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今こそ梶谷隆幸が必要だ

 プロ野球が開幕して、1ヶ月が経過しました。

 セ・リーグでは昨年日本一に輝いた阪神タイガースが首位を走り、パ・リーグではオフに山川穂高選手など大型補強を敢行した福岡ソフトバンクホークスが早くも独走態勢。皆様の贔屓球団は今どのような状況でございましょうか?

 僕の応援している読売ジャイアンツは、5月2日現在貯金0で2位。4月はトレードなどで整備した投手陣の安定した投球などで一時期貯金4まで行ったものの、少し綻びが見え始め現在3連敗中。しかも明日からは首位阪神との3連戦なもので、少し苦しい状況でございます(笑)

 特に打撃陣の調子がいまいち上がりませんな。現在チーム打率は.227で、セ・リーグ最下位。本塁打は11本で4位、OPSが.601で5位と、正直奮っていません。去年まで在籍していた中田翔選手の退団やアダム・ウォーカー選手をトレードで放出したりと、投手陣や守備陣を強化したのと引き換えに打撃陣を少し弱めた。世間的には、ここらへんが打撃低迷の要因ではないかと言われていますね。

 現在中田選手が101打席.282 2本OPS.707、ウォーカー選手が66打席.169 1本 OPS.443と、正直そこまで打ってるわけではない(ウォーカー選手は完全にスランプ)ではありますが、期待値を考えるとそういう声が上がるのもわかります。

中田翔選手(中日)
アダム・ウォーカー選手(ソフトバンク)

 それからよく上がるのが「外人選手を補強していない」という意見ですな。今季はルーグネッド・オドーア選手を獲得したものの開幕3日前に電撃退団(笑)よって現在支配下の外人野手は育成上がりのエスタミー・ウレーニャ選手しかいない状況に。

 僕は外人選手は要らんという立場なのですが、外人選手を欲しがる人の気持もわかりますよ。外人=長打というイメージがありますし、ホームラン打ってくれると気持ちいいじゃないですか。実際長打の方が得点に結びつきやすいですし、そういった期待を持たせてほしいという気持ちがどこかにあって、それを欲しがる気持ちは理解できると。

 …と、ここまでヌルっと話してきましたが(笑)、今のこの状況、なぜ得点できないのか、そして今誰が必要なのかというのを、一個一個自分なりに整理してみたいと思い、筆を執らせていただきました。

・外人選手は必要か?

 先日の東京ヤクルトスワローズ戦で、巨人は2人の外人選手にボコボコにされまして。

ホセ・オスナ
ドミンゴ・サンタナ

 4番村上宗隆選手の前後をオスナ選手とサンタナ選手が固める打線、手強かったですな〜(笑)いや笑い事ではないんですが。3連敗したので。

 2人とももう4年目ですか。安定して打ってくれる外人選手がいるとやはり脅威ですよね。特にサンタナ選手の破壊力といったらありません。ボールがいとも簡単に飛んで行きますからね。

 こういう選手達を見てしまうと、「俺達のチームにも外人選手を!」と考えてしまうのもわかります。特に代打ウレーニャなどを見せられた日には、さぞ鬱憤も溜まってしまう事でしょう。なんでこんな打てない奴を出してるんだ、メジャーから“本物”を取ってこい!と。

 しかし、待ってください。

 

そもそもオスナ、サンタナ選手以外にこんな打てる外人って今いるか?


 という事で、念の為今季入団した外人選手の成績を調べてみました。

今季入団した外人選手の打撃成績(50打席以上)

アギラー(西)
111打席.225 2本 OPS.622
レイエス(日)
61打席.170 2本 OPS.599
コルデロ(西)
53打席.176 1本 OPS.482

 この3人しかおりません。

 更に来日2年目以降でOPS.8超えの外人選手を探してみますと、オスナ選手サンタナ選手の他にオリックスのレアンドロ・セデーニョ選手しかいない状況。

“打てる外人選手”が、ほとんどいないのが現実であります。

 巷でよく言われていますように、最近は投手の球速上昇などでメジャーから都落ちしてきた外人選手が活躍しにくくなっていますよね。というのがわかりきっている中で、なぜ外人選手を獲得してほしいと思うのかは疑問です。

 更に、ポジションの問題もあります。

 現在、巨人では2人の若手外野手が活躍してくれています。

 

萩尾匡也選手
佐々木俊輔選手

 今季ここまで、萩尾選手は外野全ポジションで22試合にスタメン出場。佐々木選手はセンターとライトで20試合にスタメン出場しております。二人の活躍、眩しいですよね。

 怪我の功名と言いますか、オドーア選手が退団してくれたおかげで若手2人にチャンスが巡ってきたと言えます。打撃でも萩尾選手が91打席で.236 2本 OPS.713、佐々木選手が86打席で.256 0本 OPS.639とそれなりに結果も残している。

