見出し画像

今日は”勤労感謝の日” 気持ちだけでなく目に見える感謝を!

今日は1年の最後の祝日である勤労感謝の日です。国民の祝日に関する法律(祝日法)によれば、

勤労をたっとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう。

国民の祝日に関する法律(祝日法) 第2条

日として制定されています。日頃の仕事に対して「お疲れ様」という感謝の気持ちを大切にするということですが、そろそろ会社から”目に見える”感謝があってもよいのではと思うのです。

”目に見える”感謝とは

それはズバリ、

  1. 労働の成果に見合った賃金&職位待遇

  2. ワークライフバランスを重視した労働環境

  3. 遠慮せずに有休を取得できる

の3点セットです。

日本人の美徳として「見返りを求めない」という精神があります。この精神はボランティア活動や恋愛において大切なものです。
しかし、この精神を労働市場に持ち込むと、長時間労働の助長・”やりがい搾取”に巻き込まれ、低賃金で身体を酷使されるブラック労働が進んでしまいます。働き方改革を進めるうえで、労働市場においては「しっかりと見返りを求める」ことが自分にとって大切なものだと思います。
ここからは3点セットについて1つ1つ論じていきます。

1.労働の成果に見合った賃金&職位待遇

日本の雇用は未だに年功序列・肩書重視の風潮が根強く残っています。すべてを否定するわけではありませんが、これまでのままでは若手の出世欲の低下・能力開発ができないといったデメリットが懸念されます。
また、人事評価制度もかなり定性的な部分が多く、いわゆる”上司ガチャ”と呼ばれる上司それぞれの基準で評価されていることで、従業員間で不公平な待遇が生まれています。
人間が人間を評価する以上、定性的な部分を完全に排除することはできませんが、それでもなるべく公平に評価しようと思えば、数値化できるものは数値で評価したほうが良いでしょう。また、テレワークや働き方改革が普及している中においては、時間外労働時間(少ない方を評価)や有休取得率(高い方を評価)も評価の対象にすると、企業の人件費削減&従業員満足度(ES)向上につながると思います。
そしてその評価を年功序列関係なく公平に扱い、評価に見合った賃金・職位の待遇を行うところまで企業の経営者・人事はやり通さなければなりません。

2.ワークライフバランスを重視した労働環境の構築

大量生産・大量消費の時代に通用していた「24時間戦えますか」に代表される仕事第一主義はもはや崩壊しています。女性登用が進む中、これからは従業員それぞれのワークライフバランスを重視した労働環境の構築が急務となります。具体的には、時差出勤・性別関係なく育休が取得できる職場の雰囲気作りなどがあります。
そしてこの記事を機会に筆者が特に述べたいことが、単身者(独身者)にも十分なワークライフバランスの環境整備を行うべきということです。日本はこれまで結婚して家族を持つことをモデルケースとして、雇用関係(男社会の構築)が形成されてきました。しかし全世帯の3分の1が単身者となっているいま、『(退社時)家族がいるから残りの仕事はお前(単身者)に任せた』(=妻帯者は定時帰りで単身者が残業する)というような風潮は止めてほしいと願っています。家族がいるからといった一種の決めつけは多様性の否定であり、単身者を差別的に扱おうとする表れです。単身者にも生活があります。さらに単身者の方が税制優遇などが少ないので、貧困化も進んでいます。家族を持つ人同様十分なワークライフバランスを受けられる環境を整備することが単身者への”目に見える”感謝になるのではと思います。

③遠慮せずに有休を取得できる

②にも関連しますが、日本は世界的にも有給休暇の取得率が低い状態です。取得率が低い主な理由として「周囲の状況を見て遠慮している」「病気のために残している」などが挙げられています。
「病気のために残している」は療養のための特別休暇がない会社であれば仕方がないかもしれませんが、「周囲の状況を見て遠慮している」というのは日本独特の同調圧力による弊害に他ありません。『自分は仕事しているのになんであいつは休んでるんだ』という気持ちを作ってしまうような職場は決していい環境とは言えません。

こうした状況に対して筆者がよく述べているのが、休みに対する見方を変えることが会社全体の有休取得率向上に結び付くのではということです。これまで日本人は仕事をベースとして考え「働くために休む」日として休日があると考えていました。しかしこれでは休日もゆったりとして休むことができずに休日にもメール確認などといった行動パターンが生み出されてしまいます。これからは欧米同様に休むことをベースとして考え「休むために働く」日として勤務日があるという価値観に移行したほうがいいかと思います。こうすることでメリハリのある1日を過ごすことができ、ゆったりとした休日やバカンスに代表される長期休暇の取得が可能になるのだと思います。
休むことを悪として捉えた時点でブラック企業への入口に立ちます。しっかり休むことが企業全体としての生産性向上に結び付くということを経営者は認めてそれに向けた制度構築を考えてみてはいかがでしょうか。

まとめ

会社からの”目に見える”感謝としては他にも福利厚生の拡充などもありますが、今回は代表して上記3点を挙げました。労働は会社との雇用契約の下で成立している以上、労働者が労働に対する見返りを求めることは当然の流れだと考えます。また会社側も労働者の仕事に対するモチベーションを保つためにも”目に見える”感謝を構築していくことが求められます!

いつもご覧いただきありがとうございます。今後も皆さんの関心を引く記事を書いていきますので、よろしければサポートをよろしくお願いいたします!