CFO思考

 今回は徳成旨亮氏著書の「CFO思考」を読了したので、自分が学んだこと、考えたことをについて書いてみようと思う。

 この本を読もうと思ったきっかけだが、私が経営企画業務に従事しており、自分の業務また私自身のキャリアを考えていく中でとても役に立ちそうな本だと思っていたからだ。
 経営企画室の主な業務は、役員の思考を言語化し、戦略・戦術に落とし込むことで、社員に、役員の考えに関して腹落ちしていただき、組織としての推進力を注入する、現場と経営をつなぐ役割であると考えている。また企業の参謀として、時には役員と激しくディスカッションし、適切なリスクを管理するとともに、リスクテイクを促す場面もあると感じている。
 「CFO思考」は、企業参謀としてのあるべき姿、必要なスキルについて明確な記載があり、私自身も多くの学びがあったので、このタイミングで言語化したいと思い、学んだこと・考えたことを記載させていただきたいと思う。

 まず感じたのは、CFOとは単なる経理財務担当役員ではなく、Cスイート(CEO、COO、CFO)の一角として、ファイナンスを軸に企業の成長にコミットする役割であるということを強く意識する必要があることだ。CFOはバックサイド担当のトップではなく、事業を伸ばすビジネスパートナーとして、定量化に徹底的にこだわり、適切なリスク管理とリスクテイクを促す役割だと感じた。私自身もそこには大いに同意で、専門色の強いコーポレートサイドの知識があるCFOは、現場に並走する形で、企業価値向上に資するビジネスの座組構築や、収益管理、リーガル業務、などに携わっていくべきであると感じている。

 上記をCFOとしてのあるべき基本姿勢と捉えたときに、CFOとして具体的に何に力を注いでいくべきかについて、組織レベル・個人レベルで各1つずつ述べていければと思う。

①ガバナンス機能の実行性発揮(組織レベル)
 ガバナンスとは一見、守りのイメージがあり、意思決定エラーを起こさない仕組みをどう担保するのかという側面があると思うが、それだけではない。適切なリスクテイクを促すということも攻めのガバナンスとして持ち合わせていることだ。特にその点で大切なのは、取締役会を有効的に機能させるかが論点になってくる。取締役会は株主から委託された存在で、基本的にはリスク管理の側面が強い。特に社外取締役を取締役会に~名以上入れるべきなどの議論が増えるほど、リスク管理の側面が強くなる。本書では、取締役を対象にした勉強会を行うことを進めている。これは、取締役の企業課題に対する理解度を向上させ、議論の質を上げ、適切なリスクテイクに踏み出す一歩になるのではと考えている。
 また著者が三菱UFJのCFOであった時代に、取締役会の議題削減に取り組み、1議題当たりの議論する時間を向上させたという事例は、取締役会を有効に機能にさせる1つのヒントになるかもしれいないと感じた。
 結論は、ガバナンスを有効に機能させるために、取締役の課題に対する解像度を高めることを前提とし、きちんとした議論ができる状況を整え、意思決定の精度を上げるというプロセスを踏んでいくことがとても重要だと感じた。
 
あらゆる業務に興味をもち取り組む姿勢(個人レベル)
 本書でもある通り、CFO業務は一昔前と比べて、対応すべき領域があきらかに広がっている。経理・財務・税務・管理会計に始まり、IR・サステナビリティ・DX・経営戦略(M&Aを含む)等があげられる。また今後は生成AIを含めた経営変革等もアジェンダになりうる可能性があるし、中長期で対応すべき業務範囲は明らかに広がっていくと感じている。現状に満足することなく、自分の領域を決めつけずに学んでいく姿勢が大切だと考える。
 その中でも自分の軸を持つことは大切だと考えていて、何か1つもしくは2つに圧倒的なスキルがあれば、そこを切り口にあらゆる領域に対してアプローチできていくと考えている。強みをまずは磨きつつ、新たな領域にチャレンジする機会があれば、積極的に取りに行くという姿勢を持つことを心掛けている。
 

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