 ただこの2人が本当に素晴らしいのは打撃というよりは、守備走塁。

 2人とも安定した守備力を持ち合わせていますし、肩も強い。走塁では佐々木選手が単打性の当たりで二塁へ陥れたり、一塁から二塁へのタッチアップなどもありました。萩尾選手も今季二塁打5本、三塁打2本と脚力で長打を増やしている。

 もしこの2人の代わりに外人選手が出ていたらどうだったでしょうか?オドーア選手と、仮に西武のアギラー選手を巨人が獲っていたら?外人選手特有のパワーで長打力を積み重ねていたでしょうか。

 おそらく、今よりも大きくマイナスを作っていただろうと考えています。少なくとも現時点では、萩尾・佐々木選手より獲得して欲しかった新外人選手はいません。オフに獲得できたNPB経験者に関しても同じです。去年パ・リーグでホームラン王を獲得したグレゴリー・ポランコ選手でさえ、本塁打こそ5本ですがOPSは.725と萩尾選手とそう変わらない数字。

 打撃以外の差が激しく違いすぎるんですよね。

 だから本当にラッキーぐらいなんですよ今の状況。オドーア選手が退団してくれたおかげで2人を使えましたし、もし居続けられたら今どうなってたかわかりません。

 例えば「オフにサンタナ選手が保留名簿から外れた場合、獲得しに行ってほしい」ならわかるんですよ。2人がサンタナ選手以上に打てるわけないので。でも「誰でもいいから外人選手を獲得しろ」というのはなんと言うのかなあ…現状をよく理解していない人の意見だと思います。

 で、それなら今の打撃陣のどこに問題があるのかという話ですが…。

・外せない坂本、丸選手の手痛い不調


 まあこんなのは試合見てれば誰でもわかる事なのですが、現在巨人が苦しんでいる理由なんてここしかないんですよね。


坂本勇人選手
丸佳浩選手

 本来ならこの2人が巨人のオスナ・サンタナになってほしかったのですが…現状上手くはいっておりません。

 丸選手は1番に入ってからは復調してきたものの、4月30日にやっと今季1号が出るなど出遅れ感が否めない。成績も.253 1本 OPS.684と物足りません。

 坂本選手などはもっと深刻で、岡本和真選手の後ろを打つという大事な役割でありながらここまで.230 3本 OPS.614。ちょっと厳しい(笑)

 しかも先日のヤクルト3連戦では、延々と外角低めを攻められるという屈辱的なリードをされてしまう。

 坂本選手は31歳で2000本安打を達成した、最早生ける伝説のような選手。その坂本選手に対してヤクルトの中村悠平捕手は、「ここに投げたら打てないだろ?(良くても単打だろ?)」とばかりに、外角低めばかりを要求したわけですから、屈辱的以外の何物でもないわけです。

 そしてそのリードは正解で、坂本選手が外角を逆方向にはじき返して長打を放つ!…という場面は、ついぞ見られませんでした。

 そもそも坂本選手は代名詞ともいえる二塁打を今季まだ1本も打っておらず、本塁打か単打のみ。その本塁打もそこまで打っているわけではないので、正直今は打線の中で邪魔になってしまっている。

 丸選手も同様で、今季は二塁打1、三塁打1。例年に比べれば走れている方ではありますが、正直長打のない丸選手は使い所が難しいですよ。

 それでも2人はレジェンドですし、毎年安定して成績を残してきた選手。おいそれとは外せません。一時期丸選手が足の不調でスタメンから外れていましたが、そういった理由がなければ外すのは簡単ではない。

 となればこのポジションに外人選手を補強できませんし、2人に頑張ってもらうしかない…という状況が、一番辛いわけです。

 この2人の不調によって、打線が分断されてしまっていると言ってもいいと思います。そのかわりに中軸を打てる大城卓三捕手を5番に置くという選択もありますが、彼も今は打撃が絶不調。

「使っていないからだ」という意見もありますが、現在は捕手3人併用体制で週2試合は出ていて、同じポジションの岸田行倫捕手が打っているという状況なのであまり言い訳にもできない。まあ捕手論争は書いていくと凄く面倒臭いのでここらへんにしときます(笑)話題ともズレますしね。

