文脈くん

このnote及びマガジン「文脈ノート」では、コンテンツの「文脈」について書いていきます…

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このnote及びマガジン「文脈ノート」では、コンテンツの「文脈」について書いていきます。文脈は、コンテンツの価値を高める最大の武器。これからのコンテンツは、文脈の強弱によって価値が決まってきます。文脈でコンテンツ力を高めたい、そんなクリエイターのためのnote及びマガジンです。

マガジン

  • 文脈ノート

    文脈は、アートであれエンタメであれ、コンテンツを商品として成り立たせるためにはきわめて重要な役割を担います。アートビジネス、コンテンツビジネスが成立するか否かは、ほとんど文脈にかかっているのです。ぼくはこれまで、その文脈についてさまざまな研究をしてきました。それをご紹介していくのが、このマガジンのコンセプトです。また、その文脈についての論考をビジネスとも結びつけ、仮説を展開していきます。このビジネススキームの仮説が、みなさんの役に立つことを目指します。記事は月10本ほど、つまりだいたい週2のペースで五月雨式に発表していく予定です。

記事一覧

固定された記事

文脈とは何か?

文脈とは何か? それは、価値が生成される過程の物語のことだ。人は、物語を必要としている。なぜなら、物語の真贋なら鑑定しやすいからだ。それゆえ、ものごとを見極める…

文脈くん
5年前
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誰も都知事選に興味がない理由

ネットでは都知事選で話題のようだが、ぼくは全く興味が湧かない。ぼくは長いこと東京都民だったので、もっと興味が出ても良さそうだが、一向に湧いてこないのである。 そ…

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文脈くん
1日前
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擬態する人

今回は、「擬態する人」という現象について見ていきたい。 まず、「擬態する人」というのは、「社会に適応し、自らの姿をそれに寄り添わせるため、大きく変化する人」とい…

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文脈くん
2日前
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仕事ができるとはどういうことか?

知り合いの子供が今年就職したという話を聞いた。そこで考えてみた。 就職するとき、人は何を考えるのか? おそらく、「仕事ができるようになりたい」と考えるのではない…

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文脈くん
3日前
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文化資本の蓄え方の本質

最近、ネットでは「文化資本」について語られることが多いが、それらを読むと、多くの人が文化資本について誤解していることが分かる。例えば、「美術館に行く習慣がある家…

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文脈くん
4日前
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自分に刺激を与えない

ぼくはなるべく料理に調味料を使わないようにしている。たとえば刺身はもう長いこと醤油なしで食べている。醤油なしで食べると魚の味が分かる。魚の味が分かるとより舌の感…

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文脈くん
5日前
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小説を書ける人と書けない人とを分けるもの

このnoteというサービスには小説を書きたい人、あるいは実際に書いているが上手くいかない人が多いようだ。そういう人に向けたアドバイスの記事も溢れている。 そこでぼく…

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文脈くん
6日前
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「求められる人」になろうと思ってもなれない人は致命的な勘違いをしている場合が多い

求められる人になる方法について書きたい。求められる人とは何か? それは人から頼りにされたり、慕われたり、好かれたりするということである。世の中には、そういう人に…

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文脈くん
7日前
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病気と土

何かを学ぶとそのものの構造が分かる。構造が分かるとそれが他のものに応用可能だと気づく。 例えば、初めての土地にいくときに、当てずっぽうで行くより地図で確認してい…

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文脈くん
8日前
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セレ中

「セレブな世界」というものがあって、人はそれを望む。例えば高級ホテルに泊まったりブランドものに身を包んだりして、ゴージャスな気分を味わう。 そういうのに全く興味…

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文脈くん
9日前
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みじめな人々が起こす次の「戦争」

「頂き女子」の事件が気になっている。なぜかといえば、今の世相の一つの象徴ではないかと思うからだ。ドストエフスキーなら小説の題材にしただろう。「頂き女子」はきわめ…

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文脈くん
10日前
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なぜ庭を作るか?

先日、ラジオに出てきた。自分でいうのもなんだが、なかなか面白い内容になったのでよかったら聞いてみてほしい。 ところで、今回は「なぜぼくが庭を作るか」ということに…

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文脈くん
11日前
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コミュニケーションスキルについて

コミュニケーションスキルの話題が、ネットの耳目を集めることが多いように思う。それは、多くの人がコミュニケーションスキルの不足について悩んでいるからだろう。

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文脈くん
11日前
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糸島でドラッカー学会を開催します

今日は宣伝をさせてください。2024年秋にドラッカー学会糸島大会が、福岡県福岡市にある九州大学伊都キャンパス内の椎木講堂で開催されます。 時間は10時から17時で、登壇…

文脈くん
12日前
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文化の廃れはなぜ起こるのか?

