関わりを減らしたり避けて通るようになるでしょう。

「お金を払っているのに問題ばかり突きつけられ、時間まで奪われる」

このように考える人もいるかも知れません。

この「クレーマー」の存在ですが、実は会社を成長させるのに必要な負荷要素だと私は思っています。

■現状維持は停滞ではなく衰退

前節で「クレーマーを避けて通った経営者」「モノ申さない人」は実は近い考えを持っています。

どういうことかというと、両者とも問題や衝突から逃げて、根本改善ではなく「今現在が快適であること」つまりコンフォートゾーンに留まろうとしているという点です。

会社経営において、現状維持は停滞ではなく衰退です。
ぬるま湯のコンフォートゾーンに留まるということは気づかないうちに進みゆく世の中に取り残され、いつの間にか溺れてしまうということだと思っています。

成長には必ず負荷が必要です。

あえて棘のある言い方をしますが、営利団体である以上、クレーマーを排除した、和気藹々とぬくぬく仲良し集団では生き残れないということです。

■クレーマーが存在価値を発揮する時

ここまで読んで
「はいはい、確かに問題の発見や解決にはクレーマーの意見も聞き入れるべきですね」
と、先読みした人が居そうなので、もう少し解像度を上げていきたいと思います。

実は「クレーマー」つまりモノ申す人の中でも会社の成長に価値を発揮できる人は一部だと私は考えています。

私なりの見極めポイントを紹介します。

①成果を出している
②問題提起する際に現実的な解決策をセットで出している
③定量、定性の両軸で見ることができる

①成果を出している

まず圧倒的にこれが大事です。成果を出していること。
多くのクレーマーは成果を出してもいないのにモノだけ申す人です。この時点で営利団体においては残念ながらその人の意見は無に帰します。

モノ申したいならまずは成果出しましょう。

②問題提起する際に現実的な解決策をセットで出している

次に解決策の有無です。
「これが問題だ!」「あれが良くない!」「どうにかしてくれ!」
そんな風に言いながらじゃあどうするのが出てこない人がいます。
これは自分と他人の時間を奪うだけの無駄な行為です。やめましょうね。

しかし解決策の提示があっても、判断が難しい時があります。
「解決策が的を得ていない」場合です。

これは立場上仕方がないのですが、従業員から問題提起がある場合に俯瞰視点が欠けていることは、しばしばあります。
組織ではいろんな立場や職種の人がいたり、いろんな事業部があったり、取引先や株主、時代の流れなど、実は考慮すべきことはたくさんあり、大きくなるにつれて動きづらくなったりします。
問題は認識していても、その解決策では別の部分に歪みを生んでしまうなど、俯瞰して見るとクリティカルな解決になっていないという場合があります。

この場合は簡単に解決できないので、双方がしんどさから逃げずに問題に対して真摯に向きあう必要があるのかなと思ってます。
問題を解決した時のメリット費やす時間を天秤にかけましょう。

③定量、定性の両軸で見ることができる

最後の「定量」「定性」について。

問題の根拠として数字を出すことはやっぱり大事です。「なんとなく問題っぽい」とか「頑張っているから」のような抽象的な理論では組織を動かすのは難しいからです。
しかしそれと同じくらい「空気感」や「感じ方」も大事です。
違和感を汲み取ったり、問題を解決した時に得られる従業員全体の幸福感まで見るなど。
数字だけ見て人の気持ちを蔑ろにしてしまうと、うまくいきません。

要は定量、定性のどちらが発端でも良いですが、必ず両軸で見るということが大事なんですね。

上記に述べた3点が達成できるクレーマーは会社や事業の成長に貢献してくれる人だと思っています。

■クレーマーが生む軋轢について

ブリリアントジャークという言葉をご存知でしょうか。
Netflixが
「Netflixにブリリアントジャークの居場所はない」
という方針を示したことで有名になった言葉ですね。

以下の記事で「華やかな嫌な奴」と訳されていて面白かったです。
簡潔に説明されていてわかりやすかったので是非見てみてください。

さて、今日紹介した「クレーマー」は想像に易いですが「ブリリアントジャーク」にもなりやすいです。

基本的に「モノ申す人」は変革や衝突を恐れない人が多いので、コンフォートゾーンを好む「モノ申さない人」からすると心地よさを崩す可能性のある脅威的存在つまりブリリアントジャークになり得ます。

「モノ申さない人」は組織では非常に安定した生産的な人です。チームで力を合わせることが得意な人も多いので、強固な組織を築く上ではとても大事にしたい存在です。

一方で「モノ申す人」には組織を変革させる力がありますが、その影響力がゆえに周りを蝕む癌に発展する可能性もあります。ブリリアントジャークになって周りの人が離れてしまったり、問題提起から不満の伝染をさせてしまったりです。

このように会社を成長させてくれる「クレーマー」がいつの間にか軋轢を生んでしまうこともあります。

このような場合にどういう行動をとるべきか?

  • ブリリアントジャークにならないように注意深くケアする

  • 変革よりも地道に、クレーマーを徹底排除して進める

  • LTVで見た時に総合的に高くなるなら従業員が多少離れたとしても軋轢を許容する

など、何が正解かはどういう会社にしたいのかという経営者の考えによって決めるべきだと思いますが、そのようなことが起こる可能性については予め認識しておくと良いと思いました。

■あとがき

今日はちょっと自分にしては強めの内容になってしまったかと思っています。
だけど「現状維持は停滞ではなく衰退」という言葉を、何度でも心に据えて目を逸らさずに問題に立ち向かっていきたいという気持ちで自分に向けて書きました。

今日の内容を頭で整理している時にふと気づいたことがありました。

自分が会社員だった頃どうだったろうということです。

思い返して見ると、かなりの「モノ申し人」つまりクレーマーだったなと思いました。
与えられた仕事や環境に懐疑的で様々なことに問題提起や提案をしていたように思います。

今私が当時の上司や社長だったら、危なっかしくてヒヤヒヤ見てられなかっただろうし、かなりしんどい思いをさせただろうなと申し訳のない気持ちになりました。(あの時はすみませんでした)

だけど同時に会社を大きく変革できたんじゃないかなと思っています。
売上に大きく貢献したこともそうですが、当時変革したいくつかの業務オペレーションは今でも基盤となっているようで嬉しく感じています!

今は上司の立場として、アンドエーアイを大きく成長させてくれるだろう変革者のメンバーや、それを支えてくれる他のメンバーにとても期待しています。
これからも、問題から逃げずにちゃんと向き合っていく経営者でありたいです。

以上、最後までお読みいただき、ありがとうございました!🍪

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