 長々と書いていましたが、ではどうするのかと。

 個人的な意見ですが、得点していく為には打線を装置のように組み立てていかないといけないと考えてます。例えば阿部慎之助監督が正月頃に「3番4番で一二塁を作ったら5番にバントさせ、6番7番に返してもらう」という趣旨の発言をして叩かれましたが(笑)個人的にはあれも1つの作戦としては合理的だと思ってるんですね。

 まず岡本選手を打線の核とするなら、その前を打つ打者は出塁してもらわないといけない。そして岡本選手の後ろを打つ選手には、岡本選手が掃除し残したランナーを返す役割が期待される。

 となると例えば長打でなくてもいいわけです。一死か二死二塁、三塁にランナーがいる状況で、単打を放ってくれればいい。と書いてしまえば簡単ですが上手くいかないのは現在の巨人が証明しているので(笑)なるべくバットコントロールの上手い選手を置きたい。

 他球団で言えばホークスの中村晃選手、ヤクルトの川端慎吾選手、あと若手で阪神の前川右京選手などですね。

 こういう選手は打線には貴重です。何年も前から打線に組み込んでほしいタイプの選手。それがなかなかいないんでホームランが出ようが出まいが繋がらないのですが…実はこの手のタイプ、巨人には2人ほどいます。

・今の巨人打線に必要な選手

梶谷隆幸選手
秋広優人選手

 梶谷選手は坂本選手と同い年のベテラン。秋広選手は去年ブレイクした期待の若手選手であります。

 2人は細かく言えば若干タイプが違うんですが、梶谷はまさに狙って単打が打てる選手。天性のバットコントロールを持った選手です。秋広選手はコースによっては穴があるものの、追い込まれてからのバットコントロールは上手な選手ですね。

 2人は現在、二軍で汗を流しております。梶谷選手は開幕カードこそスタメンにいて大活躍したものの、4戦目の前に古傷が痛み抹消。1ヶ月ほど戦列を離れている状況。

 秋広選手はオープン戦中に二軍に落ちると、その後は二軍でもあまり成績が振るわず…と言った状況ですね。

 ただ今の巨人打線を変えるにはこの2人、特に梶谷選手の力はかなり必要だと思ってます。

 まず先程も書かせていただいた通り、巨人では一番バットコントロールの上手い選手です。この手のタイプ、今の巨人ではマジで珍しいんですよ。そして打線の中には誰もいない。

 仮に岡本の後ろに梶谷選手を置ければ、打線の怖さが大分違ってくるはずです。

 坂本選手は3番に置きます。個人的にはベテランをあまり上位には置きたくないんですが、ただ岡本選手の前に置けば、四球でも4番に回せば良いという気持ちも生まれましょう。外角攻めされても粘ってもらえれば相手のダメージになります。何よりネームバリューもありますので3番坂本、4番岡本、5番梶谷と組んでいけば相手の緊張度も増すでしょう。

 しかし、おそらく梶谷選手はずっとは出れません。週に4日が限界だと思います。その場合には他の選手を代役に立てる事になりますが…まあその日には佐々木選手、萩尾選手などの若手を抜擢してもいいかもしれません。

 打順はとりあえずこうしましょう。

①丸長野(左)
②尚輝(二)or門脇(遊)
③坂本(三)
④岡本(一)
⑤梶谷(右)/萩尾佐々木(中)
⑥佐々木萩尾(中右)
⑦大城岸田小林(捕)
⑧尚輝(二)or門脇(遊)

外野起用法
/左中右
火丸萩梶
水丸萩梶
木丸萩佐
金丸佐梶
土長佐梶
日丸萩佐

 まあこんな感じで回していけばいいんじゃないかと。

 それか秋広選手も上げて梶谷選手休養日に5番を打たせるというのもありますが…まあおそらくそこまではしないでしょうね。

 こうすれば走力面では落ちてしまいますが、打線の巡りは良くなるのかなと。佐々木萩尾も週4日はスタメン起用できますし、そろそろ疲れてくる頃でしょうから外れた日をトレーニングの日に当ててもいいですね。

 と、いうところですね。梶谷選手には本当に上がってきてもらいたいです。そして巨人打線の救世主となってほしい。怪我だけが怖いですが、それでベンチに置いといても仕方ないですからね。マジでお願いします(笑)

 今日から阪神との3連戦。3連勝できれば、同率首位に並べます。まあそこまでは求めてないですが、ホームゲームなのでとりあえず勝ち越しは狙ってほしいところです。

 今季のチームにはかなり期待しておりますので、ここらで梶谷選手に1ヶ月でも2ヶ月でも活躍してもらい、浮上のきっかけを作ってもらいたいですね。楽しみにしてます!

 それではこのへんで。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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