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眠れぬ夜に聴きたい。Official髭男dismのおすすめ曲

現代社会を生きていると、年齢や職業、置かれている環境に関係なく、「今日は眠れそうにないな」という夜が不意に訪れます。

眠りたい、あるいは眠らなければいけないにも関わらず、一向に眠れないときの焦燥感。目をつぶって色んなことをぐるぐる考えているうちに、昔あった嫌なことや腹が立ったことまで思い出してしまい、余計に眠気が遠のいてしまった経験がある人は、きっとたくさんいると思います。

就寝の何時間前にお風呂へ入るといい、寝る直前までスマホを眺めないほうがいい、などなど身体の仕組みに関連したアドバイスは巷に溢れていますが、私は寝る前にコーヒーもお酒も飲んでしまう人間なのでそういったアドバイスはできません。むしろ教えてほしい。

今回はタイトルにもあるとおり、私の人生において大きな支えになってくれているOfficial髭男dism・通称ヒゲダンの楽曲から、眠れぬ夜のお供としてぜひ聴いてほしいおすすめソングを紹介します。


Trailer

2017年にリリースされたアルバム『レポート』の収録曲です。

藤原聡さん(Vo.Pf)が村上春樹さんの小説『1Q84』を読み、作品の世界観にインスパイアされて制作したのだとか。私は原作の内容を知っている状態でこの曲に出会い、歌詞の一つひとつをじっくり読み込んでいるうちにすっかり「Trailer」の虜になってしまいました。

原作はかなり長編で、各登場人物がさまざまな場面で複雑に絡み合っているためここで多くを語るのは避けますが、「Trailer」を実際に聴いてみると、物語のキーになる場面やワードが効果的に楽曲へ落とし込まれているのがわかります。

また、シンプルかつ優しい音色のギターリフ、温かみのあるピアノとベースライン、全てを包み込むようなドラムも聴きどころ。そして何より、「僕は待ってる」「間違って間違って間違って間違ってもいい どんな孤独よりもマシさ」と繰り返し語りかけてくれる藤原さんの歌声に救われます。夜の街並みをぼんやり眺めながら聴きたい1曲です。


Bedroom Talk

ヒゲダンの楽曲は主に藤原さんが制作していますが、なかには他のメンバーが作詞や作曲を担当しているものも。

その1つが、この「Bedroom Talk」。小笹大輔(Gt)さんが作詞作曲を担当した楽曲であり、2ndメジャーアルバム『Editorial』に収録されています。

ゆったりと歩くようなテンポ、繊細かつ優しいサウンドは聴いているだけで心がほっと温かくなり、まるで「おかえり」と声をかけてもらえたような気分になれます。メンバー4人の歌や演奏を基調としており、あまり多くの楽器を使用していないのも、「Bedroom Talk」の穏やかな雰囲気が形作られる理由になっているのかもしれません。

何事にも前向きに取り込めること、逆境にも立ち向かえる強さをもつことが良しとされやすい世界において、「まだ強くなれそうにない自分のことも愛せるように」と寄り添ってくれる音楽に元気をもらえる人も多いのではないでしょうか。


TATTOO

2023年4月から放送されたTBS系金曜ドラマ、『ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と』の主題歌として書き下ろされた楽曲です。

ドラマ本編は、ありふれた日常から突然荒廃した未来へ飛ばされてしまった電車の乗客たちが、襲い来る困難に翻弄されながらも互いに協力し、それぞれの選択した未来に向かってゆくストーリー。ヒゲダンが担当した主題歌『TATTOO』の歌詞にも、彼らの迷いや決心、次第に絆を育んでゆく姿が描かれています。

リリース当時、小笹さんが「ベース曲、グルーヴ最高なのでリズム隊ぜひ注目してください!」と語っているように、ボーカルへ寄り添いながらも気ままに動き回るベースラインが聴きどころの1つ。楽しげでありながら、歌詞としても繰り返し登場する「大丈夫」というメッセージを密かに発信してくれているような温かさもあります。

また、圧倒的な技術と説得力を兼ねそなえていながら、どこか心の琴線に触れる切なさも滲ませている藤原さんのボーカルも必聴。行き場のない閉塞感に押し潰されそうな夜、わけもなく悲しくてたまらない夜のプレイリストにぜひ。


今回は「Trailer」「Bedroom Talk」「TATTOO」の3曲にスポットを当て紹介しましたが、ヒゲダンの魅力を知れば知るほど、きっと「この曲も寝る前にピッタリだな」「むしろ寝る前にそぐわない曲なんぞないな」と思ってくださる方も増えるかと思います。そうなってくれたら私が泣いて喜びます。

ヒゲダンを好きな人も、彼らのことをあまり知らない人も、穏やかに眠れる夜が少しでも長く続きますように。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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