文化は廃れる。それは昔からで、景徳鎮の陶器がいかに素晴らしいものであっても今はもうない。なくなるときは呆気なくなくなるのだ。 ぼくが生きてる間には、新聞、出版、…

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文脈くん
2週間前
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なぜゲーム産業は廃れてしまったのか?

ゲーム産業は廃れてしまった。それはあらゆる指標が示しているし、今後ますますその傾向が顕著になるだろう。 ではなぜ、ゲーム産業は廃れてしまったのか?

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文脈くん
2週間前
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文脈とは何か?

文脈とは何か?

文脈とは何か?

それは、価値が生成される過程の物語のことだ。人は、物語を必要としている。なぜなら、物語の真贋なら鑑定しやすいからだ。それゆえ、ものごとを見極めるとき、文脈を必要とする。

文脈に則った作品は、価値を認めやすい。例えば、モナ・リザという作品がある。モナ・リザは、イタリアを追われたレオナルド・ダ・ヴィンチがフランス王に招かれ、その地で亡くなったため、フランスの所有物としてルーブル美術

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誰も都知事選に興味がない理由

誰も都知事選に興味がない理由

ネットでは都知事選で話題のようだが、ぼくは全く興味が湧かない。ぼくは長いこと東京都民だったので、もっと興味が出ても良さそうだが、一向に湧いてこないのである。

そして、ぼくの興味が湧かないということは、世間の関心も失いつつあるということだ。ぼくは子供の頃からアーリーアダプターの気質があって、流行のちょっと先を行く。だから、今から断言してもいいが、都知事選は盛り上がらない。マスコミは無理やり盛り上げ

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擬態する人

擬態する人

今回は、「擬態する人」という現象について見ていきたい。

まず、「擬態する人」というのは、「社会に適応し、自らの姿をそれに寄り添わせるため、大きく変化する人」という意味である。

人間は、社会的な生き物で、社会に適応する。しかも、適応能力が高く、ほとんど別人と思えるくらいに変化する。それはもはや、動物の擬態と比肩しうるレベルだ。

例えば、経営コンサルタントという職業があって、かつては勉強を頑張り

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仕事ができるとはどういうことか?

仕事ができるとはどういうことか?

知り合いの子供が今年就職したという話を聞いた。そこで考えてみた。

就職するとき、人は何を考えるのか?

おそらく、「仕事ができるようになりたい」と考えるのではないだろうか。
そこで今回は、「仕事ができるようになるとはどういうことか?」ということを考えてみた。

まず、結論からいうと「問題解決ができるようになる」ということである。「仕事」とは「問題解決すること」である。だから「仕事ができるようにな

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文化資本の蓄え方の本質

文化資本の蓄え方の本質

最近、ネットでは「文化資本」について語られることが多いが、それらを読むと、多くの人が文化資本について誤解していることが分かる。例えば、「美術館に行く習慣がある家に生まれた子供は文化資本が豊富」などと安易に考えがちだが、それは必ずしも正しくない。

なぜなら、そういう家庭環境で育った子供でも、文化資本が身につく者と身につかない者がいるからである。例えば全く同じ環境で育った兄弟でも、文化資本の多寡が極

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自分に刺激を与えない

自分に刺激を与えない

ぼくはなるべく料理に調味料を使わないようにしている。たとえば刺身はもう長いこと醤油なしで食べている。醤油なしで食べると魚の味が分かる。魚の味が分かるとより舌の感覚が鋭敏になる。舌の感覚が鋭敏になると美味しいものと不味いものの区別がよりつくようになり、これは健康にも好影響を及ぼすと考えている。

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小説を書ける人と書けない人とを分けるもの

小説を書ける人と書けない人とを分けるもの

このnoteというサービスには小説を書きたい人、あるいは実際に書いているが上手くいかない人が多いようだ。そういう人に向けたアドバイスの記事も溢れている。

そこでぼくも一つアドバイスを書いてみよう。ちなみにぼくは、日本でも上から数えて数番目くらいに自分の書いた「小説」が売れた人物なのだが、誰もアドバイスを求めに来ない。なぜだろうか?

