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ゲームとことば#81「チョメチョメターイム!」

『ペルソナ2罪・罰』に登場する天野舞耶は、雑誌編集者のペルソナ使い。
快活で容姿端麗だが、車の運転が下手だったり、部屋が汚かったりというガサツな一面も。
また、言語感覚も独特でユニークなセリフを多数残している。
今回の「ことば」は、彼女の戦闘開始時の掛け声である。

美人が高らかにチョメチョメと叫ぶのはいかがなものかと思うが、どうやらここでは敵との戦闘行為を指すようだ。
戦闘終了時に「チョメチョメ完了」というパターンもある。
ちなみに伏字の××をチョメチョメと読んだのは、今は亡き俳優でタレントの山城新伍さんというのは有名な話。
クイズ番組での発言だそうだが、下ネタを隠すパターンも多かったため卑猥なニュアンスも多分に含んでいる。

そんな少々お下品な響きの言葉も、舞耶姉にかかれば軽やかなギャグワード。矢島晶子さんの嫌みのない明るい声がマッチしている。
ほかには逃走時の「ケツまくって逃げるわよ!」なども印象的。
ワードチョイスと中の人が相まって嵐を呼ぶ少年を連想するが、明るく通る声により、品を落とさない健康的なギャグとして成立している。

ただ彼女の明るい印象も、過去の不幸な出来事を知ると大きく変わってくる。
周りの人間との関係性、という意味でも周囲が年下ばかりだった『罪』と同年代以上の『罰』とで全然違う。
まさに自己を演じ分けるペルソナ、人間のアイデンティティの奥深さを、長尺のRPG2作品を通じて教えてくれるキャラだ。

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