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【朗読後記】『朝のヨット』を読む

 山川方夫の作品を読みました。山川方夫は1965年に34歳の若さで亡くなりました。ですから青空文庫に収録されている作家の中では割と現代に近い文体の作品で読みやすい方だと思います。短編が多いので私もいくつか読んでいます。ミステリー寄りで、短いストーリーでありながら、心を動かす何かが仕掛けてあって、表現のしがいのある作品が多いと感じています。

 今回朗読した『朝のヨット』。初夏の話なのでもっと早く仕上げられればよかったのですが暦上は秋になってしまいました。文体は難しくないのですぐに読めるようになると思っていたのですけどね……。

 今回自分の声の違和感に引っかかりました。文章のリズムはだいぶ取れるようになってきたのですがなんだかしっくりこない。それはなぜなのか。何度読んでもいまいちしっくりこない。よくよく聞いてみたら、単語の頭の音が不明瞭でした。頭をはっきりさせることでリズムもより明確になり違和感が激減しました。
 その状態でレッスンを受けたのですが、リズムが良くなったと言われたものの、遅すぎるとのこと。もっと勢いがあった方が作品に合うと言われました。
速度を速くしたときにどのくらいリズムが崩れるかという課題もあるのだけど、そのあたりは数をこなして、速度に負けずにリズムをつけられるようにするしかありません。2歩進んでは1歩戻り、もう1歩戻って1歩進む。なかなか前には進めませんが、亀の歩みで頑張り続けるしかありませんね。

 そしてもう一つ得たことがあります。読み方の変化で表情を出しました。わざとリズムを変える2つのパターンを組み入れてみました。自分以外の人がどう思うかはさておき、自分の中ではとても大きなことでした。

 この技術を知っていれば、先月久しぶりに読んだ芥川龍之介の『沼』ももっとよくなったのになあ。今更録り直しというのもなんなので、またの機会にしようと思います。
現在多忙につき、朗読を取り組む時間を大幅に削っています。読みたいもの、読み直ししたいものはたくさんあるので、息抜きに読める時間が取れるといいなぁ。
はやく区切りをつけなければ。

よかったら聞いてください。

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