小説を書ける人と書けない人の差は、嘘というもののとらえ方にある

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「求められる人」になろうと思ってもなれない人は致命的な勘違いをしている場合が多い

「求められる人」になろうと思ってもなれない人は致命的な勘違いをしている場合が多い

求められる人になる方法について書きたい。求められる人とは何か? それは人から頼りにされたり、慕われたり、好かれたりするということである。世の中には、そういう人になりたいのに、なれなくて苦労したり、悩んだりしている人も多いのではないだろうか。

それで悩んでいる人は、基本的に「構造」が分かっていないのだと思う。人から求められるという状況の構造が分かっていない。だから、その構造が分かれば、もっと簡単に

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病気と土

病気と土

何かを学ぶとそのものの構造が分かる。構造が分かるとそれが他のものに応用可能だと気づく。

例えば、初めての土地にいくときに、当てずっぽうで行くより地図で確認していった方が、当たり前だが圧倒的に早い。この構造を料理に当てはめると、まずは感覚で作るのではなく、レシピと首っ引きで作った方が正解に辿り着きやすい。

何が言いたいかというと、ぼくは土の勉強を始めてから、「土というのは体ととても似ているのでは

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セレ中

セレ中

「セレブな世界」というものがあって、人はそれを望む。例えば高級ホテルに泊まったりブランドものに身を包んだりして、ゴージャスな気分を味わう。

そういうのに全く興味ないという人もいるが、それは本質的ではない。セレブは人間の本質であって、誰もがそれを望むようにできている。

かといって、それはある種の麻薬でもあるので、のめり込みすぎても良くない。たとえていうならお酒に近いだろう。適量なら百薬の長だが、

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みじめな人々が起こす次の「戦争」

みじめな人々が起こす次の「戦争」

「頂き女子」の事件が気になっている。なぜかといえば、今の世相の一つの象徴ではないかと思うからだ。ドストエフスキーなら小説の題材にしただろう。「頂き女子」はきわめて文学的な存在だ。

「文学的な存在」とは何か?
それはズバリ「みじめ」ということである。みじめこそ、文学の最も主要なテーマの一つだ。なぜかといえば、みじめという感覚は高度に人間的で、我々の感性に強く訴えかけるものがあるからである。

動物

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なぜ庭を作るか?

なぜ庭を作るか?

先日、ラジオに出てきた。自分でいうのもなんだが、なかなか面白い内容になったのでよかったら聞いてみてほしい。

ところで、今回は「なぜぼくが庭を作るか」ということについて少し書いてみたい。それは、以前にジブリのドキュメンタリーを見たときのことだった。

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コミュニケーションスキルについて

コミュニケーションスキルについて

コミュニケーションスキルの話題が、ネットの耳目を集めることが多いように思う。それは、多くの人がコミュニケーションスキルの不足について悩んでいるからだろう。

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糸島でドラッカー学会を開催します

糸島でドラッカー学会を開催します

今日は宣伝をさせてください。2024年秋にドラッカー学会糸島大会が、福岡県福岡市にある九州大学伊都キャンパス内の椎木講堂で開催されます。

時間は10時から17時で、登壇順にエミン・ユルマズ先生(投資家)、白井智子先生(教育者)、内藤廣先生(建築家)など、各界で活躍される新時代のリーダーの方々をゲストスピーカーとしてお招きいたします。

ぼくはその実行委員長を務める岩崎夏海です。昔『もしドラ』とい

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文化の廃れはなぜ起こるのか?

文化の廃れはなぜ起こるのか?

文化は廃れる。それは昔からで、景徳鎮の陶器がいかに素晴らしいものであっても今はもうない。なくなるときは呆気なくなくなるのだ。

ぼくが生きてる間には、新聞、出版、本屋、レコード(CD)ショップ、ラジオ、テレビ、ゲーム、レンタルビデオなど、いろんな文化が廃れてしまった。他にも挙げたらキリがないと思う。

TSUTAYAなどは本当に大変だったと思う。事業の3本柱であったレンタル、出版、レコード(CD)

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なぜゲーム産業は廃れてしまったのか?

なぜゲーム産業は廃れてしまったのか?

ゲーム産業は廃れてしまった。それはあらゆる指標が示しているし、今後ますますその傾向が顕著になるだろう。

ではなぜ、ゲーム産業は廃れてしまったのか?

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