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”祝日”について改めて考えてみよう

今日3月20日は「春分の日」です。イメージとしては「昼と夜の長さが同じになる日」と考えている人も多いかもしれませんが、実際は昼の方が少し長くなります。[東京は12時間08分:5時45分(日の出)⇒17時53分(日の入り)]

ところで、そもそもなぜ春分の日が祝日として定められているのか考えたことはありますか?また、その他にある祝日は一体どのような意味で設定されているのかご存知ですか。

”祝日”は法律で決まっている

日本の祝日は現在合計で16日あります。

<2021年祝日一覧>(日付)
元日(1/1) 成人の日(1月第2月曜日) 建国記念の日(2/11) 
天皇誕生日(2/23) 春分の日(春分日) 昭和の日(4/29)
憲法記念日(5/3) みどりの日(5/4) こどもの日(5/5)
海の日(7月第3月曜日) 山の日(8/11) 敬老の日(9月第3月曜日)
秋分の日(秋分日) スポーツの日(10月第2月曜日)
文化の日(11/3) 勤労感謝の日(11/23)

これらはすべて「国民の祝日に関する法律」(以下:祝日法)をもとに設定されています。

まず祝日を設定する意義について、このように定められています。

<祝日法第1条>
自由と平和を求めてやまない日本国民は、美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために、ここに国民こぞって祝い、感謝し、又は記念する日を定め、これを「国民の祝日」と名づける。

要約すると、「国民全体で祝ったり、記念する日を『国民の祝日』とする」と記載されています。

そして第2条にそれぞれの祝日とその意味が明記されている。

<祝日法第2条>※一部表記を編集
元日
:年の始めを祝う。
成人の日:大人になったことを自覚し、自ら生き抜こうとする青年を祝いはげます。
建国記念の日:建国をしのび、国を愛する心を養う。
天皇誕生日:天皇の誕生日を祝う。
春分の日:自然をたたえ、生物をいつくしむ。
昭和の日:激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす。
憲法記念日:日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する。
みどりの日:自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ。
こどもの日:こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する。
海の日:海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う。
山の日:山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する。
敬老の日:多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う。
秋分の日:祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ。
スポーツの日:スポーツを楽しみ、他者を尊重する精神を培うとともに、健康で活力ある社会の実現を願う。
文化の日:自由と平和を愛し、文化をすすめる。
勤労感謝の日:勤労をたっとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう。

今日の春分の日でいうと、「自然をたたえ、生物をいつくしむ。」日と定められています。

このように祝日の意義を見てみると、「ただ休める日が増える」として認識せずに、その日について振り返りながら過ごしていくことが大切だと思います。

祝日法の歴史

現在の祝日に至るまでは、いくつかの変遷がありました。
※[官報]に法律の議案が記載されています。

祝日法の制定について、戦前の1927年(昭和2年)に定められた「休日二関スル件」という勅令(天皇が発する命令)を、戦後の日本国憲法での象徴天皇制に合わせる形で1948年(昭和23年)に制定されました。制定時は祝日は9日ありました。[官報]

②最初の改正は1966年(昭和41年)であり、この改正で建国記念の日・敬老の日(9/15)・体育の日(10/10)が新たに祝日として定められました。[官報]
※建国記念の日はその後の政令で2/11とされ、翌年から適用された。

③1973年(昭和48年)の改正で、祝日が日曜にあたる場合はその翌日を「休日」とすることになりました。[官報]

④1985年(昭和60年)の改正で、前日およびその翌日が祝日である場合はその間の日を「休日」とすることになりました。[官報]

⑤1989年(平成元年)の改正で、昭和天皇の崩御に伴い、天皇誕生日が4/29⇒12/23に移行し、4/29をみどりの日とすることになりました。[官報]

⑥1995年(平成7年)の改正で、海の日(7/20)が新たに祝日として定められました。(1996年施行)[官報]

⑦1998年(平成10年)の改正で、成人の日が1/15⇒1月第2月曜日に、体育の日が10/10⇒10月第2月曜日となりました。(2000年施行・ハッピーマンデー制度)[官報]

⑧2001年(平成13年)の改正で、海の日が7/20⇒7月第3月曜日に、敬老の日が9/15⇒9月第3月曜日となりました。(2003年施行・ハッピーマンデー制度)[官報]

⑨2005年(平成17年)の改正で、4/29を昭和の日に、みどりの日が4/29⇒5/4となりました。(2007年施行)[官報]

⑩2014年(平成26年)の改正で、山の日(8/11)が新たに祝日となりました。(2016年施行)[官報]

⑪2017年(平成29年)の天皇の践祚に伴う皇室典範特例法の改正に合わせ、祝日法も改正され、天皇誕生日が12/23⇒2/23に移行することとなりました。(2019年施行)[官報]

⑫2018年(平成30年)の改正で、体育の日がスポーツの日に改称することとなりました。(2020年施行)[官報]

これらの改正により、現在の16日ある祝日が制定されました。

祝日の変遷

また近年は、祝日法にはない日を祝日とすることがありました。
2019年の天皇陛下の即位に際して、即位日の5/1および即位礼正殿の儀が行われた10/22を「天皇の即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律(現在は失効)」に基づき、祝日とすることが定められました。また、5/1の前後の日(4/30・5/2)を祝日法(上記④の改正)に基づき休日とすることになったため、カレンダー上で10連休となりました。

2019年の10連休

以上が祝日法及びそれに関連する祝日について紹介しました。今日及び今後の祝日においても「祝日」について考えてみてはいかがでしょうか。

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